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≪平成22年度全国体力・運動習慣等調査結果について≫
(一) 体力低下の要因について
(二) 体力向上に係る目標について
(三) これまでの取り組みについて
(四) 今後の取り組みについて
平成23年1月11日
質問者 :自民党・道民会議 千葉 英守
(一) 体力低下の要因について
文科省が実施した平成22年度のいわゆる全国体力テストの結果が発表されたが、今年度もまた体格、握力等の一部で全国平均を上回っているものの、総体的には全国平均を大きく下回っており、報道でされているとおり、47都道府県の最下位グループにあるとのことで、誠に残念と言わざるを得ない。
(参照:文科省 平成22年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果)
こうした本道の児童生徒の体力が低下している要因をどうとらえているかを伺う。
所 管 : 学校教育局健康・体育課
答弁者 : 健康教育課長
体力・運動能力の低下要因についてでありますが、
○ 本道の子どもの体力・運動能力は、平成20年度の調査から引き続き全国平均を大きく下回っており、こうした状況を厳しく受け止めているところ。
○ これまでの調査結果から、その要因としては、学校における取組や、子どもの運動習慣や生活習慣に課題があると考えており、本年度の調査結果では、
・体育の授業以外で体力向上に係る取り組みを継続的に実施している割合が、小学校における全国平均が68.1%なのに対し、本道では47.2%で、20.9%下回っており、同様に中学校でも全国平均を大きく下回っていること、
・運動をほとんどしない子どもの割合が、特に中学生において、全国平均に比べて高いこと、
・テレビの視聴時間、朝食を摂らない割合、肥満傾向児の割合についても、前年度よりは改善傾向が認められるものの、依然として全国平均を上回っていること
など、こうしたことも影響しているものと考えていること。
(二) 体力向上に係る目標について
子どもの体力向上を図っていくためには、具体的な数値目標を定めて取り組んでいく必要があると考えるが、どう設定しているのか。
所 管 : 学校教育局健康・体育課
答弁者 : 健康教育課長
体力向上に係る目標についてでありますが、
○ 道教委が、平成19年度に策定した「北海道教育推進計画」では、子どもたちが生涯を通じて健康に過ごすことができるように、望ましい生活習慣の確立、体力・運動能力の向上、健康管理能力の育成などを通じて、健やかな体の育成を図ることを基本的な目標としており、平成24年度までの目標の達成度を示す指標として、
・体力・運動能力については全国平均以上、
・体育の授業以外の運動・スポーツの実施については、週1回以上運動をする小学5年生の割合を100%とすることとしているところ。
(三) これまでの取り組みについて
道教委は、体力向上支援プログラムを策定し、市町村教育委員会や学校に対して、体力向上の取り組みを積極的に推進するよう働きかけているとのことであるが、これまで学校における主な取り組みの状況はどのようになっているのか。
所 管 : 学校教育局健康・体育課
答弁者 : 健康教育課長
学校における主な取り組み状況についてでありますが、
○ 道教委では、平成20・21年度の全国調査の結果をもとに、昨年7月に「体力向上支援プログラム」を策定したところであり、これまで市町村教育委員会や各学校に対し、
・体力向上のための基本的考え方や具体的取組例を示した資料集の配布、
・新体力テストの集計業務の負担を軽減するための集計ソフトの配布
等を行うとともに、昨年8月から10月にかけては、支援プログラムが十分活用されるよう、すべての管内において、市町村教育委員会や学校に対する説明会を実施し、体力向上の取り組みの積極的な推進を働きかけてきたところ。
○ こうした中、学校の創意工夫による昼休み等の時間を活用して行う体力づくりの取り組みについては、平成22年度当初では、札幌市を除く小学校で887校、中学校で391校となっていたが、昨年12月現在では、小学校で全体の99.5%にあたる975校、中学校の83.0%にあたる465校となっており、今後は、その取組内容の充実を図ることが課題となっているところ。
○ 道教委としては、今後とも、各学校において、子どもたちが、運動に親しみながら、体力・運動能力を向上させていくことができるよう、各市町村教育委員会や各学校に対し、指導助言につとめてまいる。
(四) 今後の取り組みについて
今回の体力テストで、ほぼ全項目で順位を上げた高知県では、その要因を「教師の間に危機感が芽生えたことが最も大きい」としている。今回の結果を関係機関全体が危機感を共有して取り組んでいくことが何より大事であるし、常に全国上位の福井県や秋田県のような学校の取組体制と同じようにしていかなければ、平成24年度までの目標値達成は難しいと考えるが、今後どのように取り組んでいくのか教育長の決意を伺う。
所 管 : 学校教育局健康・体育課
答弁者 : 健康教育課長
今後の取り組みについてでありますが、
○ 今回の調査結果における、本道の子どもたちの体力・運動能力は、全国に比べ総じて低い状況にあり、こうした結果を非常に厳粛に受け止め、学力と同様に強い危機感を持って取り組んでいく必要があると考えているところ。
○ 子どもたちの体力・運動能力が低下している要因として、学校における取組や子どもの運動・生活習慣に課題があるととらえているところであり、学校はもとより、家庭・地域と連携して取り組んでいくことが大切であり、
・「早寝早起き朝ごはん運動」と連動させるとともに、
・北海道家庭教育サポート企業制度に登録している企業等とも連携を図る
などして、体力向上に一体的に取り組んでいく必要があると考えているところ。
○ そうした中、学校においては、体育の授業以外で体力向上に係る取り組みを継続的に実施している割合が全国平均を大きく下回っている状況にあることから、今後、道内の全小・中学校を対象に、新体力テストの実施も含め、「体力向上支援プログラム」に基づく「1校・1実践」など、学校における取組の実施状況や課題を把握し、他県の取り組みも参考にしながら、各市町村教育委員会とも連携し、その改善が図られるように指導助言するとともに、家庭や地域とも連携を深め、本道の子どもたちの体力・運動能力の向上を図ってまいりたい。
【指 摘】
まさに、学力と同じように、体力についても社会全体として取り組んでいかなければならない問題であるが、何といっても学校なり、行政なりが中心になって進めていかなければ、この問題を解決することはできないと考える。
高知県のように、教員たちが危機感を持って各学校が取り組むことで、子どもたちの体力向上につながっていることからすると、北海道でも危機感を学校・家庭・地域・行政が更に共有し、取り組めばできるはずである。
先ほど、本道の子どもたちの体力が低い要因として、学校における取組が全国よりも20ポイント以上も下回っているとのことであったが、学校の取り組みが少ないのは何故か、その原因を掘り下げて追及していく必要があるのではないかと思う。
そうした原因を早期に解決し、全国上位の福井県・秋田県と同等の体制づくりをしていかなければ、いつまでも目標達成をすることはできない。福井県や秋田県のように、体力テストの上位県が学力テストでも上位を占めていることも、決して看過してはならないと思う。
本道からも、夏季アジア大会における福島千里選手や、バンクーバー五輪における高木美帆選手、スキージャンプで国内女子最長不倒を記録した上川中学校の高梨沙羅選手、国体等の大会で三冠を果たした札幌山の手高校女子バスケットボール部など、世界や全国で活躍する選手も育っている。
本道の次世代を担う、元気でたくましい子どもたちを育てるために、より積極的に子どもの体力向上の取り組みを進めていただきたい。