議会報告 【文教委員会】 平成22年5月11日 「総合学科について」

火曜日, 5月 11, 2010

≪ 総合学科について ≫

 

(一)総合学科における学習について

(二)総合学科の認知度について

(三)「産業社会と人間」について

(四)高校における資格取得について

(五)今後の取組について  

 

平成22511

問者:自民党・道民会議 千葉 英守

  

 

(一)総合学科における学習について 

 

 先般の文教委員会で説明のあった「総合学科に関する卒業生へのアンケート調査」について質問する。

 総合学科における卒業生へのアンケート調査については、全国的にも、平成11年度に行われて以降、実施されておらず、そういった点では意義のあるものと考える。 しかし、アンケート調査の結果については、課題とされることも多いと思われることから、以下、順次、「アンケート調査」結果について質問する。

 アンケート調査における「総合学科での学習について」では、興味・関心に応じて科目選択できることや、進路希望に応じて科目選択できることとの回答が80%以上の高い評価を得ているのに対して、「現在の進路先で生かされていることについて」では、専門科目で学んだ知識や技術、プレゼンテーションや研究方法が進路先で生かされていると回答した卒業生が40%台と低い評価である。 このことは、科目選択について、全体としては良かったが、実践的な内容については、進路先であまり生かされていないということではないか。このことについて、どのように認識しているか。

 

所 管 : 新しい高校づくり推進室

答弁者 : 参事 (改革推進)

 

総合学科における学習についてでありますが、

 

○ 今回のアンケート調査の中で、総合学科において、自分の興味・関心や進路希望に応じて科目が選択できることについては、評価が高かった一方、学んだ内容について進路先で生かされているという回答が4割程度に対し、生かされていないという回答が3割程度であったところ。

 このことについては、様々な要因が考えられるが、本人の進路先が、必ずしも希望していた進学先や就職先とは一致していないことも要因の一つとして考えられる。

 

○ いずれにしても、総合学科における学習内容をそれぞれの進路先で一層生かされるものにすることは総合学科の趣旨からも重要であることから、生徒の進路意識や目標を一層明確にし、社会的・職業的自立に向け、必要な知識、技能、態度を育む学習活動を進めていくことができるよう、指導の充実等を図ることが今後の課題であると考えているところ。

 

 

(二)総合学科の認知度について

 

 アンケート調査における「総合学科への進学について」では、高校受験の際、総合学科について「よく知っていた」、「まあ知っていた」と回答した卒業生が、約半数に過ぎず、中学生や保護者、中学校に総合学科の中身が十分理解されていないのではないか。 このことについて、どのように認識しているか。

 

所 管 : 新しい高校づくり推進室

答弁者 : 参事 (改革推進)

 

総合学科の認知度についてでありますが、  

 

○ 各学校においては、総合学科の仕組みや具体的な教育活動について、中学生及びその保護者等を対象に学校説明会等を開催するとともに学校案内パンフレットの配布や学校ホームページの充実などを通して、特色を広く情報発信しているところであるが、今回のアンケート調査の結果では、十分認知されていない状況もあることから、説明会の開催方法の検討や、より分かりやすいパンフレットやホームページの作成などにより総合学科の特徴やよさをPRできるよう、一層効果的な周知の方策を工夫することが、今後の課題であると考えているところ。

 

 

(三)「産業社会と人間」について

 

 アンケート調査における「産業社会と人間について」では、有意義だったり、役に立ったりした点として「選択科目でどのような内容の授業が行われているかや、自分の関心のある職業や仕事の内容について知ることができた」が60%台と高い評価を得ているのに対して、「高校生活の目標、高校でしたいことや、自分がどのような進路に進みたいのか明確になった」との回答は40%台と評価が低くなっている。 このことは、授業や仕事の内容について知ることはできたが、将来の目標や進路などの明確化が図れなかったということになると考えられる。 このことについて、どのように認識しているか。

 

所 管 : 新しい高校づくり推進室

答弁者 : 参事 (改革推進)

 

「産業社会と人間」についてでありますが、

 

○ 総合学科の必履修科目である「産業社会と人間」について、職業の種類・特徴の理解や履修計画作成などに満足している割合が高いが、一方、自己理解の深化、高校生活の目標の明確化などについては満足している割合が低くなっているところ。  

 

○ また、記述回答からは、働くことの意識は高まったが、専門分野で働く人から話をしてほしい、もっと多くの仕事を体験してみたい、というような意見も見られる。

 

○ このようなことから、自己の生き方の探求を通して職業を選択する能力等を育成する「産業社会と人間」と自己の在り方、生き方や進路について考察する「総合的な学習の時間」との連携や接続、体験的・実践的な学習等の推進、民間非常勤講師の活用による多様な分野の職務の学習等についての一層の工夫・改善を図ることが、今後の課題であると考えているところ。

 

 

(四)高校における資格取得について

 

 アンケート調査における「総合学科での学習について」では、いろいろな資格が取れると肯定的な回答をした卒業生が70%以上であり、また、「総合学科を選択した理由」では、資格を取得できそうだったという回答が約半数ある。 今後、新しいタイプの高校づくりを進める中で、資格取得を特色とする高校が設置されていくことを考えたとき、資格取得を主たる目的とする専門学校等との競合について、どのように考えているか。

 

所 管 : 新しい高校づくり推進室

答弁者 : 参事 (改革推進)

 

高校における資格取得についてでありますが、

 

○ 高校の学習においては、資格を取得することそのものが目的ではなく、知識や技能の修得を目指す専門教育等での学習活動の成果として資格取得に結びつけることができるものであるが、これまでも、例えば、介護福祉士国家試験の受験資格を取得することができる置戸高校や、調理師免許を取得することができる厚岸翔洋高校などの設置に当たっては、専門学校等の関係機関や団体の意見も伺いながら進めてきたところである。

 

○ 道教委としては、新しいタイプの高校づくりを進めるに当たっては、今後も、地域の実情や要望を考慮するとともに、生徒の興味・関心や多様な進路希望に対応した教育内容となるよう、関連する専門学校等の配置状況などにも留意しながら、高校配置等を検討してまいる。

 

 

(五)今後の取組について

 

 様々な観点からのアンケート調査の結果、成果もあったが課題もあった。道教委として、これらの成果や課題をどのように受け止め、改善・充実を図るためにどのように取り組んでいくか。

 

所 管 : 新しい高校づくり推進室

答弁者 : 参事 (改革推進)

 

今後の取組についてでありますが、

 

○ 今回のアンケート調査においては、自分の興味・関心や進路希望等に応じて学習することができることや、多様な選択科目を開設していること、様々な資格が取れること、少人数で受ける授業があることなどの評価が高いことから、全体としては、個性を生かした主体的な学習を通して、学ぶことの楽しさや達成感を深めさせるという、総合学科の趣旨が生かされていると考えている。

 

○ 一方、ただ今委員から御指摘があったように学習内容が進路先で生かされるような指導の工夫・改善を図ることや、総合学科についての認知度を高める必要があること、体験的・実践的な学習活動の充実を図ることなどの課題があることから、今後は、・進路意識や目標を一層明確にし、生徒にとって真に必要な科目を選択させる指導を充実させること、・総合学科についての周知方法の工夫・改善を図るとともに公開授業週間やインターンシップの成果発表会等を通して、地域の方々に学校の教育活動を実際に見て評価してもらう場面を設定すること、・生徒のニーズや進路先で求められる能力等を的確に把握し、系列や開設科目の見直しを進めることなどにより、総合学科の趣旨が一層生かされるよう取り組んでまいる。

 

 

 



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