議会報告 【文教委員会】 平成20年2月5日 「北海道教育推進計画について」

火曜日, 2月 05, 2008


 

《 北海道教育推進計画について 》

 
北海道教育推進計画について
(一) ふるさと教育の充実について
(二) 確かな学力の向上をめざす教育の推進について
(三) 調査内容について
 

平成19年12月11日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

北海道教育推進計画について
(一) ふるさと教育の充実について

 1 目標指標について
 原案を修正した項目の一つに、ふるさと教育の充実に関する目標指標の「ふるさとへの愛着の状況」の削除がある。その理由として「道民意見とを踏まえ」とあるが、どのような意見が寄せられたのか。そのような意見は何件あったのか。また、この項目について寄せられた意見には、他にどのようなものがあったのか。

 
所  管: 総務政策局教育政策課
答弁者: 教育政策課長
 
ふるさと教育に関する目標指標についてでありますが、
 
○ 計画原案においては、ふるさとに対する児童生徒の意識を把握するための指標として、全国学力・学習状況調査の質問項目の中から、「住んでいる地域が好きだ」と答えた児童生徒の割合、及び「今住んでいる地域の歴史や自然について関心がある」と答えた児童生徒の割合を目標指標例として示したところ。

  • 自分が住んでいる地域をどのくらい知っているかが郷土愛に結びつくのではないか。
  • ふるさとへの愛着や誇りを持つことは、押しつけられるものではなく、自然と湧き上がってくるものである。

などの御意見が、5件寄せられたところ。
 
また、外部有識者で構成する北海道教育推進会議においても

  • ふるさとへの関心に関する指標については良いと思う。

というご意見をいただいた一方で、

  • ふるさちへの愛着に関しては、大人になってからより深く感じるもののように思う。
  • ふるさとに対する子ども自身の気持ちまでを指標とすることには違和感を感じる。

などの御意見が大勢を占めたところ。
 
○ 道教委としては、こうした意見を参考として、ふるさとへの愛着や誇りを育むためには、自分の地域の自然や文化などに親しみ、理解を深めることを通じて、子どもたちのふるさとへの関心を高めていくことが、より重要であると考え、「住んでいる地域の歴史や自然について関心がある」と応えた児童生徒の割合についての項目にとどめたところ。
  
○ 又、意見を聴く会などにおける目標指数以外の「「ふるさと教育の充実」に関するご意見としては、

  • ふるさと教育を進めるに当たっては、子どもたちが自分の住む地域の素晴らしさを自分の目と耳を通して学ぶことが大切である。
  • 小さな頃から地域の祭りやイベントに参加し、皆で協力する心を持つことにより、地域のつながりが持てるようになるのではないか。

など、子どもたちにとって、身近な地域や人とのふれあいを通じてふるさとへの理解・関心を深めることが重要であるとの御意見をいただいたところ。

 

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平成19年12月11日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

北海道教育推進計画について
(一) ふるさと教育の充実について

 2 計画への記載について
 北海道教育ビジョンでは、「今後、重視すべき7項目の観点」を、「自立」と「共生」という二本の柱から成る教育理念にまとめている。「共生」を柱とする基本理念は「心豊かに、ともに支え合いふるさとに誇りをもつ人を育む」というものである。子どもたちがこの基本理念をどのように身につけたかを判断する物差しの一つが、この計画の目標指数ではないのか。「ふるさとへの愛着」とはふるさとを大切に思う心であり、その心を持てなくて「誇りを持つこと」など出来るわけがない。削減はもってのほかである。「♪いかにいます父母、つつがなきや友垣♪」という文部省唱歌の「ふるさと」、石川啄木が詠んだ「ふるさとの訛りなつかし停車馬の人込みの中にそを聞きに行く」という一首、このようなふる里への思いは、いつの時代にも、また洋の東西を問わず不易のものであると考える。それだから「ふるさと納税」という考え方も出てくるのである。それぞれの町の市町村史を調べて自分たちの学校の生い立ちや、先人の苦労などを学び、郷土芸能の伝承などを通して、すべての子どもが自分の生まれた町、育った地域に「誇りを持つこと」を目指すべきである。ただ「愛着」という言葉を広辞苑で調べてみると「人や物への思いを断ち切れないこと」とあり、表現としてどうかというのであれば、「大切に思う心」と修正して目標指標に記載すべきであると考えるがどうか。

 
所  管: 総務政策局教育政策課
答弁者: 教育政策課長
 
目標指標への記載についてでありますが、
 
○ 道教委といたしましては、地域の意見などにもありましたとおり、ふるさとへの愛着や誇りを持ち、地域社会の一員としてふるさとに生きる自覚を育む上で大事なことは、まず、自分の地域の自然や文化などふるさとへの関心を高めていくことであると考えております。このため、「ふるさとへの関心の状況」を目標指数とし、児童生徒の意識をより高めていくことができるよう、ふるさと教育の充実に取り組んでまいりたいと考えているところ。
 

北海道教育推進計画について
(二) 確かな学力の向上をめざす教育の推進について

1 確かな学力の向上の施策について
 新しい学習指導要領の目指すところは、すでに大枠が示されている。しかし、計画案には、新指導要領が目指す重点項目について、どう取り組むのかが示されていない。国の計画が言う「確かな学力確立」に向けた施策に対応する方向を示すべきである。

 
所  管: 学校教育局義務教育課
答弁者: 義務教育課長
 
確かな学力の向上についてでありますが、
 
○ 本年1月に公表された学習指導要領等の改善についての中教審答申においては、この度の学習指導要領の改訂のポイントとして、

  • 基礎的・基本的な知識・技能の習得
  • 思考力・判断・表現力等の育成
  • 学習意欲の向上や学習習慣の確立

などが示されているところ。
 
○ 道教委では、こうした考え方を踏まえ、本推進計画の施策計画項目「確かな学力の向上を目指す教育の推進」において、施策の対応方向として

  • 確かな学力をめざす、創意ある教育課程の編成・実施
  • 基礎・基本の確実な定着を図る学習指導の工夫・改善

などを掲げているところ 
 
○ 子どもたちの学ぶ意欲を高め、望ましい学習習慣を身につけさせるとともに、自ら学び自ら考え行動するなどの確かな学力の向上に向け、今後、少人数指導、チィーム・ティーチングなどの取組を引き続き促進するほか、教育課程の編成・実施に関する手引の作成や研修会の開催、学習や生活の基盤である「読み・書き・計算」の核となる内容を明らかにするとともに、着実に習得させるための方策を研究し、その成果の普及などに取り組んでまいりたい。
 

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北海道教育推進計画について
(二) 確かな学力の向上をめざす教育の推進について

2 北海道高等学校学力等実態調査について
 目標指数にある「北海道高等学校学力等実態調査」であるがいつから、どのような内容で行っているのか、その結果をどのように活用しているのか、伺う。

 
所  管: 学校教育局義務教育課
答弁者: 義務教育課長
 
北海道高等学校学力等実態調査についてでありますが、
 
○ 本調査は、本道の学力に係る研究指定校において生徒の学力の実態等を把握し、授業改善を図ることを目的に、平成17年度から実施しており、国語、数学、英語の3教科における学習指導要領に示された目標の実現状況や生徒の学習状況等を把握している。
 
○ また、本調査は、道教委が設置する「学力等実態調査研究協議会」を構成する教員が問題の作成や調査結果の分析を行っており、各学校における「確かな学力」の向上を図る授業改善に活かすことができることから、学力向上に係る研究指定校のほか、多くの学校に参加を呼びかけ、

  • 平成17年度においては、 38校、 7,570名
  • 平成18年度においては、102校、11,362名
  • 平成19年度においては、120校、14,473名

の実施となっているところ。
 
○  調査結果の全道状況については、調査参加各校に送付するとともに、道教委のWebページに公表しており、調査参加校においては、自校の結果を分析するとともに、全道状況と比較するなどして、学習指導の改善・充実を一層図るよう指導しているところ。
 

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北海道教育推進計画について
(三) 調査内容について

 単に意識調査的な内容だけでなく、具体的な学力について経年比較が出来るように内容を改善して実施すべきであり、その結果を目標指標とするべきである。

 
所  管: 学校教育局高校教育課
答弁者: 高校教育課長
 
調査内容についてでありますが、
 
○ 学力等実態調査問題は、国語、数学、英語の各教科毎に、学習指導要領に示された内容について、知識・理解や関心・意欲・態度・表現などの観点から評価できるようにするとともに、設定通過率を設けて、実現状況を把握することができるように作成しているところ。
 
○ 毎年、作問における問題の難易度を調整していること、難易度の異なるA、B問題から参加校が問題を選択していること、多様な学校が参加していることなどからすべての学校に共通の目標設定することは難しいものと考えているところであるが、今後、各教科毎の実現状況の経年比較ができるよう実施学年の固定や作問における工夫などの改善を図ってまいりたい。
 

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北海道教育推進計画について
(三) 小規模校などの教育水準の維持向上について

 我が党は、高校配置計画や教育局再編計画の議論の際にも、過疎化が進む地域の教育力を維持しなければならないと指摘してきたが、小規模校などの学力向上に向けた内容について記載すべきではないか。

 
所  管: 学校教育局高校教育課
答弁者: 高校教育課長
 
小規模校などの学力の向上にかわってでありますが、
 
○ 平成19年度全国学力・学習状況調査においては、小・中学校とも調査対象教科の正答した割合が全国に比べて低い状況にあり、へき地の状況については、国同様、±(プラスマイナス)5%の範囲内においては、地域規模別による大きな違いは見られないものの国語・算数・数学の知識と活用の問題のすべてにおいて道内の他の地域規模より低い状況が見られたところ。
 
○ こうした調査の分析結果なども踏まえ、地域の実態や特性などを生かした教育を推進する必要があると考えており、本推進計画案において、施策項目に「確かな学力の向上をめざす教育の推進」を掲げているところ。
 
○ 特に、へき地・小規模校への支援については、施策項目「特色ある学校づくりの推進」に盛り込み、

  • 複式学級の学習指導の在り方等に関する研究協議の実施
  • 教育用コンピュータ等のマルチメディアを積極的に活用した教育活動の促進
  • 教科バランスに配慮した教員配置

 
などに取り組み、児童生徒が意欲的に学校生活に取り組むことができる学校づくりの推進に努めることとしているところ。
 

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