議会報告 【一般質問】 平成24年12月29日 「ロシア極東交流戦略について」

月曜日, 2月 04, 2013

《 ロシア極東交流戦略について 》

(一) 発展プログラムの成果について

(二) ロシア極東交流の認識について

(三) 5期発展プログラムの考え方について

(四) ロシア極東への訪問について

(五) 民間や国の機関の活用について

(六) 航空路線の整備について

(七) 道の活動拠点について

平成24年12月29日

質問者 : 自民党・道民会議 千葉 英守

(一) 発展プログラムの成果について

4期の発展プログラムを振り返り、これまでどのような取組をされ、成果はどうであったか、今後の課題を含めてお聞かせいただきたい。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 経済部長

ロシア極東との経済協力発展プログラムについてでありますが

○ 1992年にプログラムを締結した当時はソ連邦崩壊後間もないことから、ロシアの市場経済への円滑な移行のための協力に重点が置かれ、サハリン州、ハバロフスク地方、沿海地方からの企業経営に関する研修の受け入れを始め、航路・航空路の整備、さらには、北海道サハリン事務所の開設など進められたところ。

○ 又、サハリンプロジェクトが本格化した2000年以降は、水産分野を始め、食や寒冷地技術といった本道に優位性のある分野を中心に、貿易取引の拡大や、住宅分野の参入など、民間企業が主体となった経済活動が進んできたところ。

○ 今後、ロシア政府の極東重視の動向を踏まえ、これら地域との交流を一層拡大するためには、大陸部への参入促進や、交通ネットワークの確保、情報収集の強化などの課題があるものと認識。

(二) ロシア極東交流の認識について

これまでの実績や課題を踏まえ、知事はロシア極東との交流について、どのような認識を持っているか伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 知事

ロシア極東地域との交流の認識についてでありますが

○ サハリン州をはじめとするロシア極東地域は、本道と隣接し、歴史的、経済的にも密接なつながりを持っていることから、道では、これまで、サハリン州、ハバロフスク地方、沿海地方の3地域と経済協力発展プログラムを策定するなどし、経済や文化、医療など、多面的な交流を推進してきたところ。

○ 近年、ロシア政府は、アジア太平洋地域との関係強化に向け、極東発展省の設置や、APEC首脳会合の開催、東シベリア・太平洋パイプラインプロジェクトの実施など、極東開発重視の政策を進めているところであり、日露間の貿易や経済協力は、今後一層活発化していくことが期待されるところ。

○ 道としても、食や住宅、環境分野など、本道の強みやこれまでに蓄積された技術を活かし、極東地域の発展の潜在力を経済の活性化にしっかりと取り組んでいくことが極めて重要と認識。

(三) 5期発展プログラムの考え方について

これまでのプログラムでは産業分野ごとに計画が策定されているが、農業、水産、鉱業、経済各分野を見ても際立つものが見えない。第五期の策定に当たり、相加的な計画よりも、何か一つ特化した計画を出し合い実現していくことが、大きなインパクトを与える。どのような計画を念頭に考えているのか伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 知事

5期発展プログラムについてでありますが

○ 本年10月、初めてハバロフスク市において開催した道とロシア極東地域との常設合同委員会の定例会議において、次期プログラムの素案について、極東3地域の各政府代表団と協議を行い、新たに、経済発展に伴う食や住宅、環境分野などのビジネスチャンスにつながる方策について意見を交わした。

○ 道としては、今後、ロシア側各地域のニーズやこれまでの交流実績を踏まえるとともに、意欲ある道内企業の整備等への参入や、日露間の観光交流の活発化、農業党を含む安全・安心な食の提供など新たなプログラムにおける推進項目についてロシア側との間で協議を進めてまいりたい。

(四) ロシア極東への訪問について

鳥取県、新潟県、宮城県、兵庫県、富山県の知事を先頭にするトップセールスをはじめ、県職員の方々は毎年1度や2度訪れてくると聞いた。知事を含め職員の訪問の実績について伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 経済部長

ロシア極東への訪問についてでありますが

○ 現行のブログラム機関である2008年以降、知事は、友好記念行事への出席や、極東地域へのトップセールス、各知事との会談などのため、サハリン州とハバロフスク地方、を各1回、沿海地方を2回訪問しており、副知事は、常設合同委員会や民間団体が主催する交流会出席のため、サハリン州を3回、ハバロフスク地方、沿海地方を各1回訪問している。

○ 又、職員については、定期協議への出席や専門分野の技術協力のため、サハリン州に50回、ハバロフスク地方に9回、沿海地方に9回訪問している。

○ そのほか、2001年に設置した道サハリン事務所には、道職員が常駐し、極東地域における本道の情報収集の要となって、ハバロフスク、ウラジオストクにも年数

回訪問している。

(五) 民間や国の機関の活用について

各県は、ハバロフスク、ウラジオストクに設置されている日本センターも活用しながら、民間との経済交流を進めている。又、日本総領事館の力も借りながら情報収集や人的紹介を含め活用している。民間や国の機関をどう活用されているか伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 経済部長

国の機関等の活用についてでありますが

○ 道では、極東地域において、商談会、物産展等の各種事業を実施する際には、道のサハリン事務所を情報収集の拠点とするとともに、各地の日本総領事館の協力を頂きながら、ロシア関係機関との調整を行っている。

○ 又、国が設置した日本センターとの連携協力の下に、ウラジオストクにおいては、本道の水産加工技術の公演を、ハバロフスクにおいては、寒冷地製品の商談会などを開催してきたところ。

○ このほか、貿易取引の具体化や観光ツアーの実施にあたって、商社や旅行事業者等の民間企業と連携するなど、多様な交流の促進に努めてきたところ。

○ こんごは、常設合同委員会への参加や観光情報の発信などについて、こうした現地関係機関との連携を一層強め、経済交流の拡大に向けた取組を効果的に展開してまいりたい。

(六) 航空路線の整備について

ロシア極東地域との経済交流、民間交流を進めるにあたり、航空定期便、定期航路などの交通アクセスに課題がある。こんごの航空路線や定期航空路誘致にどのように取り組むのか見解を伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 経済部長

ロシア極東地域との航空路線などについてでありますが

○ 本年10月にハバロフスクで開催した「北海道とロシア連邦極東地域との経済協力に関する常設合同委員会」において、ロシア側からは、観光分野での交流発展や物流に関するプロジェクトを発展させるため、定期航路、航空路の開設など輸送分野での改善が提案されている。

○ 本道と隣接したロシア極東地域との人流や物流の拡大は、現在、道が策定を進めている北東アジア・ターミナル構想においても重要な施策であると考えている。

○ このため、道としては、航空路線について、現在運休中の「新千歳―ハバロフスク」線の再開に向け、サハリン空港などに対し要請を行い、また、定期航路については、港湾管理者などと連携しながら積極的に市場ニーズの把握の取組を進めるなど、交通ネットワークの充実に努めてまいる。

(七) 道の活動拠点について

今、各都道府県が、極東ロシアへの進出向けて積極的に取り組んでいる。北海道もユジノサハリンスクばかりでなく、ハバロフスクあるいはウラジオストクに事務所を設置して、情報収集、人脈の構築を図ってはどうか。事務所設置ないしは道職員の日本総領事館出向についてどのように考えているのか伺う。

所 管 :  経済部経営支援局国際経済室

答弁者 : 知 事

道の活動拠点についてでありますが

○ ロシア政府の新たな極東政策の下、さまざまなプロジェクトが展開されているハバロフスク地方、沿海地方との交流を一層深めるためには、きめ細かな、情報収集や本道と現地を結ぶ緊密なパイプづくりが、極めて重要と認識。

○ このため、道としては、日本センターをはじめ、現地政府関係機関との連携を一層強めるとともに、ネットワークづくりに取り組んでいく考え。

○ 今後、ロシアとアジア太平洋地域をめぐる国際情勢や、極東地域における各種国家プロジェクトの進展状況、道内外の企業の進出などを見極めながら、更なる交流の拡大に向けて、効果的な方法を検討してまいりたい。



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