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議会報告 【予算特別委員会】 平成21年12月4日 「北海道の航空政策について」

金曜日, 12月 04, 2009

≪北海道の航空政策について≫   

 

 

一)国の航空政策について

(二)道内空港問題について  

 

平成21124

質問者:自民党・道民会議 千葉 英守

 

 

(一)国の航空政策について

1 日本航空に対する国の対策について

 

 最初に、航空政策について伺う。我が国の航空ネットワークを形成する上で重要な役割を果たしている日本航空の経営再建の問題について、国の再建対策が毎日のように報道がなされている。道は、日本航空と共同出資して設立した北海道エアシステム、HACの運営を行うとともに、僅かではあるが、日本航空の株主にもなっている。そこで、最初に、国主導で進められている日本航空の経営再建について、道として、どのような見解を持っているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

日本航空の経営再建に対する国の対応についてでありますが、

 

○ 国においては、日本航空が、我が国最大の航空運送事業者として、極めて大きな公共的責任を担う事業を行っており、また、航空運送事業は、我が国の今後の成長戦略においても重要な戦略産業であることから、日本航空の経営再建は、重大な国益や公益に関わるとの判断の下、日本航空の事業再生に対応されているものと認識しております。

 

○ こうした中、道としては、日本航空の事業再生に伴い、地方路線の休止・減便がなされるようなことになれば、道民生活や観光振興など、地域経済に甚大な影響を及ぼすことが懸念されることから引き続き、国に対し、地方路線の維持・確保のための措置を講じることを働きかけてまいりたい。

 

 

 2 国への要望について

  

 去る9月に日本航空からHACの運営見直しについての申し入れがなされてから、3か月が経過しようとしている。道内航空ネットワークの中核を担う北海道エアシステム(HAC)の安定的な運営や道内空港と道外を結ぶ航空路線の維持・存続のためには、現在、国の指導・監督下で再生手続きを進めている日本航空(JAL)の経営再建問題の解決が必要であることから、国に対して、この問題の早期解決を強く要望していくべきであると考えるが、見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

日本航空の経営再建に係る国への働きかけなどについてでありますが、

 

○ 現在、実質的に国の管理の下で日本航空の経営再建が進められていることから、道においては、HACが日本航空のグループ関連子会社として、今後も安定的な事業運営が継続できるよう、日本航空から申し入れのあった運営見直しの再検討や離島路線を含めた本道の航空路線の維持・確保について日本航空を強力に指導していただくよう、1013日には、知事が国土交通大臣に対して要請するなど、国に対して働きかけてきているところ。 

 

○ 現在、日本航空においては、企業再生支援機構の主導のもとで、事業再生手続きが進められているところであるが、道としては、丘珠空港をはじめとする本道の航空を取り巻く情勢が極めて切迫しているとの認識の下、日本航空の再生手続きが円滑に進められ、早期に日本航空の経営再建の道筋が明らかにされるよう知事による直接要請も含め、国に強く働きかけてまいりたいと考えている。

 

  

(二)道内空港問題について 

1 国際航空路線について 

(1)運休路線の再開に向けた道の取組などについて

 

 本道の航空路線は、現在国際線で12路線が運航されている。新規路線の開設は航空会社の経営戦略で決まる場合や、道はじめ道内自治体、経済団体などの誘致運動で決まる場合もあると思う。残念ながら、現在運休中の路線や近く廃止や縮小も見込まれる路線もありますが、本道経済の活性化には、路線の維持・拡大は重要なことである。そこで伺いますが、現在国際線で運休している4路線の運休にいたるまでの経緯と運航再開に向けた道の取組、さらには今後の見通しと、運休による影響はどの様なものであるのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事  

 

運休路線の再開に向けた道の取組などについてでありますが、  

 

○ 新千歳空港の国際定期路線については、米国同時多発テロやイラク戦争等の影響による 国際旅客需要の低迷や航空会社の経営状況の悪化等を理由に平成142月にKLMオランダ航空の「札幌-アムステルダム」線が、また、平成1510月にJALウェイズの「札幌-ホノルル」線が休止されたところ。

 

○ また、平成199月に中国南方航空の「札幌一瀋陽」線が、大連線及び北京線の開設に伴う搭乗率の低迷などを理由に、また、平成19年の冬期から、カンタス航空の「札幌-ケアンズ」線が、燃油高騰や航空機の機材繰り等を理由に休止されたところ。

 

○ これらの路線の運休により、国際線を利用する方々の利便性が低下するとともに道内を訪れる外国人観光客の減少などにより、本道経済、とりわけ観光振興などの面で少なからず影響があったものと考えている。 

 

○ この間、知事や道の幹部が航空会社の本社や日本支社を訪問し、路線の再開を働きかけてきたところであるが、現在の航空業界を取り巻く状況は大変厳しいものがあり、現時点で、これらの運休路線の再開に向けた具体的な動きは見られませんが、今後とも、各航空会社の動向についての情報収集に努めるとともに随時、航空会社の本社や日本支社を訪問するなど路線の再開に向けた取組を粘り強く行ってまいりたい。

 

 

(2)国際航空路線の運航状況について 

 

 現在開設されている路線のうち、今後も利用者の増加が期待される路線と利用者が減少傾向にある路線の状況を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

国際航空路線の状況などについてでありますが、  

 

○ まず、新千歳空港の国際線利用者数については、平成20年には約80万人に達し、ここ5年間で50%増加するなど、全体としては右肩上がりで増加してきており、中でも近年は、中国路線や香港路線の利用者の増加が顕著となっている。  

 

○ 一方、昨年後半からの景気後退や円高の影響により、台湾路線や韓国路線などの利用者数が大きく減少しているところ。  

 

○ また、新千歳空港以外の道内空港の国際線利用者は概ね減少傾向にあり、特に、旭川-ソウル線、函館-サハリン線は円高による影響やサハリンⅡプロジェクトの終了に伴う旅客需要の減少により、利用者数が大幅に減少したところであるが、今年に入って、一部回復傾向も見られるところ。  

 

○ なお、今後、利用者の増加が期待される路線としては、昨年、道東を舞台とした映画がヒットし、中国国内で、北海道への関心が高まっていることや、中国人観光客向けの個人観光ビザの発給が本年7月から開始されたこと、更には、来年5月から上海万博が開催されることなどにより中国路線の利用者増が見込まれているところ。

 

  

(3)国際航空路線の利用促進について  

 

 平成20年度の国際線利用状況を見ると、乗客数に占める道民の割合は、定期便で24.3%、チャーター便では5.7%にすぎない。先日、台北の札幌事務所の開所式でも、台湾側から、年間30万人近くの方々が来道しているが、台湾を訪れる道民は3万人しかおらず、たくさんの訪問を期待するとの挨拶があった。路線の維持には、道民の利用を促進することが有効であることは疑う余地はない。観光振興の視点だけで施策を検討すると道外客の誘致に限定されてしまうが、経済交流は、互いが、ウィンウィンの図式でなければ成り立たないと考える。 そこで提案ですが、乗客数が多い割に道民の利用数が少ない台湾・香港線を対象に道民モニターとして募集する方式で運賃助成などを行い、道民の国内線利用者の増を図ることを検討すべきと考えますが、見解を伺います。  

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

道民の国際線利用の促進についてでありますが、  

 

○ 昨今の国際航空路線を取り巻く厳しい状況を踏まえ、国際航空路線の安定的な就航のためには双方向の旅客需要の確保が必要不可欠と考えている。

 

○ そのため、道においてはこれまで東アジア地域など、ターゲットを絞った観光客の誘致や、道産品の販路拡大による経済交流の拡大などに取り組むとともに、道内経済界や各国政府観光局、航空会社、旅行会社などと連携しながら、道民の方々を対象として海外旅行フェアの開催やFM番組を活用した海外旅行のPRなどの「海外旅行促進キャンペーン」を毎年度実施するなど、道民の方々の国際線利用の促進に取り組んできたところ。  

 

○ しかしながら、道民の皆様の海外旅行はここ数年減少傾向にあるなど、停滞している実態にあり、道民の国際線利用を拡大していくためには、経済界や各国政府観光局など関係者がこれまで以上に連携を深め、一体とかつて取り組むことが重要と考えており、これら関係団体等で構成する「北海道海外旅行促進事業実行委員会」と密接に連携し、需要開発セミナーや海外教育旅行セミナーなどを効果的に実施するとともに、ご提案の趣旨なども参考とさせていただきながら、道内からの海外旅行需要の一層の創出に取り組んでまいりたい。  

 

 

2 道内空港活性化ビジョンの原案について 

 

 今回、「(仮称)道内空港活性化ビジョン」の原案が取りまとめられたが、その中を見ると農道空港・ヘリポートの位置付けやその活用方策が入っていない。農道空港などは、農業利用といった本来の活用があまりなされていないのが現実であり、こうした空港を活用して新たに人や物などの輸送を図り、他の空港とネットワーク形成を進めることが必要ではないか。また、道では、交通ネットワークは総合政策部、ヘリポートは建設部、農道空港は農政部といったばらばらの所管となっているが、今回のビジョン原案に示す空港だけでなく、農道空港、ヘリポートなども、道内空港活性化ビジョンに位置づける必要もあると考えるが所見を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事  

 

道内空港活性化ビジョンについてでありますが、  

 

○ 道内空港活性化ビジョンは、本道における航空輸送の果たしている役割の重要性に鑑み、本道及び地域の活性化を一層推進していくため、空港関係者や地域の方々が本道の航空ネットワーク及び道内空港の将来展望を共有し、これまで以上に一体となった取組を進めていくための指針として策定を進めているもの。  

 

○ 農道空港及びヘリポートについては、現在、旅客や貨物の航空輸送の用途での利用は極めて少なく、遊覧飛行、測量、救難、イベントなどの用途に利用されているものと認識しており、現時点では、人と物の交流と安全・安心な暮らしを支える航空ネットワークの実現などを目指すことを主な内容とする道内空港活性化ビジョンの対象とすることについては、なお検討しなければならないものと考えている。  

 

○ 一方で、当部としては、既存ストックの有効活用という観点から農道空港及びヘリポートの活用を一層推進していくことは重要であると考えているところであり、旅客や貨物の航空輸送の用途での活用の可能性を含め、その推進方策について、所管部と協議するとともに、地域のご意見を伺ってまいりたいと考えている。

 

 

3 丘珠空港について

(1)丘珠空港ビルヘの全日空の出資について

 

 A-net丘株空港路線の新千歳空港への移転によって、札幌市や道、さらには全日空グループも出資する札幌丘珠空港ビル()の経営が厳しくなることは明らかである。現在、同社の出資比率の内訳はどうなっているのか、また、全日空グループの保有する株式については、A-net撤退後、どのような扱いとなるのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

札幌丘珠空港ビル株式会社の出資状況などについてでありますが、

 

○ 札幌丘株空港ビル株式会社の資本総額49,800万円のうち、札幌市が約26%を出資し、筆頭株主となっており、続いて、全日空グループのエアーニッポン株式会社が約25%、道と日本政策投資銀行が約13%、そのほか、札幌商工会議所、北洋銀行、北海道銀行、北海道電力、北海道瓦斯が出資しているところ。  

 

○ また、エアーニッポンの保有する株式については、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約化の方針を受け入れるに当たって、道から、全日空に対して、今後の札幌丘珠空港ビル株式会社の経営に支障が生じることがないよう、これまでどおり保有することを申し入れており、全日空からは、保有を続けるとの回答を得ているところ。

 

  

(2)今後の丘珠空港ビルの経営について 

 

 また、A-netの移転によって、丘珠空港ビルではA-netからの賃料等の収入が見込めなくなることから、同社の経営が悪化することは必至である。今後、同社の経営継続のために、道としてどのように取り組んで行く考えなのか、また、丘珠空港路線を1社で運航することになるHAC賃料等の経費負担への影響について、どのように考えているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

今後の丘珠空港ビルの経営などについてでありますが、

 

○ 札幌丘株空港ビル株式会社の収入のうち、A-netからの賃料等の収入が6割以上を占めており、A-netの新千歳空港への移転によって、同社の経営に多大な影響かあるほか、これまでHACA-net2社で負担してきた空港ビルの共用施設使用料をHAC1社で負担することになることから、HACの運営にも大きな影響が及ぶものと考えている。

 

○ このため、道としては、これまでも、空港ビル会社の今後の経営のあり方について同社や筆頭株主である札幌市との間で、協議を進めてきたところであるが、今後とも、こうした札幌市との協議や取締役会での議論などを通じ、空港ビル会社の円滑な運営が図られるよう努めてまいりたい。

 

 

(3)丘珠空港への交通アクセスについて 

 

 次に、札幌市内・丘珠空港間のアクセスについてである。丘珠空港利用者の声として、札幌市内から丘珠空港へのアクセスが悪いということをよく耳にするが、この問題に対して、これまで道と札幌市との間でどのような協議がなされているのか、また、今後どのように改善されていくのか伺う。

 

所 管 : 総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 空港活性化推進室参事

 

丘珠空港への交通アクセスについてでありますが、

 

○ 本年3月に、道、空港所在の市や町、経済界で構成する「北海道地域航空推進協議会」が取りまとめた道内航空路線のアンケート調査において、利用者からは、札幌市内から丘珠空港への交通アクセスの改善を望む意見も寄せられているところ。

 

○ こうした状況を踏まえ、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約化に係る協議を行うために開催した、「丘珠空港発着路線に関する協議会」において、札幌市からは、丘珠空港の利用者利便の向上策として、空港と地下鉄駅間における乗り合いタクシーの試験運行などの提案がなされているところであり、また、これまで数回開催した道と市の事務ベースの打合せにおいても、交通アクセスの重要性を確認しているところ。

 

○ 道としては、交通アクセスの改善など、利用者の利便性が高まる方策の検討について 札幌市との協議を加速してまいりたいと考えている。  

 

 

(4)丘珠空港のジェット化について  

 

 一部の新聞報道で、丘珠空港のジェット化について取り上げられていたが、丘珠空港は将来、運航機材の関係等から、たとえ滑走路の延長が必要になったとしても、私は住民との合意事項を尊重して、丘珠空港はプロペラ機の運航に限定し、ジェット化すべきではないと考える。現在検討中の「道内空港活性化ビジョン」にもそうした考えを明確に示すべきと思うが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

丘珠空港のジェット化についてでありますが、

 

○ 丘珠空港については、平成4年以降、道と札幌市がジェット化に向けた検討を進め、その実現を国に対し要請したところであるが、国からは、道央圈における2つのジェット化空港の必要性や空港周辺の市街化の状況などから、必ずしもジェット化の必要性はないという考え方が示され、平成8年に、道と市は最終的にジェット化を断念することとなり、平成10年に、プロペラ機の安定運航を確保するための滑走路の100m延長などを進めることとなった経緯があるところ。

 

○ また、丘珠空港の整備にあたっては、札幌市が主体となって空港周辺住民の方々に対して、将来の丘珠空港のあり方を示し、住民の方々のご理解を得た上で進められてきたものであることから、改めて、丘珠空港のジェット化を検討する場合には、札幌市の意向を尊重することが大切であると考えている。

 

○ いずれにしても、丘珠空港のジェット化の問題は、空港の将来に向けて極めて重要な課題であることから、現在進めている札幌市との丘珠空港やHAC問題に関する意見交換の場において、十分に協議を行ってまいりたいと考えている。

 

○ なお、「道内空港活性化ビジョン」における取扱については、こうした札幌市との協議を踏まえ、検討してまいりたい。

 

 

4 HACについて

(1)HACの丘珠空港への集約について

  

 次に、HACの運営について伺う。丘珠空港は、札幌と道内各地を、片道1時間、札幌駅までの所要時間を含めて1時間30分、料金も1万円程度で、しかもJR並のダイヤで結べるならば、利用者ことって十分魅力ある空港となると考える。HACは、現在、丘珠空港発着路線として釧路・函館の2路線5便、新千歳空港発着路線として釧路線の5便を運航している。これまで我が党から質問してきた今後の丘珠空港の位置づけなどについて、道は、「丘珠空港は、道内航空ネットワークの拠点空港」として、さらに「HACについては、その存続に向けて全力で取り組む」と答弁してきた。 A-netの丘珠空港発着路線の新千歳空港への移転が現実のものとなった以上、もはや、丘珠空港やHACを存続させていくためには、HAC路線を丘珠空港に集約させるべきと考えるが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HAC路線の丘珠空港への集約についてでありますが、

 

○ HACは、離島の振興をはじめ、道民生活や観光の振興、地域経済の活性化に大きく貢献しており、今後とも、道内航空ネットワークの中核を担う航空会社として存続させていくことが極めて重要であるが、一方で、平成17年度から4期連続で赤字となるなど厳しい経営環境にあり、収益を確保できる企業体質への改善が急務となっている。 

 

○ 道としては、今後、HACが丘珠空港を拠点として運航していくためには、これまで2社で負担していた丘珠空港ビルの使用料をHACが単独で負担することに伴う経営への影響や、丘珠空港への交通アクセスの確保などといった課題が解決される必要があると考えておりますが、A-netの丘珠空港路線の新千歳空港への集約によって新千歳・釧路間の路線において、HAC路線とA-net路線が競合することになることや、HACの運航拠点を丘珠空港に集約化することによるコスト削減効果も期待されることなどから、今後の丘珠空港における民間航空機の運航の維持や、HACの安定的な事業経営の継続を因っていく上で、HACの路線を丘珠空港に集約するメリットは大きいものと考えておりますが、札幌市など関係者との調整をしっかりと進めてまいりたい。

 

 

(2)HACの経営について  

 

 丘珠空港については、私は、先の第3回定例議会でも、HACの丘珠空港への集約化を提案するとともに、HACが公共交通機関として自立できる体制づくりを行って行くためには、北・東北までのエリアを対象にした道外便を開設し、収益を確保していくことを検計すべきと考えているが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 新幹線・交通企画局長

 

HAC経営の安定化に向けた路線展開についてでありますが、

 

○ 今後もHACが安定的な事業運営を継続していくためには、収益を確保できる企業体質への改善が急務となっております。

 

○ このため、道としては、地域と連携した一層の利用促進や、旅客需要の拡大による収入の増加、運営コストの削減などの取組とあわせて、収益を確保できる路線展開を進めていくことが極めて重要であると考えていることから、ご指摘の道外便の可能性なども含め、HAC運営の抜本的な改善に向けて、国や札幌市をはじめ、関係機関との調整を行ってまいりたいと考えている。

 

 

(3)HACの増機について 

 

 道は、HACを存続させるというのであれば、現行の3機体制では、便数や収益にも限界があることから、今後、HACの機材を増やし、路線・便数を拡大させ、利便性の向上を図るという意思表示をすべきと考えるが、道の見解を伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HACの機材についてでありますが、

 

○ HACは、平成11年から3機体制の下、現在では6路線13便を運航しているが、将来にわたって、多くの道民の方々の利便性を確保しつつ、安定的な事業運営を継続していくためには、機材を増やし、効率的で収益の上がる路線及び便数を確保していくことが重要であると考えている。

 

○ 一方、HACの現行機材がいずれ使用期限を迎え、機材更新の問題は、避けて通れない課題であると認識しており、その検討に当たっては、

・現在使用しているサーブは、製造中止となっているが、経年機(中古機)の購入が可能かどうか 

・経年機を購入する場合とサーブ以外の新しい機材を導入する場合の整備面も含めたコスト比較 

・新しい機材を導入する場合の運航安全面の手続きや乗務員等の養成・確保など、 

多角的な検討が必要であると認識している。

 

○ こうしたことから、道としては、今後のHACの経営のあり方や路線展開などを総合的に勘案しながら、機材の増加について中長期的な視点からも検討してまいりたい。  

 

 

()HACの株主構成について  

 

 HACの運営について、日本航空から、HACの持ち株比率を現行の51%から15%未満に引き下げ、HACの経営から退きたいとの申し入れがされている。道としては、日本航空の持ち株比率の引き下げに伴う株式の譲渡先をどのように考えているのか。また、その場合、経営主体はどうなると考えているのか伺う。

 

所 管 :  総合政策部新幹線・交通企画局空港活性化推進室参事(航空)

答弁者 : 総合政策部長

 

HACの経営体制についてでありますが、

 

○ 去る9月に、HACの筆頭株主である日本航空から、道に対し、同社のHACに対する出資比率を、現在の51%から15%未満に引き下げ、 新しい経営体制に移行すべく早急に協議したいとの申し入れがあり、出資比率の引き下げに伴う株式の譲渡先については、地元自治体等への売却を想定している旨の説明があったところ。

 

○ これに対し道としては、日本航空からの申し入れについて、離島路線を含む道内の航空路線の維持・存続の観点から、強く再考を求めてきているところ。

 

○ そうした中、日本航空においては、10月末から企業再生支援機構の主導の下で、再生計画の策定が進められており、年度内には、再生計画が策定されると聞いているところでありますことから、こうした状況を見極めながら、今後のHACの経営体制のおり方についての道としての方針をできるだけ早期に、お示しできるよう、取り組んでまいりたい。

 

 

 


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議会報告 【食と観光対策特別委員会】 平成21年5月13日 「株式会社エアーニッポンネットワーク(A-net)の丘珠空港発着路線の新千歳空港集約化について」

水曜日, 5月 13, 2009

《 株式会社エアーニッポンネットワーク(A-net)の

丘珠空港発着路線の新千歳空港集約化について 》

 

(一) これまでの経緯と道の対応について

(二) 観光目的での利用について

(三) 集約化の理由について

(四) 札幌市の基本的な考え方について

(五) 札幌市の利用促進に向けた取り組みについて

(六) 今後の道の対応について 

平成21年5月13日

質問者: 自民党・道民会議 千葉 英守

   

(一) これまでの経緯と道の対応について

 このたび、全日本空輸株式会社(全日空)が、子会社のA-netの運行する丘珠空港発着路線全便を新千歳空港に集約化する意向であることが明らかになったが、このことに関するこれまでの敬意と道の対応について問う。

 

所 管 経済部観光局

答弁者 経済部観光局参事

 

これまでの敬意と道の対応についてでありますが

○ 現在、A-netは、丘珠空港から稚内、女満別、中標津、釧路、函館の道内5空港に合計で1日14往復を運行しているところであるが、3月下旬に、全日空から道及び札幌市に対して、「正式決定ではないが、昨今の厳しい経営状況から、丘珠空港発着路線全便を新千歳空港に集約化することを検討しなければならないと考えている」旨の情報があった。

○ その後、4月16日に、全日空の担当役員から道に対し、改めて検討内容の説明があり、副知事からは、「道民の利便性への影響などが大きいことから、時間をかけて地域との話し合いを進める」ことを文書で要請を行った。

○ また、道としては、札幌市のほか丘珠空港発着路線の就航先である地域の意向を把握した上で、全日空からの説明に対する今後の対応方針を固めていく必要があると考え、4月23日に、道と関係市町による意見交換会を開催したところ。

○ この意見交換会では、各市町からは、丘珠空港発着路線の維持を望む意見が多く、また、新千歳空港への集約化に明確に賛成する意見はなかったことから、北海道の総意として、全日空に対して再考を求めることを主な内容とする「道の基本的な考え方」を示し、現在、各地域の意向の把握に努めているところである。

 

(二) 観光目的での利用について

 丘珠空港発着路線はビジネス目的での利用が大半であると報道されているところ。しかし、まで以上に丘珠空港の利用促進を図っていくためには、観光目的での利用を増やすことが必要と考えるが、所見を伺う。

  

所 管 経済部観光局

答弁者 経済部観光局長

 

観光目的での利用促進についてでありますが

○ 道内における観光目的で利用する交通手段のほとんどは、自家用車をはじめ観光バスや鉄道など陸路での移動しゅだんで占められており、道内空港の活性化を図るためには、観光目的での利用促進が有効な方策の一つであると認識。

○ 特に、道内空港ネットワークの中核である丘珠空港は、札幌市の都心部に近いことや人口の集積などから観光目的での利用促進の効果が期待されるところ。

○ 本年度、本道の観光入込客数の約85パーセントを占める道民の道内旅行を喚起するため、道内宿泊旅行の誘発やリピーター客の確保を狙った「もうひと旅キャンペーン」の実施など、道民道内旅行促進キャンペーンを展開することとしており、この事業により、一人でも多くの道民が道内旅行を誘発され、丘珠空港の利用機会が少しでも増えることを期待しているところ。

 

(三) 集約化の理由について 

 全日空では、新千歳空港への集約化への理由として、現在利用している機材の更新を見据えると丘珠空港を発着できる後継機を所有していないこと、また、世界的な景気後退により極めて厳しいい経営状況から抜本的なコスト削減に早急に取り組む必要があることなどが挙げられているが、これだけで十分な説明になっているか疑問である。さらに詳細かつ具体的な説明を求めていくべきではないか。

 

所 管 経済部観光局 

答弁者  経済部観光局参事

 

集約化の理由についてでありますが 

○ 全日空は、現在使用している機材が製造中止となっており、丘珠空港を発着できる後継機を有していないことや、最近の世界的な景気後退により厳しい経営状況にあり、全日空グループ全体で数百億円規模でのコスト削減に取り組むことが必要であることなどを今回の路線集約の理由としておりますが、現在の機材の使用可能年数や機材更新の考え方、丘珠空港発着路線の収支状況などについては、これまで必ずし明らかにされていない。 

○ 道としては、今後、全日空との協議を進める中で、全日空が集約化の理由とする事項について、よりしょうさいかつ具体的な説明を求めてまいりたいと考えている。

  

(四) 札幌市の基本的な考え方について 

 今回のA-netの新千歳空港への集約化に札幌市の基本的な考え方を問う。 

 

所 管 経済部観光局 

答弁者 経済部観光局参事

 

札幌市の基本的な考え方についてでありますが 

○ 市に確認した内容を申し上げますと、札幌市では、丘珠空港を同市と道内5と結ぶ拠点空港として位置付け、国や道との役割分担のもと、空港周辺の環境整備や住民理解の促進に多大な労力と市費を投じてきている。 

○ そうした中、次のA-netの丘珠路線からの全面撤退は、年間40万人におよぶ利用者のみならず、同社の丘珠空港における運行に積極的に支援・協力してきた数多くの関係機関や周辺住民の期待を大きく裏切るとともに、極めて深刻な問題だと捉えている。 

○ こうしたことから、札幌市では、丘珠空港が200万人の人口を擁する大都市内に位置する非常に利便性の高い空港として、将来ともに道内路線のハブ機能を維持・促進させることが不可欠との立場から、新千歳空港との機能分担を図りつつ、丘珠空港における全路線が存続・維持されるよう、北海道をはじめ地元経済団体や関係機関との連携のもと、全日空に対して、路線存続を強く働きかけていくとともに、丘珠5路線のさらなる利用促進策を検討していくものと伺っている。

 

(五) 札幌市の利用促進に向けた取り組みについて 

 丘珠空港の利用促進のためには、札幌市と就航先である5市町との緊密な連携が不可欠であると考えるが、札幌市では、過去6年間、丘珠空港の利用促進に関してどのような需要喚起を講じてきたのか問う。

 

所 管 経済部観光局 

答弁者 経済部観光局参事

 

札幌市の利用促進に向けた取り組みについてでありますが 

○札幌市に確認した内容を申し上げますと、札幌市では、平成16年3月の滑走路の整備以降、同市が出資する三セクである札幌丘珠空港ビル株式会社と協働のもと、チャーター便の運航、利用促進に向けた各種イベントの開催、ボランティア説明員の導入など、空港利用の促進や搭乗率の向上を目的に、様々な事業を展開してきているとのことである。 

○ また、空港が地域と調和し十分な機能を発揮できるように、空港周辺の住民のコンセンサスのもと、「丘珠空港周辺のまちづくり構想」に基づき、緩衝緑地の整備を始めとした空港周辺の環境整備を、多額の市費を投入しつつ、計画的に進めてきていると伺っているところ。 

○ 加えて、丘珠路線の就航先5都市との連携のもと、ビジネス利用のみならず、観光交流の促進も視野に入れた需要喚起策につき、すでに具体的な検討を開始していると聞いているところ。

 

(六) 今後の道の対応について 

 新千歳空港への集約化によって、様々な影響が懸念されるところであることから、道として、全日空からの申し入れに対して、今後どのように対応していくのか伺う。

 

所 管 経済部観光局 

答弁者 経済部参事監

 

今後の道の対応についてでありますが 

○ 道としては、千歳空港への集約化によって、丘珠空港利用者の利便性の低下や地域経済への影響が懸念されるものと考えている。 

○ このため、全日空に対しては、 

 1 A-netの丘珠空港発着路線の新千歳空港への集約化について再考を求めること

 2再考に当たっては地域と十分な時間をかけて協議を行うことまた、国に対しては、

  ①丘珠空港が引き続き道内航空ネットワークの中核としての役割を果たすことができるよう務めること

  ②全日空と地域との間で十分な時間をかけて協議がなされるよう全日空に働きかけること

を要請することを主な内容とする「道の基本的な考え方」を関係市町に対してお示しし、現在、各地域の意向の把握に努めているところである。

○ 道としては、今後、最終的な意向を確認後、直ちに対応方針を固めた上で、早急に、全日空及び国に対して要請活動を行ってまいる考え。


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議会報告 【平成21年第1回北海道議会定例会】 平成21年3月25日 予算委員会(経済審査) 「中国との経済交流について」

水曜日, 3月 25, 2009

《 中国との経済交流について 》

 

平成21年3月25日

質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

  

(一) 海外への販路拡大について

 

 中国は、東アジアの中でも特に経済成長が著しく、昨年開催のオリンピック、さらには2010年の上海万博と、世界的なイベントが開催され、一層の国民の生活水準向上が期待される。道は、中国をどのように位置づけ、海外への販路拡大に取り組んでいるのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商工局長

 

海外販路における中国の位置づけなどについてでありますが

○ 中国は、急速な市場経済化の進展する中、GDPの伸び率も10パーセント前後で推移するなど、経済成長が著しく、高所得者層も急速に拡大しており、道産品の販路拡大や、観光客誘致の観点から、東アジア地域の中で最も重要な地域と認識しているところ。

  

○ このため、所得水準の高い沿岸部の中心都市である上海や、友好提携などでつながりの深く、中央政府の振興計画が策定され今後の成長が期待される東北地方などをターゲットとして、フードビジネスミッションの派遣、商談会の開催、国際見本市への出展などの取組を進めてきたところ。

  

○ また、オリンピック開催を契機として、大きく発展し、道産品の販路拡大や観光客誘致が期待できる北京においても物産展を開催するとともに、観光プロモーション活動を行うなど、今後、積極的な取組を広げていく地域として考えているところ。

 

(二) 東北三省との経済交流実績について

1 東北三省との経済交流について

 道は、平成元年に東北三省との経済交流の覚書を締結し、交流を続けているが、この間の実績と、今後の展開について、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 

東北三省との交流実績などにについてでありますが

○ 1986年の黒龍江省との友好交流提携をひとつの契機として道においては、平成元年に気候風土の類似した東北三省と経済交流の覚書を締結し、職員の受入れのほか、相互に経済調査団の派遣・受入れを行うなど経済交流に取り組んできたところ。

 

○ 東北地域でも経済発展が加速してきた平成12年以降は、企業訪問などに加え、現地企業との商談会の開催や見本市へ出展してきており、魚肉などの原材料や金属製品などの輸入取引を開始した企業や、現地法人を設立し、ビジネスに着手した住宅メーカー、さらには工場廃水処理業務を開始した企業などの事例も出てきているところ。

 

○ 今後は、優位性のある「食」分野や住宅産業分野、環境関連分野などを中心に中国側のニーズも勘案してビジネスマッチング機会が充実するよう経済団体や金融機関とも連携して、経済交流の拡大に努めてまいる考え。

 

2 上海での物産展について

 東北三省との交流に引き続き、平成16年度、初めて上海で物産展を開催し、今年度まで継続してきているが、この物産展での販売額の推移について伺う。また、これまでの実績を踏まえ、今後、どう展開しようとしているのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 

上海での物産展の実績などについてでありますが

○ 上海においては、当初の商品説明会から、物産展やアンテナコーナーの設置など様々な形式でテストマーケットも兼ね販路拡大策等に取り組んできたところ。

 

○ そのうち、いわゆる物産展としての売上額は、第1回目の平成16年度が83万円、平成17年度が230万円、平成18年度が260万円、平成19年度からは会場・会期を分散して2箇所での開催となり、920万円、平成20年度は、会場側の都合などにより開催期間を短縮したことなどの影響で売上が780万円となっているところ。

 

○ こうした物産展の開催などを通じ、現地企業や道内企業の中には、常設の売場を確保する動きも出てきており、上海における安全・安心で高品質の道産品は着実に浸透していると受け止めているところ。

 

○ 道としては、こうした動きがさらに増えるよう国際ビジネスセンターによるビジネスマッチングなどにより支援するとともに、道内企業等が確保した常設売場なども活用して事業展開の拡大を図るなど、今後とも、中国最大のマーケットである上海において、道産品の販路拡大に取り組んで参る考え。

 

(三) 中国政府等の要人との関係について

 

 上海に続き、道は今年度、北京での物産展の他、中央政府等の要人との会談を行ったが、どのような成果が得られたのか、また、今後、どう展開しようとしているのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  経済部長

 

○ 安全・安心な北海道ブランドを確立し、道産品の販売拡大をするため、北京では初めて7日間、物産展を開催するとともに、中国政府等の要人と会談し、貿易・投資交流の拡大や、観光客誘致に向けた航空路線の増便などについて、トップセールスを行ったところ。

 

○ 今回の訪問により、道産品のPRや観光プロモーションはもとより、政府関係機関等の要人との間に人脈の形成や相互理解が深まるなど、今後の交流を進めていく上での基礎を築くことができたものと考えているところ。

 

○ 今後は、こうした成果等を踏まえ、関係機関と連携を一層密にして、ビジネスマッチングの充実や新たな流通ルートの開拓などによる販路拡大や観光客誘致の促進、さらには、こうした取組を進めるため北京における情報拠点の整備などを通して、経済交流の一層の拡大を図ってまいる考え。

 

(四) 中国における販路拡大戦略について

東北三省、上海、北京と財政的にも人的にも十分でない状況でないか、ピンポイントの戦略でなければ中国はあまりにも広大であり、成功しないのではないかと危惧している。道は、中国において、どのような戦略により、販路拡大を進めようとしているのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商工局長

 

販路拡大の戦略についてでありますが

○ (委員長ご指摘のとおり)中国は、地域によって気候風土をはじめ、経済発展の状況や所得階層、住民の嗜好なども異なっており、道産品の販路開拓にあたっても、マーケットニーズに合わせた取組が必要であると考えているところ。

 

○ このため、北海道とつながりも深く、道内企業が数多く進出している東北三省、経済発展が続き所得の伸びも高い上海、さらにはオリンピックなどにより、一層の発展が見込まれる北京などをターゲットとして、道内の金融機関などのネットワークを活用して物産展の開催などに取り組んできたところ。

 

○ 今後、所得水準の高い上海や北京など大都市での物産展の開催やアンテナコーナーの設置による製品のPRの他、バイヤーなど業界関係者向けの商談会の開催や商社等流通ルートの新規開拓、さらに、北京での情報拠点の検討を行うとともに、輸出希望産品の現地流通関係者への商品提案やそうした産品に関してアドバイスを受ける機会の創出などマーケティング活動においても、きめ細かな取組を展開してまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

1 これまでの状況と今後のあり方について

 

 中国への販売拡大を図っていくうえにおいては、情報の収集は欠かせない。

 道は、これまで道銀、北洋銀行を通じて上海、大連、更に海外貿易協力委員を上海、北京、深センに配置しているが、どのように情報収集を図ってきたのか、また、今後どのように情報収集を強化していくのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 

中国での情報収集についてでありますが

○ 道産品の販売拡大を図る上で、法や税制度、商慣習の違い、知的財産権などの広範な情報は重要なことでありますことから、ジェトロを通じた情報の把握をはじめ、金融機関に派遣している職員から得られた現地の情報などをレポートとしてとりまとめ、インターネットによって配信するほか、海外貿易協力員が帰国の際に後援の機会を設けるとともに、物産展等の中国側の窓口となった商社関係者や包括提携関係者等によるセミナーの開催などを通して、事情の収集・提携に努めてきたところ。

 

○ 今後は、こうした取組に加え、海外貿易協力員を拡充するとともに、今回締結された北海道国際ビジネスセンターと中国国際貿易推進委員会との連携協力の覚書に基づき、情報の交換や信頼できる取引先の紹介等を行うなどして、現地の最新事情の収集活動の充実に努めてまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

 (1-再) 道職員による情報収集について

 最近の中国における行政機関の職員に対する取扱いを見れば、金融機関に籍を置きながら行政機関としての活動をすることを認めない方針となっていると承知しているが、十分な情報収集ができると考えているのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 派遣職員による情報収集についてでありますが

 

○ 上海では、本年1月、外資系金融機関に対し、「監督・管理要求の更なる明確化に関する通知」がなされ、駐在員事務所の職員は、他の機関との兼職ができないことが明確化されたところ。

 

○ この結果、上海の金融機関に派遣されている道職員が、公務員として活動することには一定の制約がありますが、派遣元の金融機関の協力のもと、状況に応じて、道からの派遣であることを先方に伝えて行動することなどにより、情報収集にあたっているところ。

 

○ 大連においては、このような通知は出されていないものの、今後、監督官庁の動向を注視しながら、職員が円滑に情報の収集にあたることができるよう務めてまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

 (1-再々-1) 道派遣職員の業務の影響について

 金融当局の通知によると、今後、道からの派遣職員の業務に支障が出るのではないかと危惧するが、対応を伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事  

 

派遣職員の業務の影響についてでありますが

○ (先ほども答弁したとおり)上海の金融当局からの通知によると、駐在員事務所の職員は、他の機関との兼職ができないこととなっており、道職員としての活動などには、一定の制約があることから、こうした規定に抵触することのないよう細心の注意を払いながら、情報の収集や発信に努めているところ。

 

○ 今後、監督官庁の動向を注視しながら、派遣受け入れの金融機関との連携を図りながら、必要に応じて、駐在の職員に注意の喚起を図るなどして、適切に対応してまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

 (1-再々-2) 道派遣職員への指示について

 金融機関に派遣されている道職員にどの様な指示をしているのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 

 派遣職員への指示についてでありますが

 

○ 派遣職員は、派遣受入金融機関との協定に基づき、現地の所長の指示に従うこととなっており、当該職員から、現地で兼職に関する誤解を防ぐための対応などについて、所長の注意喚起があったとの報告を受けているところ。

 

○ 道としても、そうした内容を踏まえ、現地の動向等について、注視してまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

 2 北京における情報拠点整備について

 道産品の中国参入にあたっては、中国というお国柄、中国側政府機関とのパイプを構築することが重要であり、それは、行政機関である道でなければできない最も重要な役割と考えており、情報拠点が必要であることはいうまでもない。

 

 先の一般質問で、来年度に向けて北京に情報拠点を整備するといっているが、国際ビジネスセンターや観光振興機構などとの連携も考えられるが、道は、情報拠点をどのように整備し、それによりどのような効果が得られると期待しているのか、伺う。

 

 所管  経済部商工局商業経済交流課

 答弁者  商工局長

 

北京での情報拠点についてでありますが

○ 今回の訪問により、中国においては中央政府要人等とのネットワークの構築・継続、さらには、拡充を図ることが情報の収集を図る上でも、大変重要であると、感じたところ。

 

○ このため、道としては、関係機関をはじめ、商社、金融機関など民間のノウハウやネットワークを活用するなどして、効率的・効果的な情報拠点が整備できるよう検討を進めてまいる考え。

 

○ 又、新たな拠点では、現地のビジネス情報の収集や道産品に関する情報発信などを行うとともに、新たな流通ルートの開拓、さらには観光客誘致の促進などの経済交流の拡大に向けた取組を進めてまいる考え。

 

(五) 中国における情報収集について

 (2-再) 情報拠点における活動について

 まずは、中国政府機関とのパイプとしての情報拠点を設けることが必要であり、その拠点では、政府側からの情報収集を行うとともに、道産品の市場参入のためには、中国の消費者動向など市場に関する調査も欠くことができないものと考えている。市場調査にどのように取り組むのか、伺う。

 

所 管  経済部商工局商業経済交流課

答弁者  商業経済交流課参事

 

市場調査のあり方などについてでありますが、

○ 今回の訪問において、中国国際貿易促進委員会と北海道国際ビジネスセンターが「経済交流促進の覚書」を締結しており、こうしたネットワークの胡錦涛国家主席の来道などで中央政府要人の高まっている北海道への関心を活用できるよう、中央政府との関係の強化を図るとともに、北京における消費者の購買行動に関する情報や圏域の特色などの市場情報について、関係機関や業界関係者から収集できるよう、国の関係機関をはじめ、日中経済協会札幌経済交流室、日系企業などと連携を図りながら、情報収集機能のあり方などについて検討してまいる考え。


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議会報告 【平成20年決算特別委員会】 平成20年11月11日 「政策研究費について」

火曜日, 11月 11, 2008

《 政策研究費について 》

 

(一) 研究テーマ設定の理由について 
(二) 研究成果の活用について 
(三) 政策研究の見直しについて

 

平成20年11月11日

質問者 : 自民党・道民会議  千葉英守

 

(一) 研究テーマ設定の理由について

 19年度は「農山漁村の文化価値創造」をテーマに研究されているが、テーマ設定の理由をお聞きします。

 

所 管 : 知事政策部総務課

答弁者 : 総務課参事

 

アカデミー政策研究に係る平成19年度のテーマ設定の理由についてでありますが

○ 道としましては、多様化、高度化する行政ニーズに応える職員の政策形成能力の向上を図るとともに、道政上の諸課題に関する具体的な政策形成に寄与することを目的として、毎年度、テーマを選定し、学識経験者を含めた研究チームを設定し、政策研究をおこなっているところ。

 

○ 平成19年度については、庁内から提案のあったテーマの中から、本道の基幹産業である、農林水産業の持続的な発展を図っていくため、農山漁村地域の自然、食材、歴史、イベントなどの個性や魅力を広く文化と捉え、これらを総合的に活用しながら、地域の活性化を図っていくことが重要と考え、「農山漁村の文化価値創造」をテーマとして選定したもの。

 

(二) 研究成果の活用について

 19年度の研究期間は19年10月から20年3月まで、17年、18年度でも年度末近くまでとなっており、研究成果が次年度の施策に生かせていません。研究成果をどのように施策に生かしていく考えであったのか、これまでの研究成果活用状況と施策プロセスはどのようになっているのか、併せて伺います。

 

所 管 : 知事政策部総務課 
答弁者 : 知事政策部次長

 

研究成果の活用についてでありますが

○ 政策研究の成果については、庁内外に幅広く配布するなどして政策形成に活用されるよう努めるとともに、研究成果の施策化の見通しなどの進行状況を把握しているところ。

 

○ 例えば、平成17年度の研究テーマである「ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上」については、道が、平成20年度に地域の活性化を図るための取組事例などを取りまとめた「地域力向上のための取組ポイント」に反映されたところ。また、18年度の「新たな公会計制度を考える」については、平成21年度に導入が予定されている複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表のあり方の検討に活用されているところであり、平成19年度の研究成果についても、地域の魅力を総合的に活用し、地域の活性化を図る観点から、有効に活用されるよう関係部等に働きかけてまいる。

 

(三) 政策研究の見直しについて

 厳しい財政状況にある道において、施策の実施に直ちに結びつかない政策研究の見直しは当然であり、職員の政策形成能力の育成も本来毎日の仕事を通じて行われるべきと考えますが、見解を伺います。

 

所 管 : 知事政策部総務課

答弁者 : 知事政策部次長

 

政策研究の見直しについてでありますが

○ 道職員が、日々の業務を通じて、政策形成能力を高めていくことは、大切なことである。

 

○ 一方、多様化する住民ニーズに適切に対応し、効果的な政策を立案していくためには、分野や職種の垣根を越えてより幅広い観点から検討していくことが求められており、行政、民間、学術研究期間などが多様な形で、連携協働して取組んでいくことがより重要になってきていると認識。

 

○ このようなことから、学識経験者や市町村、民間企業の方を交え、政策の内容や手法などについて、専門的に調査研究することは、職員の意欲を高め、能力の開発に寄与することはもとより、道民の力を結集して本道の活性化を図っていく上で意義あることと考えているところ。

 

○ 今後とも、本事業が職員の政策能力の向上に止まることなく、その研究成果が課題の解決や新たな政策形成に結びつくよう、研究テーマの選定も含め、関係部と十分連携を図りながら、取り組んでまいりたいと考えている。


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議会報告 【平成20年決算特別委員会】 平成20年11月11日 「政策立案支援事務について」

火曜日, 11月 11, 2008

《 政策立案支援事務について 》

 

1 事務事業評価における政策立案支援事務について 
2 知事政策部と企画振興部の事務分担について

 

平成20年11月11日 
質問者 : 自民党・道民会議 千葉英守

 

1 事務事業評価における政策立案支援事務について
 
 次に、政策立案支援事務など知事政策部と企画振興部との役割分担について伺う。事務事業評価では、政策会議、全国知事会議などに関する政策立案支援事務の一元化の検討を求めていますが、どのように受け止めているのか伺う。 
 

所 管 : 知事政策部政策審議局 
答弁者 : 政策審議局長 
 
政策立案に係る事務に関してでありますが 
 
○ この度の事務事業評価において、当部所管の政策立案を支援する事務に関し、関連する事務の集約化を図る観点から、企画振興部所管の全国知事会への対応業務などの執行の一元化について、点検・見直しを行うこととされたところ。 
 
○ このため、当部としては検討の対象となったそれぞれの事務について、地方分権や地域振興などとのかかわりといったこれまでの経過や現在、取り組んでいる政策立案支援事務との関係などについて点検を行ってまいりたい。 
 

2 知事政策部と企画振興部の事務分担について  
 
 知事政策部は、道の重要政策に関する企画立案、総合調整に関する事務を所管していますが、企画振興部においても、地方分権、地域振興など全庁的に関わる企画に関する事務を所管している。両部の役割分担を整理し、一体化を含め検討すべきと考えますが、見解を伺う。 
 
所 管 : 知事政策部政策審議局 
答弁者 : 知事政策部長 
 
知事政策部と企画振興部の役割分担などについてでありますが 
 
○ 経済・社会情勢が大きく変化し、行政課題が多様化する中にあって、政策展開に当たっては、
 ・ポスト・サミットなど新たな課題への迅速な対応や 
 ・重点政策の推進といった各部連携による機動的・一体的な取組 
などが求められており、当部がこの総合的な調整機能を担っているところ。 
 
○ 一方、企画振興部においては、 
 ・道州制や支庁制度改革の推進 
 ・科学技術の振興や情報化の推進 
 ・さらには新幹線の建設促進や運輸交通の企画・調整 
などを所管しているところ。 
 
○ こうした中、本年度においては、両部の所管する事務のより効果的な執行に向けて、総合計画と新生プランとの一体的な推進を図る観点から、当部に計画推進局を設置し、企画振興部から関連業務を移管するなど、必要な見直しを行ったところ。 
 
○ 今後とも、道政を取り巻く情勢の変化に柔軟に対応し、より効果的・効率的な政策展開が図られるよう、両部の役割分担や機能などについては、不断に見直しを行っていく必要があるものと認識している。


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