議会報告 【予算特別委員会】 平成22年12月6日 「障がい者スポーツ振興について」

月曜日, 12月 06, 2010

≪障がい者スポーツ振興について≫

 

 

(一) 障がい者スポーツへの認識について

(二) 全国大会選考の仕方について

(三) 団体競技参加について

(四) 選手強化について

(五) 組織のあり方について

 

 

平成22年12月6日

質問者 :自民党・道民会議 千葉 英守

 

 

 

一 障がい者スポーツ振興について

(一) 障がい者スポーツの認識について

 

 本年10月23日から25日に、障がい者スポーツ大会千葉大会が開催され、全国から5,500人が参加し、北海道からも、北海道選手団82人、札幌市選手団95人が参加した。全国障害者スポーツ大会は障がい者に対するスポーツの普及、社会参加促進、さらに友情と国民のバリアフリー意識を高めることを目的とするものである。かかる大会の評価と、道内の障がい者スポーツに対する認識を伺う。

 

 

所 管 : 保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課

 

答弁者 : 保健福祉部長

 

 

 障がい者スポーツに対する認識についてでありますが、

 

○ 「全国障害者スポーツ大会」は、それまで別個に開催されてきた全国身体障害者スポーツ大会と全国知的障害者スポーツ大会(愛称:ゆうあいピック)の2大会を平成13年に統合したもので、平成20年度には精神障がいのある方々の競技も加えられた、国内最大の障がい者スポーツの祭典として、毎年各県持ち回りで開催されているものである。参加した選手からは、「自分の自信につながった」ことや、「積極的に社会に飛び込む意欲が出た」等の前向きな感想もいただいており、スポーツを通じ、「障がい」への理解を深めるとともに、障がいのある方々の社会参加促進に大きく寄与するものとして、高く評価している。

 

○ 道としては、障がい者スポーツは、障がいのある方々が競技に取り組み、互いに切磋琢磨することで、社会の一員として自らを高めることができるとともに、選手の活躍を通じて、道民に障がいに対する理解を含めるなど、障がいのある方々の自立と社会参加を進める方法の一つとして、大変有効なものであると認識している。

 

 

 

(二) 全国大会の選考の仕方について

 

 次に全国大会の選考の仕方について伺う。障がい者スポーツ、特に個人競技は、まだ全国大会に参加したことのない選手を多く出してあげたいという地域の思いがある一方、出場条件として、各都道府県、政令指定都市で行われた各競技の上位入賞者か選考委員会推薦を受けた者との規定がある。

 本道においても優秀な選手が出始めているが、本道では、障がい者に対するスポーツの普及、社会参加推進、さらに道民のバリアフリーの意識を高めるという観点から、できるだけ未だ全国大会に参加したことのない選手を選考しているが、他県、他政令指定都市の選考基準は明らかになっておらず、実際の競技では、はっきり力の差が出始めている。今後、札幌市を含め道内の選手選考をどのように行うのか伺う。

 

 

所 管 : 保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課

 

答弁者 : 障がい者保健福祉課長

 

 

 全国大会の選手選考方法についてでありますが、

 

○ 北海道におきましては、「全国障害者スポーツ大会北海道選手団派遣要領」を制定し、前年度に開催された「北海道障害者スポーツ大会」等の選考大会に出場した成績上位の選手の中から、「年齢」、「性別」、「障がい種別」に偏らず、地域バランスなども考慮しながら、「全国障害者スポーツ大会北海道選手団派遣要領」に沿って、できるだけ多くの障がいある方々が参加する機会が得られるよう、過去に全国大会未出場の方々を優先し、障がい者団体、特別支援学校などの関係者からなる選考委員会において選手派遣を決定しており、政令指定都市である札幌市においても同様の考え方で先行していると聞いているところ。

 

○ 今後の選手選考におきましても、選考会における成績上位者のほか、できるだけ多くの方々が、障がい者スポーツの全国的な祭典に参加するなかで、スポーツの楽しさを体験し、社会参加が促進されるという点も踏まえ、札幌市との調整も図りながら、本道の派遣要領に沿って選考を行ってまいりたい。

 

 

 

(三) 団体競技参加について

 

 本道選手団は、知的サッカー男子以外、団体競技への参加が極めて少なく誠に残念である。今回も、札幌選手団は、北海道選手団よりも多くの選手団を組み、知的サッカー男子、聴力バレーボール男子・女子は各ブロック大会を勝ち抜き、全国大会へ出場している。

 なぜ、北海道は団体競技チームのブロック大会に出場できないかと関係者に聞くと、ブロック大会を開く経費がないとのことである。私としては、団体競技への参加を行うべきであると考えるが、団体競技に対する認識及び対応について伺う。

 

 

所 管 : 保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課

 

答弁者 : 障がい者保健福祉課長

 

 

 団体競技に対する認識等についてでありますが、

 

○ 障がいのある方々の団体競技への参加は、個人競技による技能の向上のみならず、チームとして助け合い、力を合わせる中で、選手同士の交流を深めるという大切な役割も担っているものと認識しており、「北海道障がい者スポーツ大会」においては、「車いすバスケットボール」など7種目の団体競技を開催しているところ。

 

○ 「全国障がい者スポーツ大会」の団体競技への参加については、北海道・東北ブロック予選会の通過が要件となっていますが、道内の競技団体の減少、競技力の低下などから予選会通過が困難、或いは予選会自体に参加できないことが続いているところ。

 

○ 今後、道内障がい者スポーツの一層の振興のためには、団体競技の強化も課題の一つと考えており、予選会ブロックの細分化といった大会開催方法の工夫など、多くの団体競技参加者が全国大会に参加できるように、日本障害者スポーツ協会等への要請のほか、各競技団体、関係者の方々のご意見も伺いながら、選手育成を含めた対応を検討してまいりたい。

 

 

 

(四) 選手強化について

 

 障がい者スポーツは、夏も冬も競技スポーツとして大きく発展してきている。本道から、夏・冬のパラリンピックに出場選手が毎回出場しており、メダルを獲得する選手もいる。スポーツ選手強化は、障がいのあるなしにかかわらず重要である。選手強化は、各自治体が始めていると感じているが、本道の選手強化について、具体的にどのように考えているのか、率直な意見を伺う。

 

 

所 管 : 保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課

 

答弁者 : 地域福祉担当局長

 

 

 本道における選手強化についてでありますが、

 

○ 近年、本道出身・在住の選手が、’08年北京パラリンピックや今年開催されたバンクーバーパラリンピック等において、金メダルを含む多くのメダルを獲得し、多くの道民に夢と希望を与えたことは記憶に新しいところ。

 

○ このように各種国際大会に参加するトップレベルの選手については、国が各競技団体を通じて、選手強化合宿などの特別強化プランの実施や、海外のコーチ招聘などを行い、競技力の向上を図っているところ。

 

○ 昨今の障がい者スポーツは、従来の「障がいのある方々の社会参加」という側面と、「トップレベル選手の育成」という面に二極化してきておりますが、本道は「厚みのある選手層の構築」が急務であることから、地域における障がい者スポーツの裾野を広げるべく、トップアスリートを講師とする講演、スポーツ教室の開催のほか、指導者資質向上のためのスポーツ指導員育成、レベルの高い選手に対する強化方法についても検討し、道内選手の能力向上にむけた環境整備に努めてまいりたい。

 

 

 

(五) 組織のあり方について

 

 本道障がい者スポーツを振興するため、北海道、札幌市、各福祉団体の協力のもと、昭和60年7月に北海道障害者スポーツ振興協会が設立され、平成9年に知的障がい者スポーツ振興をも含めた組織の再編改組がなされ、現在に至っている。しかし、平成25年を目途とする公益法人改革に伴い、組織の見直しを含めて協議されていると聞く。将来、国民体育大会と一緒に障がいスポーツが行われる構想もあり、障がいの有無にかかわらず、垣根なくスポーツ競技として行われることは素晴らしいことである。

 今後の本道の障がい者スポーツの組織のあり方をどのように考えているかを伺う。

 

 

所 管 : 保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課

 

答弁者 : 保健福祉部長

 

 

 障がい者スポーツ振興のための組織のあり方についてでありますが、

 

○ 北海道障害者スポーツ振興協会は、昭和60年の設立以来、道内の障がい者スポーツの振興を目的として、身体障がい者、知的障がい者、平成20年度からは、精神障がい者の方々を対象とした各種大会の開催や普及啓発、指導者養成などを行ってきているところ。

 

○ しかしながら、委員ご指摘のとおり「公益法人改革」に加え、競技人口の減少や障がいのある方々のスポーツの趣向も多様化している中で、障がい者スポーツを取り巻く環境も大きく変化しているところ。

 

○ 道としては、このような状況も踏まえつつ、社会参加を促進するという障がい者スポーツの特性を考慮し、競技人口の拡大や体制の整備に向け、組織のあり方について、検討を始めているところでありますが、今後の我が国のスポーツ政策の基本的方向性を示した「スポーツ立国戦略」などの動向、選手、関係団体のご意見も伺いながら、できるだけ早期に結論を得るよう、さらに努力してまいりたいと考えている。

 

 

 



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