議会報告 【食と観光対策特別委員会】 平成20年8月6日 「平成19年度北海道観光入込み客数調査等について」

水曜日, 8月 06, 2008

《 平成19年度北海道観光入込み客数調査等について 》

 

(一) 観光入込客数の分析について
(二) 計画の目標数値について
(三) 札幌市との連携について
(四) 外国人観光客誘致における地域支援について
(五) 地域観光戦略会議について
(六) アフターサミット対策について
(七) 航空路線廃止による観光への影響について
(八) ギャラクシーエアラインズの運休に伴う影響について
(九) 路線維持のための取組について
(九)-再 路線維持のための方針と取組状況について

 

平成20年8月6日

質問者: 自民党・道民会議  千葉英守

 

(一) 観光入込客数の分析について

  説明にありましたように、観光入込客数が前年度に比べ、道外客が98.5%、道内客が101.4%となり、合計101.0%となっております。細かく市町村別の数値も拝見いたしましたが、何らかの努力をしているところは、数値が上昇しておりますが、当然数値が上昇しているだろうと思っているところが、意外に下降しているのが分かります。日本の経済状況も段々厳しくなっているもの理解いたします。また、本気で外国人観光誘客の努力をしているのも分かります。こういった分析を道としてどう捉えているのか、また、分析がどのようにいかされていくのか、最初にお聞きいたします。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事

 

観光入込客数の分析についてでありますが

○ 今回の調査によると、大きく伸びた市町村や逆に減少した市町村などがあり、地域による差がみられるところ。

 

○ 伸びたところの例では、民間のアウトレットモールの増床のあった千歳や北海道洞爺湖サミットの開催決定効果が現れたと思われる洞爺湖周辺市町村などがあり、逆に、減少したところでは、オホーツク圏と釧路・根室圏が挙げられますが、これについては、知床世界自然遺産効果の低下や地域間の競争の激化などが要因として考えられるところ。

 

○ 道においては、調査結果の分析を行い、その結果を十分踏まえながら、支庁と連携し、地域における対応対策等を検討していくこととしており、今後の首都圏等へプロモーション活動や、各種の情報発信を始め、体験観光や新たなた観光メニューの創設などの施策に反映させていくとともに、支庁においても、独自事業を活用した施策展開を図ってまいる考え。

 

(二) 計画の目標数値について

 今年の観光くにづくり行動計画改訂版では、観光客 6,500万人を目標値と致しておりますが、計画目標値との関連で、このペースで達成できるのかお伺いいたします。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事監

  

計画の目標数値についてでありますが

○ 平成19年度における観光入込客数は、外国人観光客については前年度比20%の増と好調に推移しているが、全体としては1%増となっており、平成18年度の2%増と合わせて見ても、近年伸びが鈍化しているところ。

 

○ 平成24年度の目標数値 6,500万人を達成するためには、今後5年で年率5.5%の増加を図る必要があり、大変厳しい状況となっている。

 

○ 計画初年度である本年度においても、原油高騰などが影響を与えているとのこともあり、既に6月までの来道者数は昨年度より減少しているところ。

 

○ 今後、サミット開催で高まった知名度を生かし、現在注目の集まっている「洞爺湖」周辺地域を対象とした環境(エコ)をキーワードにした観光キャンペーンや、首都圏、関西圏における知事を先頭にしたトップセールス、首都圏での交通広告の掲出など、北海道観光の魅力を前面に出した宣伝活動を集中的に実施するとともに、イギリスなどでの国際旅行博覧会への出展や東アジア地域への観光ミッションの派遣、北海道の魅力をPRするTV番組の作成・放送、国際線機内誌を活用した広告宣伝の実施などによる外国人観光客の誘致促進、さらには、行政機関や観光関係団体などと緊密な連携協力を図りながら、道民の道内旅行の需要を喚起するなど、目的達成に向けて最大限の努力をして参りたい。

 

(三) 札幌市との連携について

 観光客全体の半数強が道央圏となっています。特に札幌市の入込が落ち込んでいることが、いささか気になります。入込総数で全年度比 91.7%、道外客で 95.4%、道内客で 99.6%、逆に日帰りが 104.5%になっておりますが、宿泊客が 91.0%宿泊客延数が 90.5%と1割減となっております。宿泊の1割減と言うことは、ホテル・旅館業にとっても、その他関連産業にとっても、経済波及効果が大きな影響を与えると思いますが、私も何度も議会で質問している訳ですが、観光は北海道と札幌市は車の両輪で行かなければならないと申し上げているように、札幌市の観光振興計画がないのも大きく影響していると思うが、道と札幌市の連携が、その後、どうなっているのか、お聞かせ願いたい。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局局長

 

札幌市との連携についてでありますが

○ 平成19年度における札幌市の観光入込客数は、延べ人数で約1,380万人、市町村別では第1位、全道の約10パーセントを占めているところであり、本道全体の観光振興に与える影響も大きく、道としては、札幌市との連携は重要なことと考えているところ。

 

○ 道としては、これまで、北海道のイベントを代表する「さっぽろ雪まつり」への支援を実施しているほか、この秋に、北海道・札幌の食をメインテーマとして開催される「札幌オータムフェスト2008」についても連携することとしているところ。

 

○ また、平成19年2月には、札幌駅に札幌市と共同で、『北海道さっぽろ「食と観光」情報館』 を開設し、札幌市はもとより全道の観光情報をワンストップで提供できる体制を整えるなど、連携を進めているところ。

 

○ さらに、サミット開催等を活用した国際会議については、「国際会議等の北海道開催の推進について」の閣議了解をいただき、今後、国際会議等の誘致に向け、積極的な取組みを展開していく上で、有力な開催候補地である札幌市との連携を一層強化する必要があると考えており、先日開催された行政懇談会においても、札幌市長と知事とで、この点において共通認識に至ったところ。

 

○ 道としては、今後とも、札幌市と多様な観点から連携を図り、全道的な観光施策の推進に努めてまいりたいと考えているところ。

 

(三)-1 札幌市との連携について

 先の知事と札幌市長との行政懇談会の席上で、知事から札幌市に対し観光振興計画の策定を要請すべきではなかったのかと誠に残念だ。道の観光計画と札幌市の観光振興計画が両輪とならなければ目標値である 6,500万人の達成はますます遠のくのではないか。今後、札幌市の計画策定に向けてどう対応するのか再度伺う。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局局長

 

札幌市との連携についてでありますが

○ 道の新しい行動計画は、観光に関わるさまざまな主体や地域が観光振興に関する計画などを策定し、推進する際の指針として示すものであり、各地域においては、この指針に沿って主体的に観光振興のビジョンなどを策定し、観光振興施策を着実に推進していくことを期待するものであります。

 

○ 札幌市においては、平成22年度を目標年とする中期実施計画において観光地としての総合満足度や年間来客数、外国人延べ宿泊者数などを目標値として掲げており、平成24年度が目標年である道の行動計画の目標値 6,500万人の達成のためには、札幌市との連携が重要であります。

 

○ このため、道としては、今後、札幌市の次の中期計画の策定に際しては、道の行動計画の考え方を十分説明してまいるなど計画の達成に向けた、連携を一層深めてまいりたい。

 

(四) 外国人観光客誘致における地域支援について

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事

 

外国人観光客誘致における地域支援についてでありますが

○ これまで、道が北海道観光振興機構と連携して実施する旅行博覧会への出展やミッションの派遣などの際には、広く道内の関係者の方々に参加を呼びかけるとともに、パンフレットやDVDを活用し、オール北海道としてのPRに努めているところ。

 

○ また、外国人観光客の誘致に積極的な市町村や観光協会等で構成する「北海道国際観光テーマ地区推進協議会」の取り組においては、道が事務局となって、接遇研修や構成員が連携して開発した観光ルートの海外旅行雑誌等への記事掲載を行うなどして、受入体制の整備や地域の魅力の海外へのPRに努めているいるところ。

 

○ 近年、外国人来道者は着実に増加してきておりますが、これも地域の皆様の努力によるものと考えているところであり、道といたしましては、今後とも、国際観光の振興に積極的に取り組む市町村等と緊密かつ積極的な連携を図り、様々な機会を活用して地域の魅力を発信するとともに、観光案内板の設置など各種支援制度の周知や活用促進に努め、受入態勢の整備をサポートしてまいる考え。

 

(五) 地域観光戦略会議について

 北海道全体を見るとき、道央圏以外はまだ観光戦略が十二分に生かされておりません。ようやく、4ブロックの地域観光戦略会議が立ち上がったばかりでありますが、早急に地域観光戦略会議を立ち上げていただくことが大切と思います。そこで見通しについて、どのようなスケジュールになっているのかお聞かせ願いたい。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事

 

地域観光戦略会議についてでありますが

○ 観光の振興を地域の活性化につなげていくためには、地域のさまざまな観光資源を結びつける広域的な取組み推進や、観光産業と地域の幅広い産業との連携を図るなど、地域の一体的な取組みが大切と考えているところであり、このため、昨年度末に、道央、道南、道東、道北の全道4地域に地域観光戦略会議を設置したところ。

 

○ 現在、道央圏では長期滞在型周遊観光の確立に向けた取組について、道南圏では各地域の観光資源調査の実施など、広域観光ルートの形勢や道南ブランドの確立に向けた取組みについて、また、道東圏では今後の観光戦略をテーマとした観光セミナーや、4支庁による新たな合同プロモーションを実施しているほか、今後、商談会の開催など、体験型観光の促進に向けた取組みについて、さらに、道北圏では新たな観光メニューの創出や農林水産業との連携促進、ターゲットを明確にした情報発信の3点を中心とした取組みについて検討・協議しているところ。

 

○ 今後、具体的な取組みに向けて検討を進め、できるだけ早く戦略的視点に立った観光振興策がとりまとめられるよう、働きかけてまいりたい。

 

(六) アフターサミット対策について

 サミットが終了して間もないわけですが、この次期に積極的に観光プロモーションを仕掛けることが重要である。具体的にどのような展開をされようとしているのか伺う。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局局長

 

アフターサミット対策についてでありますが

○ 道では、サッミト開催の効果を最大限に活用して戦略的、集中的な取組みを進めることとしており、この9月から3ヶ月にわたり、現在注目の集まっている「洞爺湖」周辺地域を対象とした環境(エコ)をキーワードにした観光キャンペーンを展開することとしているところ。また、10月には首都圏、関西圏で、本道の優位性を活かした 「ゆとりツーリズム」 の旅行代理店への説明会の開催など、知事を先頭にしたトップセールスを行うほか、首都圏での交通広告の掲出、機内誌や雑誌を活用した広告宣伝など北海道観光の魅力をPRするための宣伝活動を集中的に予定しているところ。

 

○ 外国人観光客の誘致については、今月1日から3日までと来年2月はシンガポールで、10月にはロンドンで、11月には台北及び上海でそれぞれ開催の国際旅行博覧会への出展、さらに、10月にはタイ・シンガポール、11月には中国の広州・上海へ観光ミッションの派遣を行うほか、これら、中国本土では北海道の四季を、台湾では北海道の春・夏を、韓国では北海道の冬をテーマとした番組を制作し、現地のテレビで道内各地の魅力あふれる映像を放送することや、欧米系及びアジア系の航空会社の国際線機内誌を活用して、広告宣伝を行うなどサミット開催による「北海道」の知名度向上の効果を最大限に活用しながら、プロモーションを展開してまいる考え。

  

(七) 航空路線廃止による観光への影響について

 道内空港に就航している航空会社の国内路線の見直しが検討されているが、このことは、道外観光客の来道にどのような影響をおよぼすのか伺う。

 

航空路線廃止による観光への影響についてでありますが

○ 航空各社では2010年に予定されている羽田空港再拡張に向けての体制構築や、経営体質強化のため、運行計画の見直しを進めており、不採算路線については廃止を含めた検討を行っていると承知しているところ。

 

○ 北海道では地理的条件等から、道民生活をはじめ、経済活動、観光振興など、あらゆる分野において航空輸送が果たす役割は大きく、来道観光客の85%が航空機を利用しており、来道ルートの減少は、観光客の利便性の低下や観光商品の造成が限定されるなど、誘客活動への大きな影響を与え、来道観光客数の減少も懸念されるところ。

  

(八) ギャラクシーエアラインズの運休に伴う影響について

 ギャラクシーエアラインズの運行停止により、生鮮食品の道外への輸送に影響が生じることが懸念されるが、どのように考えているか。

 

所 管: 農政部食の安全推進局食品推進課
答弁者: 食品政策課 小野塚課長

 

運行停止による生鮮食品への影響についてでありますが

○ 道産農水産物の多くを取り扱うホクレン及び ぎょれんにおいては、当該航空会社を利用した生鮮食品の輸送実績がほとんどないため、運行停止による影響は大きくないものと伺っておりますが、通信販売会社や小売業者などで利用の多い業者におきましては、新たな航空便の確保などの面で影響が生じるものと考えている。

 

○ 今後とも、情報収集に努めるとともに、貨物便の廃止による影響を最小限にとどめることができるよう適切に対応してまいりたいと考えている。

 

(九) 路線維持のための取組について 
 航空会社に対しては、既に要請を行っているとのことだが、その交渉を踏まえ、路線を現状維持するための条件として地域で何が必要なのか伺う。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局

答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事監

 

路線維持のための取組についてでありますが

○ 今回、見直しの対象となっている、関西空港と函館空港、女満別空港、新千歳空港の路線は、いずれも利用者が堅調な路線であり、各地域の観光振興などに大きく、航空路線を確保していくことは極めて需要であると認識していることから、嵐田副知事をはじめ、地元関係者が揃って要請に向かい、 路線の維持や地域への影響を最小限に抑えるよう特段の配慮をお願いしてきたところ。

 

○ 道としては、引き続き、道民の利便性をできる限り損なうことがないよう配慮を求めてまいりたいと考えているところ。

 

○ いずれにいたしましても、航空路線の維持・確保のためには、何よりも搭乗率の確保など利用促進が極めて重要であることから、観光面からは、本道との航空路線を有する地域において商品造成を促す旅行代理店への説明会や、地元市民への観光PR活動を実施するなど、地元自治体とも連携して、ねばり強く、観光客の誘致活動を行ってまいりたいと考えているところ。

 

(九)-再 路線維持のための方針と取組状況について

 地元自治体と連携して、観光客誘致を進めることであるが、どのような方針で進め、また、具体的にはどのようなことを考えているのか。

 

所 管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部観光のくにづくり推進局参事監

 

路線維持のための取組についてでありますが

○ 現在廃止が検討されている岡山-新千歳戦に関しては、本年3月に岡山県内で観光展を開催し、本道観光の魅力をPRしてきたところであり、さらに 来月には旅行商品の造成を進めるため、地元旅行代理店に対し説明会を開催する予定としているところ。

 

○ また、松本市や富山県をはじめ、本道との航空路線を有する地域と連携した利用促進のための取組みを進めるほか、関西国際空港においても7月4日より8月31日まで 「北海道フェアIN関空」 を開催しているところ。

 

○ いずれにいたしましても、航空路線の維持のためには、搭乗率の向上が重要なことから、地元自治体とも連携して、相互に交流が拡大することを念頭に、道人会や北海道の観光と物産展などを活用しながら、観光客誘致を通した交流人口の拡大に努めてまいりたいと考えているところ。



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