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議会報告 【総合企画委員会】 平成19年2月28日 「夕張市の財政再建問題について」

水曜日, 2月 28, 2007

《 夕張市の財政再建問題について 》

一 財政再建計画について
二 地域経済の振興について
三 市の行政体制の支援について
四 消防・救急体制について
五 今後の財政再建について

平成19年2月28日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守 委員
一 財政再建計画について
 このたび夕張市議会において決定された財政再建計画について、道としてどのように受け止めているのか、まず伺います。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 企画振興部長

夕張市の財政再建計画についてでありますが、

○ 昨年6月、夕張市が法に基づく財政再建に取り組むことを表明されて以来、道としては、全庁を挙げた体制の整備や道職員3名の市への派遣など、財政再建計画の策定と財政再建に伴う影響の緩和に向け積極的に助言・協力を行ってきたところ。

○ こうした中で、この度、夕張市議会において決定された財政再建計画は、これまで寄せられた市民の皆様のご意見などを踏まえ、高齢者の方々や子どもたちへの配慮など一定の見直しを行った上で、総人件費の大幅な削減や事務事業の抜本的な見直しなど、巨額の赤字解消に必要な事項を示されたものと考えている。

○ また、財政再建期間が18年間と長期間となり、財政再建に向け、相当な努力が必要となることから、夕張市においては、この再建計画について国の同意が得られた後も、市民への説明を十分に行い、ご理解とご協力を得ながら、確実に財政再建が進められるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと考えており、このため、道としても、引き続き、必要な助言・協力を行ってまいりたいと考えている。

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二 地域経済の振興について
 夕張市の赤字額353億円のうち186億円は観光事業会計の累積債務であり、市の観光事業が極めて無理のあったものであることが明らかであると考えます。こうした中で、道内の企業が市の観光事業の多くを受託することとなったことは大変喜ばしいことでありますが、道は、財政再建と地域経済の関連についてどのように認識し、どのように支援していく考えなのか、伺います。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

財政再建と地域経済の振興についてでありますが、

○ 夕張市においては、財政再建を進める上で、不採算の観光事業は実施しないこととしており、民間企業等による売却や指定管理の公募をしていた多くの観光施設について、引き受け先が決定されたことは、道としても、地域の経済や雇用の面で、歓迎すべきことと考えている。

○ 夕張市の将来に向けては、再建計画に促して確実に財政再建を進めると同時に、地域の再生を図っていくことが大変重要であると考えており、観光振興や企業誘致、NPOなどによるコミュニティビジネスの活性化などにより、地域資源を活かした経済の活性化が図られるよう、道としても、国や道の施策を効率的に活用するなどして、必要な支援を行ってまいりたい。

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三 市の行政体制の支援について
 道は、夕張市から要請のあった道職員の派遣について、先日、6名の派遣を行う方針を明らかにしたが、これで市の行政体制は一定程度確保されるのか、伺います。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

夕張市の行政体制についてでありますが、

○ 夕張市においては、本年度末に多数の市職員が退職され、特にほとんどの管理職員や必要な有資格者が退職することに伴い、当面の行政執行体制を確保するため、今月16日、市から8名の道職員の派遣について要請があったところ。

○ 道としては、市の要請内容や財政再建の着実な実行、地域再生に向けた取り組みの推進といった観点から検討した結果、資格を要する業務ではないものなどを除き、6名の職員を派遣することとしたところ。

○ このほか、職員の派遣を行わない分野についても、必要に応じ、道職員が技術的助言や出張による対応を行うほか、空知支庁を中心に人材育成のための研修などの支援を行っていくこととしており、夕張市において必要な行政機能は確保されるよう、取り組んでまいる考えである。

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四 消防・緊急体制について
 消防・緊急体制について、当初は道内の他市町村に協力要請を行うことも検討されていたと思うが、今回の市の考え方で必要な体制は確保できるのか、伺います。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

消防・緊急体制の確保についてでありますが、

○ 夕張市においては、新たな勤務ローテーションや職員の採用、さらには、一般行政職から消防職への配置転換により、救急車2台を運行する現行の体制は維持できることから、他市町村に協力要請を行わないこととしているが、道としては、今後とも市の消防・救急体制が維持されるよう、必要に応じて助言・協力を行ってまいりたい。

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五 今後の財政再建について
 財政再建計画の策定は、一つの大きな説目ではありますが、あくまでも実質的な再建の取り組みはこれからであります。夕張市の財政再建の推進に関し、道としてその推進管理に深く関わる必要があると考えるが、今後の道の取り組みにについて伺います。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 企画振興部長

夕張市の財政再建に向けた今後の対応についてでありますが、

○ 夕張市は、本日決定された再建計画について、総務大臣の同意を得ることによって法に基づく財政再建団体となり、財政再建がスタートすることになるが、解消すべき赤字額が巨額であり、その期間も長期にわたることから、再建計画に即した歳出の削減や歳入確保などが市において確実に実行されるとともに、市民生活や地域経済・雇用などへの影響が最小限にとどめられ、地域再生の取組みが着実に進展することが大切である。

○ このため、道としては、本年4月から再建計画の推進を担当する管理職員などを派遣するほか、計画の進行管理に関する助言や、資金貸付をはじめとした支援策を実施するなど、夕張市の財政再建と地域の再生に向け、引き続き、道としての役割をしっかりと果たしてまいりたい。

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議会報告 【総合企画委員会】 平成19年2月6日 「夕張市の財政再建問題について」

火曜日, 2月 06, 2007

《 夕張市の財政再建問題について 》

一 夕張市の観光施設などについて
 (一) 提案の状況について
 (二) 今後の売却・委託先の選定について
 (三) 選定委員会等の役割について
 (四) 財政再建との関連について
 (五) 民間主導の地域経済について
 (六) 消防体制などについて
二 夕張市立病院について
 (一) 公設民営化のスケジュールについて
 (二) 道の医療法人設立認可について

平成19年2月6日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守 委員
一 夕張市の観光施設などについて
(一) 提案の状況について

 まず、どの程度の観光施設について、どのくらいの提案があったのか伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

提案の状況についてでありますが、

○ 売却のみの応募は5団体、指定管理者のみの応募は9団体、売却及び指定管理者双方の応募は2団体であり、総計16団体(13企業、1NPO、2任意団体)からの応募があったと聞いている。

○ また、公募した29施設の内、25施設について応募があったと聞いている。

※参考 応募がなかった施設
 No.13 サイクリングロード富野休憩所
 No.27 丁未風致公園
 No.28 石炭の歴史村公園
 No.29 ファミリーキャンプ場
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一 夕張市の観光施設などについて
(二) 今後の売却・委託先の選定について

 今後、夕張市においてはどのようなプロセスを経て施設の売却先や委託先を選定していくことになるのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

観光施設の売却先や委託先の選定手続についてでありますが、

○ 財政再建に取り組む夕張市において、今後の観光施設の管理運営は、地域の経済や雇用の確保などの観点から重要な課題であり、慎重に検討する必要があることから、外部の専門家などにより構成される「夕張市観光施設指定管理者選定委員会」を11月17日に設置し、公募条件等を論議・決定した上で11月29日から公募を開始したところ。

○ 応募期限の1月末までに16社からの応募があり、市としては、事前に選定委員会の委員に応募企業等からの企画書を検討していただいた上で、昨日、第2回目の委員会を開催し「売却や指定管理の委託基準」や「企画書の疑問点」などについて議論をしたと聞いている。

○ 今後は、選定委員会が企業等からのヒアリングを実施し、その結果を踏まえ、施設毎に売却か指定管理委託かを審議するもの。

○ その後、市においては選定委員会からの助言を受け、売却の場合は指名競争入札などを実施することとなっている。

○ また、選定委員会においては、指定管理委託の場合は委員会として望ましい企業等を選定し、市に報告することとなり、市が委員会の報告を踏まえて指定管理者を決定の上、協定を締結することとなっている。

○ 再建計画策定スケジュールとの関係もあり、選考委員会においては精力的に審議を進め、遅くとも今月下旬には、審議を終えたいとのスケジュールと承知している。

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一 夕張市の観光施設などについて
(三) 選定委員会等の役割について

 選定委員会を設置することは、これまでの財政運営の不透明性を考えると、望ましいことと考える。この委員会と市の判断の関連、さらに市議会の関わりはどのようになるのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

選定委員会と市との関係などについてでありますが、

○ 選定委員会は、選定過程の透明性を確保しながら、的確な選定を行うため、外部の専門家や専門分野の市職員によって構成されており、先ず、売却が適当か委託が適当かについて審議し、判断した上で、委託が適当であるとされた場合には指定管理者の選定を行うこととされている。

○ 市としては、こうした委員会からの報告を受け、売却か指定管理委託かの判断をし、市議会に報告の上、所要の議決を経て、売却の場合は指名競争入札などを行い、売買契約を締結、また、指定管理委託の場合は委託先と協定を締結することになる。

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一 夕張市の観光施設などについて
(四) 財政再建との関連について

 市が施設の取り扱いを判断する際、売却による収入増、観光事業の継続による経済波及効果など様々な視点が考えられるが、市としてはどのような考え方で判断しようとしているのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

観光施設の取り扱いに係る夕張市の考え方についてでありますが、

○ 夕張市においては、観光施設の売却や指定管理者による運営管理について、観光事業としての確実性、継続性や財政再建上の効果、また、市民をはじめ利用者の利便性の確保や地域経済への波及効果、雇用の確保といった観点から、判断されるものと考えている。

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一 夕張市の観光施設などについて
(五) 民間主導の地域経済について

 財政再建はマイナス面ばかりが強調されるが、そもそも無理のあった行政主導の観光事業が民間主導で持続性の高い観光事業にバトンタッチできるならば、結果として夕張市の将来にプラスの効果をもたらすとも言えるのではないかと考える。道の見解を伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 企画振興部長

民間主導の観光事業についてでありますが、

○ これまで、夕張市においては、多額の一般財源を投入し観光事業を行ってきたものであり、そのことが、巨額の赤字を抱える大きな要因となったものと考えている。

○ 財政再建を進める上で、今後、不採算の観光事業は実施しないことを基本方針として、売却や指定管理について公募していた観光施設について、大半の施設に道内外の企業、NPO、任意団体から応募があったことは、歓迎すべきと考えている。

○ 今後、選定委員会の審査や市の判断により、売却先や委託先が決定されると思うが、いずれにしても、財政再建を着実に進めながら、民間主導で地域経済の振興と雇用の確保が図られ、地域の再生につながっていくことが大切であると考えている。

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一 夕張市の観光施設などについて
(六) 消防体制などについて

 夕張市の行政体制の確保については、市において効率的な組織の検討がなされており、道ではその検討結果を踏まえ支援を検討すると承知しているが、3月末は間近であり、特に消防体制などは検討を急ぐべきと考えるが、現状はどのようになっているのか伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

消防体制などについてでありますが、

○ これまで、道としては、市に対し、効率的な組織機構とするため検討を早急に行うよう助言や事前協議を行ってきており、市においては、鋭意検討案を取りまとめているところ。

○ 市において最終的な検討案が作成され次第、消防や救急体制をはじめ、夕張市の行政体制に支障が生じないよう、道として対応を検討し、必要な助言・協力を行ってまいりたい。

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二 夕張市立病院について
 市立総合病院は、本年4月から公設民営の診療所として再出発すると承知しているが、その取り組み状況などについて伺う。
(一) スケジュールについて
 公設民営化に向けたスケジュールはどうなっているのか。4月1日に間に合うのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

公設民営化のスケジュールについてでありますが、

○ 夕張市においては、市立総合病院を本年4月から公設民営による診療所及び老人保健施設として運営することとしている。このため、市においては診療所の設置条例を整備する必要があり、これについては本日開催された夕張市の臨時市議会において条例が可決されたものと承知している。

○ 市では、診療所の設置条例を制定した後、速やかに指定管理者の公募を行い、選定委員会において選定し、市議会の議決を経て、今月中に指定管理者の決定を行う予定であると聞いている。

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二 夕張市立病院について
(二) 道の医療法人設立認可について

 夕張市立総合病院に勤務している村上医師が医療法人の設立を道に申請しているということだが、認可手続きが遅れているということはないのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

医療法人の設立認可についてでありますが、

○ 医療法人の設立認可については、医療法に基づき、理事などの人的要件や資産内容を審査し、都道府県医療審議会の意見を聴いた上で決定するとされているところ。

○ 村上医師を代表とする医療法人設立については、本年1月に認可申請書が提出されており、2月下旬に開催する直近の北海道医療審議会に諮門することとしている。

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議会報告 【総合企画委員会】 平成19年1月30日 「夕張市の財政再建問題について」

火曜日, 1月 30, 2007

《 夕張市の財政再建問題について 》

一 再建計画素案について
 (一) 赤字が生じた原因
 (二) 予算規模の妥当性
 (三) 夕張市の市民サービス
 (四) 夕張市民の負担増
 (五) 人口透析の廃止
 (六) 住民説明会の状況
 (七) 計画の進捗状況
二 支援策について
 (一) 基本的な考え方
 (一 – 二) 道職員の派遣
 (二) 道の支援策
 (三) 資金貸付利率の妥当性、道の実質負担、期間
 (四) 道の夕張市への支援に対する認識について
 (五) ボランティアに対する支援について
三 責任について
 (一) チェック機能の問題点と今後のあり方

平成19年1月30日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守 委員
一 再建計画素案について
(一) 赤字が生じた原因

 標準財政規模40億円の10倍となる353億円の赤字を生じた原因について、改めて部長としてどう認識しているか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 企画振興部長

赤字が生じた原因についてでありますが、

○ 夕張市においては、炭鉱閉山後の新たな基幹産業を観光に求める中で行った各種の施策が期待どおりの効果を発揮できず、また、社会環境の変化に応じた行政のスリム化が十分に図られなかった中で、長年にわたり不適正な財務手法が行われ、さらに、道が助言をしてきた抜本的な財政再建の取り組みが遅れたことから、巨額の赤字を抱えるに至ったものと認識している。

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一 再建計画素案について
(二) 予算規模の妥当性

 素案では平成19年度の歳入が83億円となっているが、他団体と比較してどうか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

平成19年度の予算規模についてでありますが、

○ 全国類似団体における平成16年度歳入決算額は平均で、約115億円となっており、夕張市の再建計画素案における平成19年度の歳入規模83億円は、類似団体との比較において、おおむね妥当な範囲であると考えている。

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一 再建計画素案について
(三) 夕張市の市民サービス

 これまで夕張市の市民サービスは他の団体と比べてどの程度であったのか。また計画素案ではどのようになるのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

夕張市の市民サービスについてでありますが、

○ 市民サービスについて、夕張市の道内類似団体である6団体と比較すると、例えば、高齢者パスについては、3団体が実施しておらず、激変緩和処置をとりながら国基準とする保育料につては1団体が既に国基準となっている。
 また、素案について新たに実施することとされているごみ処理手数料の有料化については、既に6団体とも実施済みとなっている。

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一 再建計画素案について
(四) 夕張市民の負担増

 市民の標準家庭の負担増は年間約5万円とされるが、高齢者の負担増はどの程度か。また、それらは他の団体と比較してどうか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

高齢者などの負担増についてでありますが、

○ 夕張市が試算した市民負担のモデルケースによると、65歳以上の一人暮らしで、年収が2百万円、持ち家がなく、軽自動車を保有せず、下水道施設のない住宅にお住まいの方の場合、年額で4,340円、月額にして362円の負担増となっており、65歳以上の夫婦二人暮らしで、年収が3百万円、持ち家がなく、軽自動車を1台所有し、下水道施設のある住宅にお住まいの方の場合は、年額25,400円、月額にして2,117円の負担増となるとされたところ。

○ 夕張市が素案において示した負担増について、一概には比較できないが、市民税や軽自動車税、都市計画税を含む固定資産税の税率は最も高く、税負担は、他市町村と比較し大きくなるものと考えている。
 一方、ゴミ処理の有料化は既に多くの市町村で実施され、下水道使用料についてもさらに高い料金設定がなされている団体もあるところ。

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一 再建計画素案について
(五) 人工透析の廃止

 人工透析を廃止するようであるが、その理由と現患者に対する措置について伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

人工透析についてでありますが、

○ 人工透析の患者さんについては、定期的に週数回の透析が不可欠なことから、身体的な負担、経済的負担を考えると、できるだけ身近な医療機関において対応できることが望ましいものと考えている。

○ このため、夕張市においても、市立病院の診療所化・公設民営化に当たり、市内において引き続き人工透析を実施する方向で検討したが、採算確保が難しく引き受け手がない状況であることから、やむを得ず廃止することとしたものと聞いている。

○ 廃止に当たっては、患者さんの希望などを伺いながら、近隣の医療機関を紹介している状況にあると承知しており、入院している患者さんについては、全員が昨日までに転院を終えたと聞いており、通院している患者さんについても、近隣の病院での受け入れについて調整を行っていると聞いている。

○ 道としては、夕張市に対して、通院患者さんに、受入可能医療機関の状況をていねいに説明するとともに、患者さんの負担が最小限となるよう、病状や通院手段などそれぞれの事情に配慮して転院先を調整されるよう助言しているところ。

(参考) 現状での受入可能医療機関
 ・岩見沢市立総合病院 (何人でも可能、送迎なし)
 ・栗山日本赤十字病院 (10人可能、送迎なし)
 ・恵庭第一病院 (18名可能、人数次第で送迎可能)
 ・千歳 井川病院 (4~5人可能、条件次第で送迎可能) 
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一 再建計画素案について
(六) 住民説明会の状況

 1月27日から計画素案について、住民説明会を開催しているようであるが、その状況について伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

住民説明会の実施状況についてでありますが、

○ これまで3回開催された説明会に出席された市民の皆さんからの主な意見等として、まず、病院問題について、「診療所とする経過、透析、緊急」に関しての質問や意見があり、また、市職員の退職に関しては、「大量に退職する状況をどう考えているのか」などがあり、一方、敬老パスや学校統廃合、公衆トイレなどについては、基本的枠組み案からの見直しについて、一定の評価を得たと聞いている。

○ いずれにしても、市においては、引き続き住民説明会などにおいて十分説明され、市民の皆さんのご理解、ご協力を得ながら、財政再建が着実に進められるよう取り組んでいただく必要があると考えている。

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一 再建計画素案について
(七) 計画の進捗状況

 計画の進捗状況について、道は道議会に対し、報告されるのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

財政再建計画の進捗状況についてでありますが、

○ 財政再建期間中において、収入支出の実施状況その他の事情の変更によって、財政再建計画に変更を加えようとするときは、変更計画について市議会の議決を経て、道を経由し、総務大臣の同意を得る必要があり、また、その要領を住民に公表することとなっている。

○ 道としては、この計画変更の内容を踏まえ、必要に応じ、当委員会へ報告を行ってまいりたいと考えている。

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二 支援策について
(一) 基本的な考え方

 道の支援策の基本的な考え方について、医療助成等、他地域との比較を含め伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

道の支援策に係る基本的な考え方についてでありますが、

○ 夕張市においては、市民生活への影響、とりわけ、高齢者や子どもへの影響に配慮しながら、財政再建計画素案をまとめたところであるが、道としては、計画的・安定的な財政再建が進められること、多くの早期退職者が見込まれる中で必要な市の行政体制を支えること、市民生活などへの影響が懸念される分野について、道としてその影響を緩和すること、地域の再生を図っていくことを基本に支援策をまとめたところ。

○ 具体的には、全道のすべての市町村が実施している道単独の4つの医療給付事業については、重度身障者などハンディキャップを抱える夕張市民の方が道民の一人として等しく医療サービスを受けられるようにしようとするものである。

○ また、バス路線の確保や市道の除雪は、公共性の高い分野であり、市の負担軽減を図りながら、交通基盤を確保するため実施しようとするものである。

○ さらに、市の財政支出が必要最小限に限られる中で、地域の活性化に向けては、市民活動の活発化が欠かせないことから、道として可能な支援を行うこととしたところ。

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二 支援策について
(一 – 二) 道職員の派遣

 道職員の派遣を検討するとのことだが、どのような職種について、何人程度をいつまでに派遣しようと考えているのか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

道職員の派遣についてでありますが、

○ 夕張市においては、平成18年度末に多数の退職者が発生するが、その中には、市が担うべき事務事業を実施するために必要な資格を有する者が含まれていることから、上水道、ダム管理、建築設計、救急業務等の分野での影響が懸念されるところ。

○ また、課長以上の管理職のほとんどが退職の意向であることから行政組織の運営や事務事業を進める上でのノウハウの継承などを円滑に進めていくことが必要であると考えている。

○ 今後、どういったかたちで道職員を派遣するかについては、現在、夕張市において効率的な組織のあり方について検討しているところであり、道としては、市の検討結果を踏まえて、必要な支援を行ってまいりたい。

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二 支援策について
(二) 道の支援策

 今回の道の支援総額はどの程度か伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 市町村課参事

道の支援総額についてでありますが、

○ 道の平成19年度当初予算では、医療、バス、除雪の支援、雇用対策などを合わせて約6千8百万円、また、夕張市に対する赤字相当額の貸付金として約360億円を予算として計上する予定である。

○ なお、この資金貸付については、単年度毎の短期貸付で、年度内に返済されるものである。

(参考) (単位:千円)
  H19当初予算計上額
貸付金 36,000,000
補助金 68,250
36,068,250

注) 補助等には、地域政策総合補助金を含まない。

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二 支援策について
(三) 資金貸付利率の妥当性、道の実質負担、期間

 短期貸付金は、市町村振興基金を使うのか。利率の妥当性はあるのか。いつまで貸し付けるのか。また、その場合、道の実質財政負担はどれくらいか。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

夕張市への短期貸付金についてでありますが、

○ 昨年、条例改正をし、短期貸付制度を創設した市町村振興基金は、基金総額の範囲内での貸付を行うものであり、今回の貸し付けは、巨額な赤字額を対象にしたもので、基金での運用の範囲を超えるものであることから、別途予算計上し、道の一般会計から直接貸付けることで対応してまいりたいと考えている。

○ 貸付利率の0.5%については、財政再建期間を短縮するためにも金利負担を軽減しながら、市において一定の負担をしていただくこととして設定したもの。

○ 短期資金の貸付であることから、毎年度、赤字の解消に伴って貸付額を漸減しながら貸し付けを繰り返し行うものであるが、貸付期間については、今後の国の制度動向などを見極めながら、検討を行う必要があるものと考えている。

○ また、貸付に伴う道の財政負担については、金利の変動等を考慮すると道の財源調達コストが不確定であることから、実質的な負担額をお示しすることは困難であるが、仮に、貸付金全額を一時借入した場合、現在の道の調達コスト1.6%程度を前提に単純に計算すれば、初年度の約360億円に対しては、約4億円となる。

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二 支援策について
(四) 道の夕張市への支援に対する認識について

 財政再建団体入りは、地方自治が制限される一方、国依存や行政依存から脱却し、住民の自立を促すチャンスとも言われる。国や道が支援することは、折角芽生えつつある住民の自立意識に水を差し、甘えを助長することにならないか。また、近隣の市町村では、早くから夕張以上にリストラに取り組んできているところが多い。そうした市町村からは、なぜ夕張だけに支援するのかという声がある。これについての認識を伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 企画振興部長

道の夕張市への支援に対する認識についてでありますが、

○ 巨額の赤字を解消しなければならない夕張市においては、相当の努力が必要であり、約18年間という長期にわたり、市民の皆様に負担増をしていただきながら、財政再建に取り組まなければならない状況に置かれている。

○ こうした中で道の支援策は、財政再建を確実に進めるために欠かせない資金の貸付をはじめ、住民生活への影響の緩和や地域の再生を図っていくため必要な支援であると考えており、道内の他市町村や道民の皆様にも理解はいただけるものと考えている。

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二 支援策について
(五) ボランティアに対する支援について

 国の管理下に置かれた財政再建団体において、最も重要なことは、住民や市役所職員が自立に向けて「やる気」を持ち、歯を食いしばってでも前へ前へと進むことだと考える。旧赤池町では、住民の方々が、行政依存への悪幣に気づき、自然発生的なボランティアが生まれたと言われる。道としても、こうした支援に力を入れるべきと考えるが、見解を伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

市民主体の取り組みに対する支援についてでありますが、

○ 法に基づく財政再建に取り組む夕張市においては、市が提供する行政サービスが必要最小限のものにとどまらざるを得ないことから、委員ご指摘のように、市民の主体的な取り組みがますます重要になってくるものと考えている。

○ このため、道としては、地域政策総合補助金の弾力的運用などにより、地域活性化や市民生活の維持等に向けた取り組みに対する支援を行うとともに、空知支庁の独自事業による、夕張市の活性化戦略の検討支援、さらには、NPOなどが活用可能な施策に関する情報提供や、関係団体のネットワークづくりなど、様々な支援を行ってまいる考え。

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三 責任について
(一) チェック機能の問題点と今後のあり方

 夕張市の巨額な赤字が生じたことは、市議会などのチェック機能にどのような問題があったか。それらを踏まえ、今後どのようにあるべきかを伺う。

所  管: 企画振興部地域振興・計画局市町村課
答弁者: 地域振興・計画局長

財政運営のチェック機能などについてでありますが、

○ 市町村の議会は、地方自治法に基づき、予算を定め決算を認定することなどの権限を有しているが、夕張市においては、残念ながらこれまで十分なチェックがなされてこなかったものと考える。

○ 市町村の監査委員は、定期監査の実施のほか、例月現金出納検査、決算審査などにより、財務に関する事務の執行などを監査しているが、夕張市においては、こうした監査が適正に執行されていなかったものと言わざるを得ず、今後は、十分な議会審議や監査機能の充実・強化を図ることが必要と考える。

○ また、道としては、これまでの調査方法では、夕張市の財務処理方法について、把握することができなかったことを踏まえ、春と秋の年2回実施している市町村の財政状況に関するヒアリングなどを通して、特別会計や公社・三セクに対する貸付金及び一時借入金の状況などを含め、より的確な把握に努めてまいりたい。

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 最後に指摘を致したいと思います。計画策定後の話になると思うが、「責任の所在」 であります。今後、こうした事態を招かないためにも、事実関係をきちっと把握して、いくら前段で部長が 「道が助言をして来た」 と言っても、夕張市が受け入れなかった点からすると、どこにどう言う問題があったのか検証をして行かねばならないと思うが、そのためにも責任の明確化が必要だし、責任の所在を明らかにしなければ、今後道民や市民からの信頼を得られないのであります。

 道は十分そのことを踏まえて再建計画案ならびに今後、再建計画に対処していただきたいことと、また、国は今国会に地方自治体の財政規律を一層強化するために「新しい地方公共団体の再生法制案」を提出することとしております。

 財政健全化に向けて、都道府県知事の指導権限の強化などをはかる内容であり、道としても、これまで以上に助言・指導を強めていくよう指摘して、私の質問を終わります。

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posted by 千葉英守   |    0 comments