議会報告 【第3回北海道議会定例会 一般質問】 平成19年9月25日 「観光政策について」

火曜日, 9月 25, 2007

《 観光政策について 》

一 観光政策について
 (一) 新しい北海道観光のくにづくり行動計画について
 (二) 観光入込客数などについて
 (三) 市町村などとの連携について
 (四) 食・サービスの満足度の向上について
 (五) 国際観光戦略について
 (六) 東アジア観光戦略について
 (七) 海外からの修学旅行生の誘致について
 (八) 北海道外客来訪促進計画における新千歳空港の位置づけについて
 指 摘

 

 

平成19年9月25日
質問者: 自民党・道民会議 千葉英守

 

一  観光政策について
(一) 新しい北海道観光のくにづくり行動計画について

 平成14年に制定された北海道観光政策の基本的行動計画であります「北海道観光のくにづくり行動計画」の改訂版と言うべき「新しい北海道観光のくにづくり行動計画」は現在観光審議会で議論を深めて頂いており、今後パブリックコメントを求めて、議会議論を踏まえてスタートいたしますが、そこで、「北海道観光のくにづくり行動計画」と今回の「新しい北海道観光のくにづくり行動計画」との相違点は何処にあるのか、目指すべきものは何なのか、お伺いいたします。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 知 事
 
新しい北海道観光のくにづくり行動計画についてでありますが、
 
○ 「観光はまちづくりの総仕上げ」と言われているとともに、さまざまな産業に関連するすそ野の広い産業であることに着目し、新しい計画においては、

  • 地域に暮らす人々が、地元の優れた資源に愛着を持ち、訪れた人々との交流により自信と誇りを持ち続けながら、それぞれの地域において、魅力ある観光地づくりをおこなっていくこと
  • 各地域において、観光と農林水産業など、幅広い産業にかかわる人たちや地域の人たちが結びつき、観光消費を地域内でしっかりと受け止めて、地域における経済の活性化を図っていくこと

の2つを計画の目標として掲げ、観光を北海道における真の意味でのリーディング産業として発展させていくことをめざしているところ。

 
○ なお、今回の計画においては、「観光立国推進基本法」において掲げられている国内外からの観光旅行の促進や観光が果たす役割の重要性といった理念を踏まえるとともに北海道洞爺湖サミットを契機として、環境保全の視点を観光施策に取り入れることなども考慮しながら策定を進めてまいりたい。

↑ UP

一  観光政策について
(二) 観光入込客数などについて

 この計画では、平成24年度の観光人込客数6,500万人、外国人の来道者数110万人という目標を掲げております。しかし、平成22年度を目標年とする知事公約、北海道経済活性化戦略ビジョンでは、観光人込客数は同じ数値であるものの、外国入来道者数は10万人少ない100万人。さらに、新しい総合計画では、平成29年度の観先入込客数6,600万人、外国入来道者数120万人となっております。いろいろと目標数値があるが、北海道の観光振興の基本となる観光のくにづくり行動計画の目標値の基本的な考え方について伺う。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部長
 
目標数値の考え方についてでありますが、
 
○ 道の平成18年度観光入込客数調査によると、北海道を訪れた観光客は4,909 万人 となっていることから、新しい行動計画でも目標値を現行動計画と同じ6,500万人と掲げ、地域の観光資源の発掘や磨き上げ、ホスピクリティの向上を含めた受入環境の整備などにより、観光客の満足度を高めていくとともに、北海道洞爺湖サミットを契機とした北海道観光の魅力の発信などを通じてこの計画の目標値の達成に全力で取り組んでまいりたい。
 
○ また、外国人の来道者数については、平成18年度調査では現行計画を上回る59万人となっており、国際観光の市場動向や国の「観光立国推進基本計画」の目標などを参考に、新しい計画においては110万人という目標値を設定したところ。
先に申し上げた取組に加え、各国・地域の市場特性やニーズの分析に基づいた効果的かつ効率的なプロモーションなどを行うことにより、この目標を達成してまいりたい。

↑ UP

一  観光政策について
(三) 市町村などとの連携について

 今回の「新しい北海道観光のくにづくり行動計画」の目標ハードルは高いものになっているだけに、地方自治体には観光政策を策定して頂く要請をすべきと思いますがいかがでありましょうか。特に北海道観光の拠点である札幌市に観光計画がありません、札幌市に対して観光計画策定を知事から要請すべきと思います、そして北海道、札幌市、各自治体、関係団体との連携の中、「新しい北海道観光のくにづくり行動計画」を推し進めるべきと思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 知 事
 
市町柿との連携などについてでありますが、
 
○ 観光の振興にあたっては、道民一人一人が共通認識を持って、取組を進めていくことが必要であることから、新しい行動計画は、観光に関わるさまざまな主体や地域がそれぞれの課題や個性、特性を踏まえ観光振興に関する計画などを策定し推進する際の指針として示すものであり、各地域においては、この指針に沿ってそれぞれの実情を踏まえながら主体的に観光振興のビジョンなどを策定し、観光振興施策を着実に推進していくことを期待するものである。
 
○ 道といたしましては、新しい行動計画の普及啓発を図り、観光に対する意識の醸成に努め、市町村や観光関係団体、観光事業者の方々との一層の連携を図るとともに、幅広い経済団体、市民団体や道民の協力をいただき、効果的な観光振興を図ってまいりたい。

↑ UP


一  観光政策について
(四) 食・サービスの満足度の向上について

 素案に目標、目標値が示されているが、その中で「食とサービス」が観光政策の中でも大きな要素。今回の計画で、それを満足度を80パーセントに底上げしたことは、大変良い事だと思うが、その手法、その手だてを、伺う。
 食の豊富な北海道において、地域によって食の満足度が生かされない、サービスが行き届かないことは誠に残念。私見であるが、「全調理師会」や「日本ホテル協会」など、知識経験を遺憾なく発揮できる「食の達人」「サービス業の達人」と言われる団体の力を借り、派遣事業を考えて、全道の「食」「サービス」の底上げをしていくべきと考えるが、あわせて見解を伺う。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 経済部長
 
食・サービスの満足度向上についてでありますが、
 
○ 食は北海道の重要な観光資源であり、多くの観光客が、新鮮で美味しい食物を北海道観光の魅力に挙げていることから、道では、これまで、ホテル・旅館における道産米や牛乳の使用など地産地消の取組のほか、著名なホテルなどの料理人をアドバイザーとして活用させていただくなどして、生産者の顔が見える安全・安心な道産食品を活用した創作料理の開発などに取り組んできたところ。
 
○ 今後とも、これらの食やサービスの専門家の一層の活用を図ることにより、各地域において、それぞれの特色を活かした魅力あるメニューづくりを支援するとともに、ホテル・旅館関係者と一次産業関係者との意見交換会の開催や旬の食材や安全・安心で信頼できる道産食材の情報発信に積極的に取り組むなど、観光客の食やサービスに関する満足度の向上を図ってまいりたい。

↑ UP


一  観光政策について
(五) 国際観光戦略について

 外国人来道者の入り込みが、平成18年度末統計で59万人と計画を5万人も増加しております。その成果を感じております。
 来年、主要国北海道洞爺湖サミットが開催されますが、北海道にとって外国人観光客の誘客の絶好のチヤンスであります。サミット後の観光戦略をどのように考えるか、所見を伺います。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 知 事
 
サミット後の観光戦略についてでありますが、
 
○ 外国人観光客の誘客を図ることは、本道経済の活性化のみならず、世界とのつながりを深め、相互理解の促進や経済関係の進展につなげて行くためにも重要な課題と考えるところ。
 
○ これまで、東アジア地域を中心に宣伝誘致活動に積極的に取り組んだことにより、台湾、韓国など同地域からの来道者は着実に増加してきたところ。
 
○ 道といたしましては、北海道洞爺湖サミットの開催を、北海道の魅力を世界に発信する絶好の機会ととらえ、積極的な情報発信を行うとともに、東アジア地域はもとより、北米やヨーロッパなども視野に入れながら質の高い観光地づくりやプロモーション活動に取り組むなど、サミット開催による効果が将来的にも十分に活かされるよう外国人観光客の誘客に取り組んでまいる考え。

↑ UP


一  観光政策について
(六) 東アジア観光戦略について

 特に各都府県は東アジアからの誘客に力を入れておりますが、北海道として、国別戦略など、東アジア戦略をどのように考えるか、ご所見を伺います。

 
所  管: 経済部観光のくにづくり推進局
答弁者: 知 事
 
東アジアに対する観光戦略についてでありますが、
 
○ 東アジアは、外国人来道者の多くを占め、道としては、中国や韓国などを対象に、これまでも観光ミッションの派遣や旅行博覧会への出展などさまざまなプロモーション活動を行ってきており、今後とも海外からの訪客を進める上で重要な地域と認識。
 
○ 先般も、私が先頭に立って台湾を訪問し、ドライブ観光など北海道観光の新しい魅力をアピールしてきたところ。
 
○ 東アジアにおいても、台湾は外国入来道者の約半数を占め、定期便のほかチヤーター使によるツアーを数多く実施しており、韓国・香港は個人旅行者も多く、また、中国本土は巨大な潜在市場であるというように、国や地域によってマーケットの特微かあるところ。
 
○ 道といたしましては、このような状況を踏まえながら、観光客のニーズに的確に対応し、ターゲットを絞った効果的なプロモーション活動や新たな市場開拓も進めるなど、東アジアからの誘客に積極的に取り組んでまいる考え。

↑ UP


一  観光政策について
(七) 海外からの修学旅行生の誘致について

 外国人来道者を拡大する上で、海外からの中学・高校生の修学旅行を受け入れることは、国際交流、また、将来のリピーター化にも繋がることから、極めて有意義と考えます。しかし、先頃、北海道訪日教育旅行促進協議会が、道内の中学、高校にアンケート調査を行ったところ、「受け入れ可能、場合によって受け入れ可能」と答えた学校は、中学で15.5%、高校で21.1%に止まったとのことであります。これについて、教育長の認識を伺うとともに、今後の対応について伺います。

 
所  管: 学校教育局高校教育課
答弁者: 教 育 長
 
海外からの教育旅行の受入れについてですが、
 
○ 海外からの教育旅行の受入れは、青少年の相互の国際理解を深めるとともに、生徒の国際性を養う観点から、大切なものと認識しているが、この度の北海道訪日教育旅行促進協議会のアンケート調査結果をみると、こうした考え方が、各学校に十分浸透していなかったものと受け止めている。
 
○ 一方、本道における海外からの教育旅行の受入れの実績については、平成18年度において、中学校で26校、高等学校で16校が受入れを行っており、ご要望のあった海外からの教育旅行の受入れについては、すべて対応しているところ。
 
○ 道教委としては、過日、高校長協会支部長研究協議会において、外国からの研修旅行の生徒との交流を行うなどの国際理解教育の一層の充実について理解を求めたところであり、今後とも、各学校に対し、様々な機会を通して、青少年相互の国際理解教育について認識が一層深まるよう指導するとともに、青少年教育施設を交流の場として提供することなども視野に入れ、海外からの教育旅行の受入れが円滑に行われるよう努めてまいる。

↑ UP


一  観光政策について
(八) 北海道外客来訪促進計画における新千歳空港の位置づけについて

 平成17年の外客来訪促進計画の改定に当たって、新千歳空港の位置づけについては、北海道長期総合計画において「国際拠点空港化」となっていることから、原案では同様の表現とすることになっておりましたが、国との協議を進める中で「世界に開かれた拠点空港」という表現に修正した経過があります。
 今回の改定に当たっては、新千歳空港を国際的な拠点空港と明示すべきであり、そのような表現とすることを国に認めてもらうべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせ願います。

 
所  管: 企画振興部新幹線・交通企画局参事
答弁者: 知 事
 
北海道外客来訪促進計画における新千歳空港の位置づけについてでありますが、
 
○ 第3次北海道長期総合計画においては、北の空の国際交流拠点をめざして、機能面の充実や国際定期航空路線網の拡充などにより、国際拠点空港化を進めることとしているところ。
 
○ 北海道経済の活性化を図るためには、引き続き、新千歳空港の施設の整備や機能の充実を図り、東アジア地域をはじめとした世界各国との連携・交流を更に推進することが必要であることから、今後とも新千歳空港のポートセールスなどを行うこととしているところ。
 
○ 道としましては、外客来訪促進計画の改定にあたっては、新千歳空港を国際的な拠点空港と明示することについて、国と協議して参りたいと考えているところ。

↑ UP


指 摘

 
 只今、知事・教育長からご答弁を頂きましたが、2点指摘をさせて頂きます。
 
 北海道観光政策について、この度の「新しい観光くにづくり行動計画」のハードルは非常に高く設定しようと致しております。観光入込み客数をみても、平成18年度 4,900万人から、目標値 6,500万人であります。知事がいくら、地域の実情に沿って主体的に、観光振興ビジョンを策定し、観光振興施策を着実に推進していくことを、期待すると言っても、現実、観光政策には、地域、地域によって、まだまだ温度差があることは否めないと私は感じております。知事は公約通り、「観光立国北海道を大きなリーデング産業に」育てると努力をされております。今こそ、この「新しい北海道くにづくり行動計画」 「外客来訪促進計画」の計画を策定するにあたり市町村に観光政策を作って頂き、共に観光政策を推し進めないと目標達成は難しいと考えます。観光は「まちづくりの総仕上げ」といわれています。夢ある観光政策は、道と市町村との協同事業体であってほしいと考えます。知事の大きなリーダーシップを期待したいことを指摘しておきます。
 
 次に特別支援教育についてであります。
 
 「特別支援教育に関する基本方針」の素案が提示されましたが、特にここで触れたいのが、盲学校の在り方であります。必要性を認めながら、幼稚部から高等部までの一貫教育とまで触れていないことであります。重複障害を持った立場の弱い子供たちもいます。道財政は厳しい環境にあることも承知教しております。計画的整備を行って、就労支援までをも含めた一貫教育の早期実現を強く求めておきます。
 
以上で私の質問を終わらせて頂きます。

 

↑ UP


ご意見・ご感想をお寄せください