議会報告 【平成20年 第1回北海道議会定例会 予算特別委員会(企画振興部所管)】 平成20年3月21日 「地方分権改革について」

金曜日, 3月 21, 2008

《 地方分権改革について 》
 

 

(一) 国の直轄化について
(二) 交付金事業について
(三) 道州制特区第三次提案について

 

平成20年3月21日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

  
一 地方分権改革について
 
(一) 国の直轄化について

 各省庁では、三位一体改革によって、都道府県への補助金が廃止されたことから、補助事業をやめて直轄事業とする動きが勢いを増しており、目に余るものがあります。農林水産省の水田・畑作経営所得安定策は、その格好の例であります。この対策は、都道府県や市町村をパスして、農水省の出先機関である農政事務所がここの農家と直接対応するとしたことから、不慣れな農政事務所では、十分な対応ができず、事務手続きなどで混乱を招いたことは、ご案内のとおりであります。また、経済産業省の地域資源活用事業や農商工連携事業も地方の経済産業局を活用した直轄事業であります。観光振興でも地方運輸局による直轄事業が目につきます。来年度から始まる地方の元気再生事業にあっては、内閣府と北海道開発局や経産局など国の出先機関で構成する「北海道地方連絡室」が窓口となり、開発局はその幹事局の役割を担っております。こうしたことが続けば都道府県の存在意識の否定にも繋がりかねません。そこでまず、国の直轄化の流れをどう受け止めているか伺います。
 
所 管: 企画振興部地域主権局参事(支庁制度改革G)
答弁者: 地域主権局長
 
国の直轄化の動きについてでありますが
○ 地方分権改革は、住民に身近な行政はできる限り地方に委ねることを基本に、国と地方の役割分担を徹底して見直すとともに、国の関与や義務づけなどを廃止・縮小し、地方の役割に見合った権限と財源を地方に移譲する取り組み。
 
○ 三位一体改革に基づく国庫補助負担金改革後においても、都道府県や市町村を経由しない国庫補助負担金の創設が見受けられるところであるが、新たな制度の創設にあたっては、国と地方の役割分担についてしっかりと議論されるべきものであると考える。
 
○ 地方分権改革推進委員会では、昨年11月に策定した「中間的な取りまとめ」において、「国庫補助負担金は地方の自主的な行財政運営を阻害しがちである」ことなどから、廃止を含めたゼロベースでの見直しが必要である旨の方針を示しているほか、「新たな義務づけ・枠づけ、関与についてのチエックシステム」についても検討することとしているところであり、道としても、地方分権改革の本旨に沿った改革が行われるよう、地方六団体と連携して取り組んで参る。
 
(二) 交付金事業について
 これらは、住民に身近な事務であり、都道府県や市町村を活用した裁量度の高い交付金事業とすべきと考えます。全国知事会と連携し、国に働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。
 
所 管: 企画振興部地域主権局参事(支庁制度改革G)
答弁者: 地域主権局参事
 
交付金についてでありますが
○ 近年、国においては、国庫補助負担金を交付金として衣替えするケースも見られるが、地方にとって、これまでより使い勝手がよくなるものであれば、その点においては有効な見直しといえるものの、国庫補助負担金改革の名の下に、交付金の形を借りて国の関与を継続・拡大するようなことはあってはならないことであり、その実態を慎重に見極める必要があるものと考える。
 
○ 地方六団体では、単なる国庫補助率の引き下げや交付金化ではなく、現行の交付金を含めた国庫補助負担金の総件数の半減と地方への財源の移譲を求めているものであり、地方分権改革推進委員会とも密接に連携しながら、国庫補助負担金改革に取り組んで参りたい。
 
(三) 道州制特区第三次提案について
 第三次提案についてであります。道民提案の中に、現行50万人の政令都市要件や30万人の中核市要件を緩和するものがありますが、これが実現しますと、旭川市や函館市が周辺市町村と合併することにより政令都市となることができます。また、千歳市や苫小牧市、登別市、室蘭市など道央工業地帯での大型合併による政令都市の誕生、さらには江別市や石狩市、岩見沢市など道央の田園地帯での大型による政令都市も可能であり、札幌一極集中ではない、多極型の都市構造ができるのであります。夢を現実にするために、政令都市や中核市の要件緩和について、道州制特区の第三次提案で取り上げるべきと考えますが見解を伺います。
 
所 管: 企画振興部地域主権局参事(道州制G)
答弁者: 地域主権局参事
 
道州制特区提案についてでありますが
○ 「政令市及び中核市の法定要件緩和」については、道民の方からもご提案をいただいており、道州制特区提案検討会にお諮りしているところ。
 
○ 提案検討委員会では、地方自治体の基本的な枠組みにかかわる事項でもあり、自治体関係者の意見を伺った上でさらに検討する必要があるため、継続審議とされたところでありますが、今後、第3回提案に向けた提案検討委員会の中で要件緩和が実現した場合の影響も含め、道民提案の趣旨などを踏まえ、検討することとしております。



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