議会報告 【予算特別委員会】 平成21年12月4日 「北海道の航空政策について」

金曜日, 12月 04, 2009

≪北海道の航空政策について≫   

 

 

一)国の航空政策について

(二)道内空港問題について  

 

平成21124

質問者:自民党・道民会議 千葉 英守

 

 

(一)国の航空政策について

1 日本航空に対する国の対策について

 

 最初に、航空政策について伺う。我が国の航空ネットワークを形成する上で重要な役割を果たしている日本航空の経営再建の問題について、国の再建対策が毎日のように報道がなされている。道は、日本航空と共同出資して設立した北海道エアシステム、HACの運営を行うとともに、僅かではあるが、日本航空の株主にもなっている。そこで、最初に、国主導で進められている日本航空の経営再建について、道として、どのような見解を持っているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

日本航空の経営再建に対する国の対応についてでありますが、

 

○ 国においては、日本航空が、我が国最大の航空運送事業者として、極めて大きな公共的責任を担う事業を行っており、また、航空運送事業は、我が国の今後の成長戦略においても重要な戦略産業であることから、日本航空の経営再建は、重大な国益や公益に関わるとの判断の下、日本航空の事業再生に対応されているものと認識しております。

 

○ こうした中、道としては、日本航空の事業再生に伴い、地方路線の休止・減便がなされるようなことになれば、道民生活や観光振興など、地域経済に甚大な影響を及ぼすことが懸念されることから引き続き、国に対し、地方路線の維持・確保のための措置を講じることを働きかけてまいりたい。

 

 

 2 国への要望について

  

 去る9月に日本航空からHACの運営見直しについての申し入れがなされてから、3か月が経過しようとしている。道内航空ネットワークの中核を担う北海道エアシステム(HAC)の安定的な運営や道内空港と道外を結ぶ航空路線の維持・存続のためには、現在、国の指導・監督下で再生手続きを進めている日本航空(JAL)の経営再建問題の解決が必要であることから、国に対して、この問題の早期解決を強く要望していくべきであると考えるが、見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

日本航空の経営再建に係る国への働きかけなどについてでありますが、

 

○ 現在、実質的に国の管理の下で日本航空の経営再建が進められていることから、道においては、HACが日本航空のグループ関連子会社として、今後も安定的な事業運営が継続できるよう、日本航空から申し入れのあった運営見直しの再検討や離島路線を含めた本道の航空路線の維持・確保について日本航空を強力に指導していただくよう、1013日には、知事が国土交通大臣に対して要請するなど、国に対して働きかけてきているところ。 

 

○ 現在、日本航空においては、企業再生支援機構の主導のもとで、事業再生手続きが進められているところであるが、道としては、丘珠空港をはじめとする本道の航空を取り巻く情勢が極めて切迫しているとの認識の下、日本航空の再生手続きが円滑に進められ、早期に日本航空の経営再建の道筋が明らかにされるよう知事による直接要請も含め、国に強く働きかけてまいりたいと考えている。

 

  

(二)道内空港問題について 

1 国際航空路線について 

(1)運休路線の再開に向けた道の取組などについて

 

 本道の航空路線は、現在国際線で12路線が運航されている。新規路線の開設は航空会社の経営戦略で決まる場合や、道はじめ道内自治体、経済団体などの誘致運動で決まる場合もあると思う。残念ながら、現在運休中の路線や近く廃止や縮小も見込まれる路線もありますが、本道経済の活性化には、路線の維持・拡大は重要なことである。そこで伺いますが、現在国際線で運休している4路線の運休にいたるまでの経緯と運航再開に向けた道の取組、さらには今後の見通しと、運休による影響はどの様なものであるのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事  

 

運休路線の再開に向けた道の取組などについてでありますが、  

 

○ 新千歳空港の国際定期路線については、米国同時多発テロやイラク戦争等の影響による 国際旅客需要の低迷や航空会社の経営状況の悪化等を理由に平成142月にKLMオランダ航空の「札幌-アムステルダム」線が、また、平成1510月にJALウェイズの「札幌-ホノルル」線が休止されたところ。

 

○ また、平成199月に中国南方航空の「札幌一瀋陽」線が、大連線及び北京線の開設に伴う搭乗率の低迷などを理由に、また、平成19年の冬期から、カンタス航空の「札幌-ケアンズ」線が、燃油高騰や航空機の機材繰り等を理由に休止されたところ。

 

○ これらの路線の運休により、国際線を利用する方々の利便性が低下するとともに道内を訪れる外国人観光客の減少などにより、本道経済、とりわけ観光振興などの面で少なからず影響があったものと考えている。 

 

○ この間、知事や道の幹部が航空会社の本社や日本支社を訪問し、路線の再開を働きかけてきたところであるが、現在の航空業界を取り巻く状況は大変厳しいものがあり、現時点で、これらの運休路線の再開に向けた具体的な動きは見られませんが、今後とも、各航空会社の動向についての情報収集に努めるとともに随時、航空会社の本社や日本支社を訪問するなど路線の再開に向けた取組を粘り強く行ってまいりたい。

 

 

(2)国際航空路線の運航状況について 

 

 現在開設されている路線のうち、今後も利用者の増加が期待される路線と利用者が減少傾向にある路線の状況を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

国際航空路線の状況などについてでありますが、  

 

○ まず、新千歳空港の国際線利用者数については、平成20年には約80万人に達し、ここ5年間で50%増加するなど、全体としては右肩上がりで増加してきており、中でも近年は、中国路線や香港路線の利用者の増加が顕著となっている。  

 

○ 一方、昨年後半からの景気後退や円高の影響により、台湾路線や韓国路線などの利用者数が大きく減少しているところ。  

 

○ また、新千歳空港以外の道内空港の国際線利用者は概ね減少傾向にあり、特に、旭川-ソウル線、函館-サハリン線は円高による影響やサハリンⅡプロジェクトの終了に伴う旅客需要の減少により、利用者数が大幅に減少したところであるが、今年に入って、一部回復傾向も見られるところ。  

 

○ なお、今後、利用者の増加が期待される路線としては、昨年、道東を舞台とした映画がヒットし、中国国内で、北海道への関心が高まっていることや、中国人観光客向けの個人観光ビザの発給が本年7月から開始されたこと、更には、来年5月から上海万博が開催されることなどにより中国路線の利用者増が見込まれているところ。

 

  

(3)国際航空路線の利用促進について  

 

 平成20年度の国際線利用状況を見ると、乗客数に占める道民の割合は、定期便で24.3%、チャーター便では5.7%にすぎない。先日、台北の札幌事務所の開所式でも、台湾側から、年間30万人近くの方々が来道しているが、台湾を訪れる道民は3万人しかおらず、たくさんの訪問を期待するとの挨拶があった。路線の維持には、道民の利用を促進することが有効であることは疑う余地はない。観光振興の視点だけで施策を検討すると道外客の誘致に限定されてしまうが、経済交流は、互いが、ウィンウィンの図式でなければ成り立たないと考える。 そこで提案ですが、乗客数が多い割に道民の利用数が少ない台湾・香港線を対象に道民モニターとして募集する方式で運賃助成などを行い、道民の国内線利用者の増を図ることを検討すべきと考えますが、見解を伺います。  

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

道民の国際線利用の促進についてでありますが、  

 

○ 昨今の国際航空路線を取り巻く厳しい状況を踏まえ、国際航空路線の安定的な就航のためには双方向の旅客需要の確保が必要不可欠と考えている。

 

○ そのため、道においてはこれまで東アジア地域など、ターゲットを絞った観光客の誘致や、道産品の販路拡大による経済交流の拡大などに取り組むとともに、道内経済界や各国政府観光局、航空会社、旅行会社などと連携しながら、道民の方々を対象として海外旅行フェアの開催やFM番組を活用した海外旅行のPRなどの「海外旅行促進キャンペーン」を毎年度実施するなど、道民の方々の国際線利用の促進に取り組んできたところ。  

 

○ しかしながら、道民の皆様の海外旅行はここ数年減少傾向にあるなど、停滞している実態にあり、道民の国際線利用を拡大していくためには、経済界や各国政府観光局など関係者がこれまで以上に連携を深め、一体とかつて取り組むことが重要と考えており、これら関係団体等で構成する「北海道海外旅行促進事業実行委員会」と密接に連携し、需要開発セミナーや海外教育旅行セミナーなどを効果的に実施するとともに、ご提案の趣旨なども参考とさせていただきながら、道内からの海外旅行需要の一層の創出に取り組んでまいりたい。  

 

 

2 道内空港活性化ビジョンの原案について 

 

 今回、「(仮称)道内空港活性化ビジョン」の原案が取りまとめられたが、その中を見ると農道空港・ヘリポートの位置付けやその活用方策が入っていない。農道空港などは、農業利用といった本来の活用があまりなされていないのが現実であり、こうした空港を活用して新たに人や物などの輸送を図り、他の空港とネットワーク形成を進めることが必要ではないか。また、道では、交通ネットワークは総合政策部、ヘリポートは建設部、農道空港は農政部といったばらばらの所管となっているが、今回のビジョン原案に示す空港だけでなく、農道空港、ヘリポートなども、道内空港活性化ビジョンに位置づける必要もあると考えるが所見を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事  

 

道内空港活性化ビジョンについてでありますが、  

 

○ 道内空港活性化ビジョンは、本道における航空輸送の果たしている役割の重要性に鑑み、本道及び地域の活性化を一層推進していくため、空港関係者や地域の方々が本道の航空ネットワーク及び道内空港の将来展望を共有し、これまで以上に一体となった取組を進めていくための指針として策定を進めているもの。  

 

○ 農道空港及びヘリポートについては、現在、旅客や貨物の航空輸送の用途での利用は極めて少なく、遊覧飛行、測量、救難、イベントなどの用途に利用されているものと認識しており、現時点では、人と物の交流と安全・安心な暮らしを支える航空ネットワークの実現などを目指すことを主な内容とする道内空港活性化ビジョンの対象とすることについては、なお検討しなければならないものと考えている。  

 

○ 一方で、当部としては、既存ストックの有効活用という観点から農道空港及びヘリポートの活用を一層推進していくことは重要であると考えているところであり、旅客や貨物の航空輸送の用途での活用の可能性を含め、その推進方策について、所管部と協議するとともに、地域のご意見を伺ってまいりたいと考えている。

 

 

3 丘珠空港について

(1)丘珠空港ビルヘの全日空の出資について

 

 A-net丘株空港路線の新千歳空港への移転によって、札幌市や道、さらには全日空グループも出資する札幌丘珠空港ビル()の経営が厳しくなることは明らかである。現在、同社の出資比率の内訳はどうなっているのか、また、全日空グループの保有する株式については、A-net撤退後、どのような扱いとなるのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

札幌丘珠空港ビル株式会社の出資状況などについてでありますが、

 

○ 札幌丘株空港ビル株式会社の資本総額49,800万円のうち、札幌市が約26%を出資し、筆頭株主となっており、続いて、全日空グループのエアーニッポン株式会社が約25%、道と日本政策投資銀行が約13%、そのほか、札幌商工会議所、北洋銀行、北海道銀行、北海道電力、北海道瓦斯が出資しているところ。  

 

○ また、エアーニッポンの保有する株式については、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約化の方針を受け入れるに当たって、道から、全日空に対して、今後の札幌丘珠空港ビル株式会社の経営に支障が生じることがないよう、これまでどおり保有することを申し入れており、全日空からは、保有を続けるとの回答を得ているところ。

 

  

(2)今後の丘珠空港ビルの経営について 

 

 また、A-netの移転によって、丘珠空港ビルではA-netからの賃料等の収入が見込めなくなることから、同社の経営が悪化することは必至である。今後、同社の経営継続のために、道としてどのように取り組んで行く考えなのか、また、丘珠空港路線を1社で運航することになるHAC賃料等の経費負担への影響について、どのように考えているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

今後の丘珠空港ビルの経営などについてでありますが、

 

○ 札幌丘株空港ビル株式会社の収入のうち、A-netからの賃料等の収入が6割以上を占めており、A-netの新千歳空港への移転によって、同社の経営に多大な影響かあるほか、これまでHACA-net2社で負担してきた空港ビルの共用施設使用料をHAC1社で負担することになることから、HACの運営にも大きな影響が及ぶものと考えている。

 

○ このため、道としては、これまでも、空港ビル会社の今後の経営のあり方について同社や筆頭株主である札幌市との間で、協議を進めてきたところであるが、今後とも、こうした札幌市との協議や取締役会での議論などを通じ、空港ビル会社の円滑な運営が図られるよう努めてまいりたい。

 

 

(3)丘珠空港への交通アクセスについて 

 

 次に、札幌市内・丘珠空港間のアクセスについてである。丘珠空港利用者の声として、札幌市内から丘珠空港へのアクセスが悪いということをよく耳にするが、この問題に対して、これまで道と札幌市との間でどのような協議がなされているのか、また、今後どのように改善されていくのか伺う。

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

丘珠空港への交通アクセスについてでありますが、

 

○ 本年3月に、道、空港所在の市や町、経済界で構成する「北海道地域航空推進協議会」が取りまとめた道内航空路線のアンケート調査において、利用者からは、札幌市内から丘珠空港への交通アクセスの改善を望む意見も寄せられているところ。

 

○ こうした状況を踏まえ、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約化に係る協議を行うために開催した、「丘珠空港発着路線に関する協議会」において、札幌市からは、丘珠空港の利用者利便の向上策として、空港と地下鉄駅間における乗り合いタクシーの試験運行などの提案がなされているところであり、また、これまで数回開催した道と市の事務ベースの打合せにおいても、交通アクセスの重要性を確認しているところ。

 

○ 道としては、交通アクセスの改善など、利用者の利便性が高まる方策の検討について 札幌市との協議を加速してまいりたいと考えている。  

 

 

(4)丘珠空港のジェット化について  

 

 一部の新聞報道で、丘珠空港のジェット化について取り上げられていたが、丘珠空港は将来、運航機材の関係等から、たとえ滑走路の延長が必要になったとしても、私は住民との合意事項を尊重して、丘珠空港はプロペラ機の運航に限定し、ジェット化すべきではないと考える。現在検討中の「道内空港活性化ビジョン」にもそうした考えを明確に示すべきと思うが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

丘珠空港のジェット化についてでありますが、

 

○ 丘珠空港については、平成4年以降、道と札幌市がジェット化に向けた検討を進め、その実現を国に対し要請したところであるが、国からは、道央圈における2つのジェット化空港の必要性や空港周辺の市街化の状況などから、必ずしもジェット化の必要性はないという考え方が示され、平成8年に、道と市は最終的にジェット化を断念することとなり、平成10年に、プロペラ機の安定運航を確保するための滑走路の100m延長などを進めることとなった経緯があるところ。

 

○ また、丘珠空港の整備にあたっては、札幌市が主体となって空港周辺住民の方々に対して、将来の丘珠空港のあり方を示し、住民の方々のご理解を得た上で進められてきたものであることから、改めて、丘珠空港のジェット化を検討する場合には、札幌市の意向を尊重することが大切であると考えている。

 

○ いずれにしても、丘珠空港のジェット化の問題は、空港の将来に向けて極めて重要な課題であることから、現在進めている札幌市との丘珠空港やHAC問題に関する意見交換の場において、十分に協議を行ってまいりたいと考えている。

 

○ なお、「道内空港活性化ビジョン」における取扱については、こうした札幌市との協議を踏まえ、検討してまいりたい。

 

 

4 HACについて

(1)HACの丘珠空港への集約について

  

 次に、HACの運営について伺う。丘珠空港は、札幌と道内各地を、片道1時間、札幌駅までの所要時間を含めて1時間30分、料金も1万円程度で、しかもJR並のダイヤで結べるならば、利用者ことって十分魅力ある空港となると考える。HACは、現在、丘珠空港発着路線として釧路・函館の2路線5便、新千歳空港発着路線として釧路線の5便を運航している。これまで我が党から質問してきた今後の丘珠空港の位置づけなどについて、道は、「丘珠空港は、道内航空ネットワークの拠点空港」として、さらに「HACについては、その存続に向けて全力で取り組む」と答弁してきた。 A-netの丘珠空港発着路線の新千歳空港への移転が現実のものとなった以上、もはや、丘珠空港やHACを存続させていくためには、HAC路線を丘珠空港に集約させるべきと考えるが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HAC路線の丘珠空港への集約についてでありますが、

 

○ HACは、離島の振興をはじめ、道民生活や観光の振興、地域経済の活性化に大きく貢献しており、今後とも、道内航空ネットワークの中核を担う航空会社として存続させていくことが極めて重要であるが、一方で、平成17年度から4期連続で赤字となるなど厳しい経営環境にあり、収益を確保できる企業体質への改善が急務となっている。 

 

○ 道としては、今後、HACが丘珠空港を拠点として運航していくためには、これまで2社で負担していた丘珠空港ビルの使用料をHACが単独で負担することに伴う経営への影響や、丘珠空港への交通アクセスの確保などといった課題が解決される必要があると考えておりますが、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約によって新千歳・釧路間の路線において、HAC路線とA-net路線が競合することになることや、HACの運航拠点を丘珠空港に集約化することによるコスト削減効果も期待されることなどから、今後の丘珠空港における民間航空機の運航の維持や、HACの安定的な事業経営の継続を因っていく上で、HACの路線を丘珠空港に集約するメリットは大きいものと考えておりますが、札幌市など関係者との調整をしっかりと進めてまいりたい。

 

 

(2)HACの経営について  

 

 丘珠空港については、私は、先の第3回定例議会でも、HACの丘珠空港への集約化を提案するとともに、HACが公共交通機関として自立できる体制づくりを行って行くためには、北・東北までのエリアを対象にした道外便を開設し、収益を確保していくことを検計すべきと考えているが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

HAC経営の安定化に向けた路線展開についてでありますが、

 

○ 今後もHACが安定的な事業運営を継続していくためには、収益を確保できる企業体質への改善が急務となっております。

 

○ このため、道としては、地域と連携した一層の利用促進や、旅客需要の拡大による収入の増加、運営コストの削減などの取組とあわせて、収益を確保できる路線展開を進めていくことが極めて重要であると考えていることから、ご指摘の道外便の可能性なども含め、HAC運営の抜本的な改善に向けて、国や札幌市をはじめ、関係機関との調整を行ってまいりたいと考えている。

 

 

(3)HACの増機について 

 

 道は、HACを存続させるというのであれば、現行の3機体制では、便数や収益にも限界があることから、今後、HACの機材を増やし、路線・便数を拡大させ、利便性の向上を図るという意思表示をすべきと考えるが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HACの機材についてでありますが、

 

○ HACは、平成11年から3機体制の下、現在では6路線13便を運航しているが、将来にわたって、多くの道民の方々の利便性を確保しつつ、安定的な事業運営を継続していくためには、機材を増やし、効率的で収益の上がる路線及び便数を確保していくことが重要であると考えている。

 

○ 一方、HACの現行機材がいずれ使用期限を迎え、機材更新の問題は、避けて通れない課題であると認識しており、その検討に当たっては、

・現在使用しているサーブは、製造中止となっているが、経年機(中古機)の購入が可能かどうか 

・経年機を購入する場合とサーブ以外の新しい機材を導入する場合の整備面も含めたコスト比較 

・新しい機材を導入する場合の運航安全面の手続きや乗務員等の養成・確保など、 

多角的な検討が必要であると認識している。

 

○ こうしたことから、道としては、今後のHACの経営のあり方や路線展開などを総合的に勘案しながら、機材の増加について中長期的な視点からも検討してまいりたい。  

 

 

()HACの株主構成について  

 

 HACの運営について、日本航空から、HACの持ち株比率を現行の51%から15%未満に引き下げ、HACの経営から退きたいとの申し入れがされている。道としては、日本航空の持ち株比率の引き下げに伴う株式の譲渡先をどのように考えているのか。また、その場合、経営主体はどうなると考えているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HACの経営体制についてでありますが、

 

○ 去る9月に、HACの筆頭株主である日本航空から、道に対し、同社のHACに対する出資比率を、現在の51%から15%未満に引き下げ、 新しい経営体制に移行すべく早急に協議したいとの申し入れがあり、出資比率の引き下げに伴う株式の譲渡先については、地元自治体等への売却を想定している旨の説明があったところ。

 

○ これに対し道としては、日本航空からの申し入れについて、離島路線を含む道内の航空路線の維持・存続の観点から、強く再考を求めてきているところ。

 

○ そうした中、日本航空においては、10月末から企業再生支援機構の主導の下で、再生計画の策定が進められており、年度内には、再生計画が策定されると聞いているところでありますことから、こうした状況を見極めながら、今後のHACの経営体制のおり方についての道としての方針をできるだけ早期に、お示しできるよう、取り組んでまいりたい。

 

 

 



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