議会報告 【一般質問】 平成21年9月1日 「北海道航空行政について」

火曜日, 9月 01, 2009

≪ 北海道航空行政について ≫

 

(一)今後の道内空港の活性化について

(二)国際線の現状と今後の対策について

(三)国内線の現状と今後の対応について

(四)新千歳空港深夜・早朝発着枠拡大の見通しについて

(五)丘珠空港について  

 

平成2191日 

質問者 :自民党・道民会議 千葉 英守

 

(一)今後の道内空港の活性化について

 

 まず、現在策定中の「道内空港活性化ビジョン」の策定作業の進捗状況と、策定に当たり何が一番の課題になっているのか、また、道内外の航空ネットワークをどのようにされようと考えているのか、お伺い致します。

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 知事  

 

ビジョンの検討状況などについてでありますが、  

 

○ 道内各空港の将来展望や活性化方策などをお示しする、仮称でありますが「道内空港活性化ビジョン」の策定につきましては、本年6月に、道から「北海道運輸交通審議会」に諮問し、その中の小委員会においてこれまで3回にわたり、ご議論をいただいているところ。  

 

○ この小委員会においては、昨今の航空会社の厳しい経営状況を背景とした、道内外の航空路線の相次ぐ休止・減便、エアーニッポンネットワークの丘珠空港路線の新千歳空港への集約化の提案など、道内外の航空ネットワークの維持・確保にとって、極めて厳しく、切迫した状況にあるとの認識のもと、今後の道内外の航空ネットワークはどうあるべきか、航空需要の拡大のために何をなすべきか、といった重要な課題を論点としてご議論を頂いているところ。  

 

○ 道としては、今後の審議会における議論や各地域からの意見などを踏まえながら、北海道と世界を結ぶ国際的な航空ネットワークや、北海道の内外の航空ネットワークが道民生活をはじめ、地域の経済活動や観光振興へ地域間交流などを支える重要な役割を果たしていけるよう道内各空港の活性化に全力で取り組んで参りたい。  

 

 

(二)国際線の現状と今後の対策について

 

 次に、昨年来の世界的な景気後退の中で、近隣諸国とりわけ、中国使、韓国便の休止について、知事はどのような認識で今後の見通しと、今後何か必要なのかをお聞きいたします。  

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 知事  

 

国際航空路線に関する認識などについてでありますが、  

 

○ 本道における経済の活性化や国内外との交流の一層の促進を図るためは、中国など東アジア地域との航空路線の充実が重要であることから新千歳空港における中国など一部外国航空会社の乗り入れ制限の緩和や地方空港のCIQ体制など国際機能の向上と併せ、国際航空路線の新設・増便や平成199月より運休となっている新千歳・瀋陽便の再開、更には本年11月から運休予定の旭川・ソウル便の継続など国際航空路線の維持・充実に向けた取組を進めることが必要であると考えている。  

 

○ また、昨今の世界的な景気後退や、新型インフルエンザの影響など国際航空路線を取り巻く厳しい状況を踏まえ、国際航空路線の安定的な就航にとって鍵となる双方向の旅客需要の確保が必要と考えており、東アジア地域など、ターゲットを絞った効果的な観光プロモーションの実施による観光客の誘致や、道産品の販路拡大による経済交流の拡大などに積極的に取り組むとともに、広く道民を対象とした海外旅行促進キャンペーンや教育関係者を対象とする海外教育旅行セミナーの実施など道内からの海外旅行需要の創出に取り組み、こうした双方向の需要拡大に努めながら、本道における国際航空路線の充実に向け、空港所在の自治体などと連携して取り組んで参りたい。  

 

 

(三)国内線の現状と今後の対応について

 

 国内線、特に関西国際空港と道内空港を結ぶ路線の維持・確保について、航空会社を直接訪問され要請活動を行うなど、知事も大変ご努力されておられることは承知しておりますが、一向に成果が上がっていない状況にあります。今後の関西国際空港発着路線の維持ないし充実について、これまでの状況を踏まえて、知事は今後どのように考え行動されていこうとされているのか、伺います。  

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長  

 

関西空港発着路線の維持・充実についてでありますが、  

 

○ 関西空港と本道を結ぶ航空路線は、本道の観光振興はもとより、地域間交流や経済活動などにとって、重要な路線であるが、昨今の航空需要の低迷や大阪の都心部に近い伊丹空港との立地条件の違いなどを背景に、関西空港と道内空港を結ぶ路線は、休止が相次いでおり、極めて厳しい状況になっているところ。  

 

○ このため、道としては、今後、関西圏を対象にしたゆとりツーリズムのプロモーション活動や、教育旅行の誘致キャラバンの実施など、旅行需要の拡大に向けた取組を進めることとしている。  

 

○ また、航空各社に対し、こうした道独自の観光客誘致の取組や、道管理空港の着陸料軽減措置の周知を図るなど、関西空港発着路線の開設や再開に向けた働きかけを行うほか、国に対しては、関西空港発着路線の高コスト構造などに対する抜本的な対策の実施を要請するなど関係自治体や経済界とも連携し、本道と関西を結ぶ路線の維持・充実が図られるようこれまで以上に、積極的に取り組んで参りたいと考えている。

 

 

(四)新千歳空港深夜・早朝発着枠拡大の見通しについて

 

 現在、苫小牧市、千歳との地域協議会での協議が進み、深夜・早朝時間帯の発着枠拡大に向け、航空機騒音予測コンターの実施が了解され、長かった協議の休止状態を取り戻した感を持っております。今後の協議の具体的スケジュールがどのようになるのか、知事の所見を伺います。また、深夜・早朝も含めて、積雪などにおける緊急避難的な滑走路が必要であります。防衛省が管理する千歳飛行場にある、3,000メートル滑走路がどうしても必要でありますが、緊急避難的な使用を含め防衛省などの協議はどのようになっているのか、併せて伺います。  

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空、新千歳空港周辺対策)

答弁者 : 総合政策部長  

 

新千歳空港の深夜・早朝の発着枠拡大に関する地域との協議などについてでありますが、  

 

○ 千歳市、苫小牧市において、今年度、地域協議会をそれぞれ2回開催し、深夜・早朝時間帯の発着枠拡大に関する基本的な考え方について説明するなど、地域の皆様との話し合いを進めているところ。  

 

○ 道としては、これまでの地域との協議状況を踏まえ、航空機騒音予測コンターの作成に早急に着手するとともに、必要な発着枠数のほか、住宅防音対策や地域振興対策に係る具体的な案を今後の地域協議会においてお示しするなどして、来年10月に予定されている羽田空港の再拡張に伴う国内航空ネットワークの再編の動向なども見据えながら、枠拡大の実現に向けて、地域との協議をしっかりと行って参りたい。  

 

○ なお、緊急時における千歳飛行場の使用につきましては、航空自衛隊が管理する千歳飛行場は民間航空機も使用することができる「共用空港」として指定されていることから、新千歳空港の滑走路が緊急事態の発生及び除雪作業等により一時的に使用できない場合には、新千歳空港長と航空自衛隊千歳基地司令の調整のもとで、千歳飛行場への離発着を行うことができることとなっているものと承知している。

 

 

(五)丘珠空港について

  

 私は、A-netの丘珠航空路線の維持のために全力で取り組むことは当然のことでありますが、仮に、これを維持できない状況になった場合には、道がHACに資本出資している関係から、HACは丘珠空港へ集約化して、6市町の連携の中、HACが公共交通機関として自立できる体制づくりを行っていかなければならないと考えます。そのためには、例えば、HACに対する道や6市町の出資の強化や、道内はもとより北東北までをエリアとした道外便の運航による収益の確保、更に、丘珠空港の滑走路が1,500メートルのままでよいのか、将来の機種更新や安全・安心確保のための滑走路の延長も視野に入れる必要があると考えます。また、事態の推移によっては、私見ではありますが、道州制特別区域の提案を行い、外国航空会社の導入も検討しなくてはいけないのではないかと思います。確かに国内法では、国内線の外国航空会社の導入は認められておりませんが、道内航空ネットワークを確保するためにも、道州制特区制度を活用して、道民の思いを国に認めてもらうことは地域主権制度の第一歩であります。そこで高橋はるみ知事のリーダーシップが求められます。知事はこの事態をどのように認識され、どのように対応されるのか、所見を伺います。  

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 知事  

 

丘珠空港についてでありますが、

 

○ 丘珠空港路線は、現在、全日空グループのエアーニッポンネットワークと北海道エアシステムの2社によって運航され、札幌市と道内5つの地方都市を短時間で結ぶ航空ネットワークとして重要な役割を果たしている。  

 

○ 私としては、引き続き航空会社との協議を積極的に行うとともに、札幌市をはじめとする空港所在地域の自治体はもとより、経済界などがこれまで以上に連携を深め、丘珠空港路線の利用促進に向けた活動が活発に展開されるよう取り組んで参りたい。  

 

○ また、滑走路の長さ、運用時間、道内航空ネットワークの拠点としての位置づけ、空港へのアクセスなど、丘珠空港が抱える課題について十分に考慮しながら、丘珠空港路線の維持・存続に向けて、早急に国や札幌市など関係自治体との連携を密にして全力を挙げて取り組んで参りたい。

 

 

 



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