議会報告 【予算特別委員会 (総務部所管)】 平成19年12月11日 「航空消防防災体制について」

火曜日, 12月 11, 2007

 

《 航空消防防災体制について 》

 
一 航空消防防災体制について
(一) 防災航空隊の編成について
(二) バックアップ体制について
(三) 今後の防災航空隊の編成と市町村負担について
(四) 今後の防災ヘリコプターの整備方針について
(五) 北海道消防防災ヘリコプターの管理運用について
(六) 札幌市を含む関係機関との協力体制について
(七) 道警との連携について
(八) 札幌市との協議について
 

平成19年12月11日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

一 航空消防防災体制について
(一) 防災航空隊の編成について

 消防航空隊体制についてお伺いします。
 
 道は、市町村消防と共に、道が所有致します消防防災ヘリコプターと借り上げヘリコプターによりまして、丘珠空港を基地として、火災防御や災害救助、救急救命の搬送など、多岐にわたって公域事業をおこなっている中、去る10月18日、北海道防災航空室の消防防災ヘリコプターが南幌町内で降下訓練中に事故が発生したとの報道がありました。
 
 この度の事故は誠に残念な出来事であり、負傷された隊員へはお見舞い申し上げるところでありますが、道民の安全と安信を守ろうという観点からは、限られた隊員数で運営されている、防災航空隊の支障がないのか心配なところでありますが、現在の防災航空隊の編成はどのようになっているのか、最初にお伺いします。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 危機管理監
 
 まず、隊員に事故があり、議員の皆様方はじめ関係機関の皆様方にご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 
防災航空隊の編成についてでありますが、
 
○ 航空消防防災体制については、道の消防防災ヘリコプターを用いて災害応急対策活動、救急活動、救助活動、火災防御活動などを行うためにもうけられたもので、これらの業務を行うために市町村の消防から派遣された7名の消防職員により編成される防災航空隊と、これに加え、道職員4名とヘリの運航を委託している民間会社のパイロット及び整備士など7名の合計18名により、365日、24時間の運行体制を確保しているところ。
 

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一 航空消防防災体制について
(二) バックアップ体制について

 ご答弁にありました通り、ギリギリの運営がなされておりますが、隊員に事故があった場合のバックアップ体制はどのようになっているのか、お伺い致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 防災航空室長
 
バックアップ体制についてでありますが、
 
○ 防災航空隊員は、航空機を使用した危険な現場での消火、救急、救助等の業務に従事することから所定の教育訓練を受け、技術を習得した隊員で編成しており、万が一、隊員に事故などあった際には、短期間の休職の場合には隊員の勤務日程の変更を行い、業務の遂行に当たっているところ。
 
○ また、長期間にわたる事故の場合には、市町村に消防職員の派遣をお願いするなど、職員に過度の負担をかけることのないよう十分配慮しているところ。
 

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一 航空消防防災体制について
(三) 今後の防災航空隊の編成と市町村負担について

 次に平成15年6月の消防組織法の改正等によって、航空隊員に属する都道府県職員へ消吏員及び消防団員と同様権限(公権力行使を伴う消防活動)の付与等が行われ、都道府県航空消防隊は、消防法上の消防隊として、市町村の消防支援を行うとされているところであります。防災航空室の隊員については、市町村消防本部からの派遣職員で構成され、その隊員の人件費を全道の市町村で負担されての隊編成をしているところでありますが、消防本部が派遣する隊員の人件費の捻出もさることながら、人件費に充てる負担金の支出については、道内各市町村の財政状況から考えると、負担は大きいです。
 
 このような状況の中、平成15年の組織法改正以降も体制の見直しが図られておらず、未だに道内各市町村から隊員を派遣してもらい、その人件費を市町村に負担を求めている体制でいいのか、疑問が残ります。
 
 道が主体性を持って人材育成、道の業務を行う人件費の負担をするべきではないかと思うところでありますが、今後の防災航空隊の編成と市町村負担についてどのように考え、どう取り組んでいくのか、お伺いを致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 防災航空室長
 
今後の防災航空隊の編成と市町村負担についてでありますが、
 
○ 消防事務につきましては、「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有する」という「市町村消防の原則」に立って運営されておりますが、平成15年6月の消防組織法の一部改正により、都道府県がヘリコプター等の航空機を用いて市町村からの要請に基づいて消防活動を行うことは、市町村への支援事務として法的に位置づけられたものと考えているところ。
 
○ 隊員の派遣については、発足当初から、市町村から派遣を受けている経緯があることや、母体となる消防組織を持たない北海道が小編成の部隊を維持していくことの困難性、自らの地域を自らの手で守るという観点などから、全道の消防本部から派遣していただくことが最善の方法であると考えているところ。
 
○ また、負担については、ヘリの年間運行経費である概ね4億円のうち、道に派遣されている消防職員の人権費である約6千万円について、派遣元の負担を分担していただくため全道の市町村に負担をお願いしているところ。
 
○ 今後とも、防災航空隊の編成と市町村負担については、消防事務を一義的に担う市町村と広域的課題への対応を担う通とが、それぞれの役割分担のもとで進めていくべきものと認識しているところ。

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一 航空消防防災体制について
(四) 今後の防災ヘリコプターの整備方針について

 国に於いては、平成元年3月に消防審議会から「消防におけるヘリコプターの活用とその整のあり方に関する答申」を受け平成5年3月に消防庁次長通知を出しております。
 
 答申に於いては、各都府県の区域に少なくとも、1機以上の配置を目標としており、北海道は面積が広大なため札幌市のほか3市に配備が示されております。その後、平成9年5月に策定された「北海道航空消防防災体制整備基本計画」においては、配備計画として、道央、道南、道東、道北の各圏域に配備することを目標とし、道央地域については、2機体制を維持する方針が示された。
 
 更に導入にあたっては、地形や気象等による飛行状況、緊急患者の緊急搬送の出動実績などを考慮し、道東地区に早期に導入することとされていたと聞いておりますが、その後の道財政上の都合などにより地域配備がなされていない状況にありますが、今後の防災ヘリコプターの導入を含めた整備方針について、どのような検討がなされているのかお伺いします。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 危機対策局長
 
今後の防災ヘリコプターの整備方針についてでありますが、
 
○ 平成9年に策定した「航空消防防災体制整備基本計画」においては、委員がご指摘のとおり、四つの圏域に配備することや、道央圏については、2機体制を維持することが示されたところでありますが、この計画を実行に移すため、平成10年に消防機関や市町村の代表者などからなる「航空消防防災体制検討協議会」を設けて、ヘリコプターの地域配備の時期や配置場所、経費負担など具体的な検討を行ってきたところ。
 
○ 平成15年5月にこの協議会から新たに市町村から隊員を確保することが難しい状況にあることや、道や市町村の財政状況も厳しいことから、早期の複数機体制は難しい状況にあり、ヘリコプターを保有している他機関との連携協力体制を検討する必要がある旨の報告がなされたところ。
 
○ 道においては、この報告を踏まえて、平成16年3月に航空機を保有する道警や隊など7機関で構成する「北海道航空消防防災関係機関協議会」を設置し、道ヘリが、出動中や整備点検中などに、市町村等から出動要請があった場合の他の機関による応援体制を確立したところであり、今後とも関係機関との連携強化を図りながら航空消防防災体制の充実に努めて参りたい。
 

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一 航空消防防災体制について
(五) 北海道消防防災ヘリコプターの管理運用について

 北海道の消防防災ヘリコプターの運用開始から遡ること5年、平成3年に札幌市が消防ヘリコプターを導入・運用開始しており、北海道の消防防災ヘリコプターが相互に協力して、全道の航空消防防災体制を担っている状況にあると認識致しております。
 
 しかしながら、ヘリコプターの運行には、相当の整備期間が付き物であり、常時飛行できる体制を維持するためには、複数の機体を保持しなければならないと聞いております。北海道消防防災ヘリコプターの管理・運用はどのようになっているのか、お伺い致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 防災航空室長
 
北海道消防防災ヘリコプターの管理運用についてでありますが、
 
○ 道の消防防災ヘリコプター「はまなす2号」は、札幌市内の丘珠空港を基地として、平成8年に運航を開始し、365日24時間体制で運航を行っているところ。
 
○ この「はななす2号」は、毎年の定期耐空検査やエンジンの4,000時間点検等に1ヶ月から3ヶ月の機体整備が必要であることから、札幌市を含めた航空機を保有する機関の応援を得て、通年運航に支障がないよう連携を図っているとともに、平成14年度からは期間を限定して、借上機の導入により、一層の体制強化を図っているところ。
 

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一 航空消防防災体制について
(六) 札幌市を含む関係機関との協力体制について

 北海道の計画においても、人口集中地域である道央地域を2機とされています。安全な生活を確保する防災ヘリコプターについては、一昨年度の知事評価においても、その必要性が認められ、事業の方向性としては「現状維持の継続」との評価でありますが、知事意見として「道内航空消防・防災体制の効率性、対応力を高める観点から、札幌市との連携方策について積極的に検討を進め、特に、共同運航について早急にその方向性を示すこと」になっております。
 
 道の防災ヘリと札幌市の消防ヘリの共同運航については、双方において、経費や運航管理について効率的に事務が進められると考えます。それには、北海道と札幌市の協力体制は不可欠であると考えます。この知事の意見後、連携方策や、共同運航についての方向性がどのようになっているのか、お伺い致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 危機対策局長
 
札幌市との協力体制についてでありますが、
 
○ 道といたしましては、昨今の厳しい自治体の財政状況の中で、本道の航空消防防災体制の一層の充実を図るためには、航空機を保有する北海道と札幌市とのこれまで以上の連携が必要と考え、平成18年度からは民間ヘリを共同で借上げを行うことにより、札幌市の通年運航を可能にするとともにお互いの経費の削減を図ったところ。
 
○ また、平成18年5月には、「北海道・札幌市ヘリコプター共同運航推進検討会」を設置し、協議を行っているところ。
 
○ これまでの協議では、ヘリの運航を行うパイロットや整備士を道は民間に委託し、札幌市は市職員であるなどの運航形態の違いや、道は24時間運航で対応しているのに対し、札幌市は原則として日中運航を基本とし、夜間の待機体制をとっていない実態にあるといった違いなど、共同運航を進める上での、様々な課題が明らかになっておりますが、引き続き協議を進めて参りたい。
 

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一 航空消防防災体制について
(七) 道警との連携について

 昨年度の知事評価において、「道警本部航空隊分遣隊の整備については、消防・防災業務においても活用する観点から、道の防災ヘリとの役割分担とその有効な活用について明らかにした上で、検討を進めること」になっていますが、どのような検討を行い、全道の航空体制についてどのように考えているのか、お伺い致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 危機対策局長
 
道警との連携についてでありますが、、
 
○ 道警は、道警本部航空隊分遣隊を新たに道東地区へ配備する検討を進めていることから、道に対し、防災ヘリとの役割分担について協議があったところ。
 
○ この協議において、道警本部航空隊分遣隊が道東地区に配備する場合には、道警の本来の業務に加えて、消防防災ヘリに準じた救急活動等を行ってもらうことの合意があったところ。
 
○ 全道の航空消防体制については、道警や自衛隊など航空機を保有する7機関との連携を図り、航空消防防災体制の一層の充実に努めて参りたい。
 

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一 航空消防防災体制について
(八) 札幌市との協議について

 国では、消防・防災ヘリコプターとドクターヘリコプターとの連携との協議が進んでおります。また、現在、政令定都市は、複数体制が進んでおりますが、仮に札幌市もそのような体制を整えた場合、広域的かつ緊密なシフトを布いて行かなければなりません。今から、札幌市消防局との活動区域など協議を始めなければならないと思うが、見解をお伺い致します。

 
所  管: 総務部 危機対策局 防災消防課
答弁者: 危機管理監
 
札幌市との協議についてでありますが、
 
○ 広大な面積を有する本道におきましては、大規模災害時への円滑な対応、救急患者の緊急搬送などに、消防防災ヘリコプターをかつようすることは、極めて有効であると考えているところ。
 
○ 札幌市とは、平成18年7月に「回転翼航空機の運航についての覚書」を交し道消防防災ヘリコプターが出動できないときには、札幌市ヘリコプターの出動を要請する仕組みや、借上ヘリの共同使用などで連携し、お互いに補完をおこなっているところ。
 
○ 消防防災ヘリについては、全国的にみても、府県と政令市とが緊密な連携や協力のもとで運行されている例が多いと承知しておりますが、その具体的な関係には、様々な形態があり、今後は、そうした他府県の例なども参考に検討を深めていく必要があると考えているところ。
 
○ 道といたしましては、本道の航空消防防災体制の充実強化を図るためには、札幌市との連携は大事だと思っており、一層の連携強化に向けて取り組んでまいりたいと考えている。
 

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