議会報告 【文教委員会】 平成22年2月2日 「教育職員の時間外勤務等の縮減について」

火曜日, 2月 02, 2010

≪教育職員の時間外勤務等の縮減について≫

  

(一)部活動指導について

(二)実際の取り組みについて

(三)基本的な考え方について

  
 

質問者 : 自民党・道民会議 千葉 英守 

 

 

(一)部活動指導について

  このたびの報告で、取組項目に部活動指導が位置付けられていますが、そもそもの部活動は、私も経験がありますが、子どもの健全な育成のためには欠かせないものであることは疑いないところであります。部活動指導が取組項目に位置付けられた理由をお示しいただきたい。

 

所 管 : 教職員課高校教育課

答弁者 : 教職員課参事

 

部活動指導についてでありますが、

 

○ 推進委員会において実施した調査の結果では、教員の1日の勤務時間と残業時間を合わせた平均は、約10時間から11時間程度になっており、推進委員会においては、実施調査等による現状と課題を把握・分析の上、教員の時間外勤務を少しでも軽減し、子どもと向き合う時間の拡充を図る観点から、学校等の事務処理体制や調査等の業務、部活動指導等を改善の項目として位置付けたところでございます。

 

○ そのうち、部活動は、生徒の学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として教育課程との関連を図って展開すべき重要なものであるが、その一方で、中学校及び高等学校の教員の勤務において部活動にかかる時間が多いという実態があることから、その適切な管理や実施体制の見直しは必要であると考えたところでございます。

 

 

(二)実際の取り組みについて

 

 この報告を踏まえて、道教委では、部活動指導について実際にどのような取り組みを進めようとしているのか、おきかせください。

 

所 管 : 教職員課高校教育課

答弁者 : 総務政策局長

 

部活動指導に係る取組についてでありますが、

 

○ 道教委では、昨年8月に、「教育職員の時間外勤務等の縮減に向けた取組方策」を策定し、

 ・校長会と中体連・高体連との協議を通じた適正な部活動実施に係る標準的な考え方の整理・申し合わせ、

 ・効率的な指導方法等の競技団体等からの情報収集や学校への情報提供・部活動の外部指導者の活用に関連する事業の充実など、

部活動指導の実施体制の検討を進めているところでございます。 このたびの推進委員会からの最終報告を踏まえ、市町村教育委員会や校長会、スポーツ・文化関係団体等と連携することにより、生徒や保護者等の要望等にも配慮しながら、適切な活動時間や効果的な部活動指導の在り方などについて、さらに具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

 

 

(三)基本的な考え方について

 

 教育職員の時間外勤務等の縮減ということで、子どもたちがしっかりと成長するためにも部活動は大きな意義を持っています。先ほどの報告の中でも外部から指導者を導入すること等ありました。これはずっと前から言われていることでありますが、しかし、現実問題としては外部からの指導者と言うのは難しいと聞いております。 こういった中で先生方の勤務を縮減していくということは、子どもたちにとって本当にいいことなのか検証していかなければいけませんし、子どもあっての先生ということを前提に考えていかなければいけないと思います。先生方の時間外勤務を縮減するということで、子供たちの部活動の監督や部長のなり手がいないという環境になったら大変なことになります。 そういうことがきちんと整備されたのち、縮減策を検討していかなければならないと思いますが、教育長の考えをうかがいます。

 

所 管 : 教職員課高校教育課

答弁者 : 教育長

 

○ さきほど、参事が申し上げたとおり、推進委員会の実施調査の結果では、教員の1日の業務は、平均10時間から11時間となっております。私が昨年、道北のある中学校に視察に行った際、6人ほどの先生と時間外勤務について話す機会がありました。その多くが体育の部活動を担当おりましたが、帰宅時間は通常夜8時ごろ、遅い時だと11時になると聞いております。3時ころから部活動を初めて5時半から6時ころまで指導、それからテストの採点、翌日の授業の準備、学級通信の作成等を行っているとのことです。全道全てがそうだと言いませんが、生方が子どもとどう向き合うのか、行政としてどう確保していくのかを考えていかなければいけません。

 

○ 先ほど申し上げたとおり、部活動は学習意欲の向上、責任感、連帯感の涵養など、学校教育の一環として教育課程との関連を図って展開すべき重要なものであり、子どもの学びを支える大きな要素だと考えております。

 

○ 部活動の質を大きく低下させることはあってはなりませんが、一方で先生方のこうした実態も踏まえ、部活動をどういう形でやって行くのかを、現場の実態やご意見を伺い、道教委としても市町村教育委員会と連携しながら、検討していかなければいけない大きな課題であると考えております。

 

○ その際、外部講師の導入等は以前から言われている課題であると認識しており、学校で事故があった場合の責任問題、補償の問題をどうするのかなど、活動の在り方を千葉委員のご指摘を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

 

 

 

平成22年2月2日


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