議会報告 【文教委員会】 平成20年6月9日 「公立高等学校の配置計画について」

月曜日, 6月 09, 2008

《 公立高等学校の配置計画案について 》

 

(一) 計画案策定の考えについて
(二) 再編統合について
(三) 市町村立高校について
(四) 私立高校について
(五) 白陵高校について

 

平成20年6月9日

質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

(一) 計画案策定の考えについて

 平成21年度から23年度までの「公立高等学校配置計画案」について、6月3日の文教委員会において報告があり、生徒の多様な学習ニーズに対応した新しい高校づくりや中学校こ卒業者数の減少に対応した学校・学科の配置などがしめされたところであります。今回の計画案について、募集停止となる学校は無かったものの、高校の間口がどうなるかなどは、生徒や保護者ばかりでなく、関係する市町村にとって非常に大きな問題であることから、公表された計画案に対して、様々な反響が見受けられるところであり、今後、十分に検討していかなければならないものと考えておりますので、順次伺って参ります。

 今年の配置計画は、昨年策定した22年度までの計画に23年度の姿を加えた計画であり、特に平成23年度は、対前年で全道で約2,700名もの中卒者数の減が見込まれる年であり、特に札幌圏において、1,253名もの減少となっております。このような中で今回の配置計画案は、どのような考え方に基づいて検討されたのか、伺います。

 

所 管: 新しい高校づくり推進室

答弁者: 新しい高校づくり推進室長

 

計画案策定の考え方についてでありますが

○ この度の配置計画案は、「新たな高校教育に関する指針」の考え方に基づき、昨年策定した平成22年度までの高校配置計画に平成23年度の姿を加えた3年間の計画とその後の4年間の見通しをお示ししたもの。

 

○ 計画の策定に当たっては、今後も中卒者数が急激に減少する中にあって、高校進学希望者数 に見合った定員を確保知るとともに、高等学校の教育水準の維持向上、生徒の学習環境の充実を図ることを基本とし、全日制普通科単位制やフィールド制を導入するなど、新しい高校づくりを進めるとともに

  • 中卒者の状況
  • 生徒の進路動向
  • 各学校の在籍状況
  • 学校・学科の配置状況
  • 地域の実情

などを総合的に勘案し、学級増減などによる定員調整や学校の再編整備を進めることとしたところ。

 

○ この度お示しした計画案において、特に再編については、中卒者数の減が著しい札幌市内において、一定の学校規模を維持し幅広い教育課程の編成・実施を図る観点から再編を行うこととしたほか、同一市町村に複数の高校が設置され、かつ、今後の中卒者数の減が見込まれる3市町においても、同様に再編を行うこととしたところ。

 

(二) 再編統合について

 今回の配置計画では、札幌市内を始め、3市町で再編統合が示されておりますので、数点伺います。

 

1 札幌市内の再編統合について

 この度の配置計画では、札幌市内の高校について再編統合が示されておりますが、どのような考え方で示されたのか、伺う。

 

所 管: 新しい高校づくり推進室

答弁者: 新しい高校づくり推進室長

 

札幌市内の再編統合についてでありますが

○ この度お示しした計画案では、札幌市内につきましては、平成21年度、22年度の計画において、平成21年度からの通学区域の一学区化などを考慮し、学級増減による定員調整を中心に行うこととしたところ。

 

○ 一方で、平成23年度には、札幌市内で、これまでにない1,200名以上の中卒者の減少が見込まれているところ。

 

○ また、平成18年に策定した新たな指針においても、「都市部に複数校ある場合は、望ましい規模の学校についても、地域の実情などに応じて再編整備を進める」こととしていることから、生徒急増期の新設校であることや、学校間の距離などを総合的に勘案し、新しいタイプの導入も併せて、このたびの案をお示ししたところ。

 

2 都市部の再編統合について

 次に、美唄市内、稚内市内などの地域において複数校を再編し、新たな3校を新設するとしており、今回の配置計画案では、検討中となっておりますが、どのような状況なのか、お聞かせ願います。

 

所 管: 新しい高校づくり推進室

答弁者: 参事(改革推進)

 

都市部の再編統合についてでありますが

○ このたびの計画案では同一市町村に複数の高校が設置され、かつ、今後の中卒者数の減が見込まれる市町村のうち、将来的に望ましい学校規模の維持が困難と見込まれる6高校を再編することとしてお示ししたところ。

 

○ その中で、再編の対象校及び再編の時期について明示しましたが、普通科の高校と専門高校の再編であり、学科の構成などについて地元からの要望などを参考にさらに検討を行う必要があることから、学科及び間口については検討中としてお示ししているところであり、計画決定時には具体的な内容をお示しできるよう、今後検討を進めて参りたい。

 

(三) 市町村立高校について

 今回の計画では、中卒者数の減少に伴う学級減はすべて道立高校で行い、市町村立高校については、一校も増減調整を行っていないが、何故か。

 

所 管: 新しい高校づくり推進

答弁者: 新しい高校づくり推進室長

 

市町村立高校についてでありますが

○ 市町村立高校については、学区における中卒者の状況や学校・学科の配置状況、市町村立高校や私学との関わりなどを総合的に勘案し、地域のご意見も伺いながら、設置者でありますそれぞれの市町村の教育委員会と協議のうえ、学級調整を行っております。

 

○ 昨年策定した配置計画においては、札幌市立を含め、市町村立高校の定員調整や再編をお示ししたところ。

 

○ このたびの計画案においても、定員調整対象地域にある市町村立高校について、関係市町村教育委員会とも協議を行い、総合的に検討を行ってまいりましたが、結果として学級減とはならなかったところ。

 

(四) 私立高校について

1 公私協での意見について

 高校配置計画の策定にあたっては、公私の場で意見交換が行われたいると承知しているが、今年度は私立高校側からどのような意見があったのか。

 

所 管: 新しい高校づくり推進室

答弁者: 参事(改革推進)

 

公私立高等学校協議会における意見などについてでありますが

○ 本年4月17日に、1回目の公私立高等学校協議会を開催し、私学関係者に対し私学所在学区における平成23年度学級増減の検討状況と24年度から27年度までの見通しをお示しし、ご意見を伺うとともに協議を行ったところ。

 

○ その中で、私学関係者からは、

  • 平成18年に策定した「新たな高校教育に関する指針」において、これまで私学が公教育に対 して果たしてきた役割に触れていること
  • 通学補助制度について私学の生徒も対象になったことについて評価する旨のご意見をいただいた一方で、
  • 平成20年度から22年度までの計画は私学にとって非常に厳しい内容であり、平成21年度、平成22年度の計画について見直しをお願いしたい
  • 公立高校の学級減を強く要望する

など学級減の要望を中心にご意見をいただいたところ。

 

○ 今後においては、7月に2回目の協議会を開催するなど、この度、お示しした配置計画案について私学関係者から十分ご意見を伺って参りたい。

 

2 私立高校への影響について

 道教委の資料によれば、中卒者数の減少は今後も続き、平成24年度から平成27年度までの学級減は、全道で50学級から69学級程度、石狩学区では16学級から17学級程度と見込まれているが、こういった長期的な状況は、私立高校においても非常に厳しいものがあるのではないかと思う。このような状態が私立高校に与える影響について、道はどのように認識しているのか。

 

所 管: 学事課

答弁者: 学事課長

 

私立高校への影響についてでありますが

○ 本道の中学校卒業者が大幅に減少する中で、現在、全道の私立高校53校のうち、45校が定員割れとなっており、そのうち36校は100人以上の欠員となっているなど、道内の私立高校は厳しい経営環境に置かれているところ。

 

○ 今後におきましても、中学校卒業者の減少が見込まれていることから、私立高校にとりましては、現状にも増してたいへん厳しい状況になるものと認識しております。

 

3 私立高校への対応について

それに対し道として、私学の健全な経営に向け、どのような考え方で、今後とり進めていくつもりか伺う。

 

所 管: 学事課

答弁者: 学 事

 

私立高校への対応についてでありますが

○ 長期的に生徒数が減少する中では、私学自ら中長期的な視点に立った取組みを進めていただくことが重要であると考えております。

 

○ 道と致しましては、これまでも私学経営者に対して、生徒減少期を見据えた経営計画の樹立を促すなどしてきたところであります。

 

○ 今後とも私学の自主性を尊重することを基本としながら、関係私学団体との連携を密にして、経営状況の一層のはあくに努めるとともに、私立高校の健全な経営が図られるよう必要な指導・助言に努める一方、引き続き支援に努めて参りたいと考えております。

 

(五) 白陵高校について

 将来の学校像について白陵高校については、中途退学防止策として「二人担任制」や「30分授業」を導入すると報道されている。具体的にどのような内容を考えているのか。

 

所 管: 新しい高校作り推進室

答弁者: 参事(改革推進)

 

将来の学校像についてでありますが

○ 札幌白陵高校におきましては、これまでも、生徒指導をはじめ教育活動の改善に取り組んでおり、一定の成果を挙げているものと考えているところ。

 

○ 現在、札幌白陵高校では、校内に委員会を設置して、めざす生徒象や学校象、教育課程の改善などについて、検討を進めているところ。

 

○ なお、一部新聞において報道された内容まで具体的に検討が進んでいる状況にはありませんが、道教委としましては、今後、学校における検討がさらに進むよう、積極的に支援してまいりたい。

 

2 生徒の入学状況等についてここ数年の白陵高校の、入学状況及び中途退学の状況を伺う。

 

所 管: 学校安全・健康課(高校教育課)
答弁者: 学校安全・健康課参事

 

白陵高校入学者の状況などについてでありますが

○ はじめに、入学者については、平成18年度は、募集人員280名に対して、入学者数は257名で入学時の欠員は23名、平成19年度は、280名に対して、229名で欠員は51名、平成20年度は、240名に対して、200名で欠員は40名、となっている。

 

○ 次に、中途退学の状況についてあるが、ここ数年、中途退学者は100名に達しており、そのうち7割~8割は1年生が占めている。



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