議会報告 【文教委員会】 平成20年6月3日 「札幌市の子どもの権利条例案について」

火曜日, 6月 03, 2008

《 札幌市の子どもの権利条例案について 》

  

(一) 条例適用の学校について

(二) 道立学校の適用除外について

(三) 札幌市からの意見照会について

(四) 道教委への情報提供について

(五) 札幌市への情報提供について

(六) 札幌市への関与について

平成20年6月3日

質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

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(一) 条例適用の学校について

5月13日の文教委員会で、この条例は、道立学校にも適用されるのか伺ったところ、道教委は、直接的には答えず、一般論として、「条例は、自分たちの施設を対象とするもので、よそ様の施設を対象とする条例は制定できない」旨答えている。つまり、道立学校は適用されないだろうという答えであるが、先般開かれた札幌市議会で、上田市長は、「道立を含め等しくこの条例の効力が及ぶ」と明言している。どちらの言い分が正しのか伺う。

 

所 管: 生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 教育長

 

条例の制定についてでありますが

○ 先日の文教委員会でお答えしましたように、地方分権の趣旨として、地方公共団体が、他の地方公共団体に強制力のある義務を規定する条例は制定することができないものと理解しており、札幌市の子どもの権利条例についても同様であると認識している。

 

(二) 道立学校の適用除外について

上田市長は、「道立を含め等しくこの条例の効力が及ぶ」と明言しているが、辞書によると効力とは、「良い結果やききめをもたらす力」のことを言うと書いてあった。市長の発言どおり、この条例の効力は、道立学校にも適用されるのではないか改めて伺う。そうでないなら、道立学校を適用除外とするよう、申し入れるべきでないか。

 

所 管:  生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 教育長

 

条例の制定についてでありますが

○ 市議会において、市長がどのような意味で効力という言葉を使われたのか判断する立場にないが、ただ今も申し上げたとおり、地方分権の趣旨からしても、地方公共団体が他の地方公共団体に強制力のある義務を規定する条例は制定することができないものと理解しており、道立学校についても、市の条例によって拘束されるものではないと認識しているところ。

 

(三) 札幌市からの意見照会について

通常、地方公共団体が条例を制定する際に、他の地方公共団体にも影響を及ぼす内容である場合には、意見照会を行うのが常識である。5月13日の文教委員会で、札幌市から意見照会があったか伺ったところ意見照会はないということだが、その後、意見照会はあったか。

 

所 管: 生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 生涯学習課

 

意見照会についてでありますが

○ 5月13日以降も札幌市からの意見紹介は、ございません。

 

(四) 道教委への情報提供について

上田市長は、市議会で、「道や道教委に対しては、直接の訪問や理解を求める内容の文書の送付等、様々な形で説明や情報提供等を行ってきたところで、その都度、ご意見をいただく機会を設けてきた」と答えている。道教委では、意見照会がないという、これもどちらの言い分が正しいのか、事実関係を明らかにされたい。

 

所 管: 生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 生涯学習課長

 

道教委への意見照会についてでありますが

○ 札幌市からは、札幌市内の道立高校、石狩教育局等へのパブリックコメントの資料などの情報提供があったことは承知しておろりますが、先日お答えしましたように意見照会はございません。

 

(五) 札幌市への情報提供について

5月13日の文教委員会で、私の質疑の内容を札幌市に情報提供するとのことであったが、情報提供は行ったのか、その結果、どのような反応だったか。

 

所 管: 生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 生涯学習課長

 

情報提供についてでありますが

○ 5月16日、札幌市教育委員会に出向き5月13日の道議会文教委員会における質疑の内容について情報提供したところ。

 

○ その際、市教委から、学校運営については諸法令、学習指導要領に基づいて行われるべきものという道教委と同様の認識が示されましたが、このことを含め、道教委の答弁そのものに対しては、反論はなかったところ。

 

(六) 札幌市への関与について

上田市長は、市議会でこうも答弁している。「この条例は、国内法として効力を発揮している子どもの権利条約に基づき、広く子どもの権利の保障を求めるものである。条例の理念と道立の学校や施設が有する権限とが互いに齟齬をきたすものとは考えていない」。つまり、誰が何と言おうと道立の学校や施設を適用対象外とすることに問題はない、いわば確信犯的である。こうした、札幌市のやり方に対して、道教委としては、どのように考えているのか伺う。

 

所 管:  生涯学習推進局生涯学習課

答弁者: 教育次長

 

札幌市の条例についてでありますが

○ 道教委としては、学校教育を進めるに当たっては、教育基本法を始めとする諸法令、さらには、学習指導要領に基づくことはもとより児童の権利の関する条例の趣旨を十分踏まえながら日々、取り組んでいるところ。

 

○ また、札幌市が、現在、策定しようとしている子どもの権利条例については、児童の権利に関する条約の趣旨や法令等を踏まえながら検討を進めているものと聞いている。

 

○ 札幌市の条例そのものについては、条例の法理の性質から道立学校に強制力のある義務づけを行うなどの拘束力を及ぼすものではないと認識しており、道立の学校施設の運営については道が責任をもって法令や道の諸規則に照らし合わせて適切に対応して参りたい。



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