※ 「 10 【常任委員会】 」 アーカイブ

議会報告 【文教委員会】 平成21年12月9日 「特別支援学校のあり方について」

水曜日, 12月 09, 2009

≪特別支援学校のあり方について≫

 

(一)高等養護学校について

(二)小規模校の在り方について

(三)視覚障がい教育のセンター校について

 

 

平成21129

質問者 :自民党・道民会議 千葉 英守

 

(一)高等養護学校について

 

 特別支援教育をめぐっては、特に、知的障がいのある児童生徒が増加する中で、児童生徒の状態に応じた教育を受けさせたいとの思いや、身近な地域から就学できる学校の整備が望まれており、当文教委員会にも旭川市及び千歳市から高等養護学校設置の請願が挙がっている。道教委が策定した特別支援教育に関する基本方針の中で、学校配置に関連する今後の施策として、高等養護学校への進学希望者の受入体制の整備などが示されているが、以下、この件に関連して伺ってまいる。まず、高等養護学校については、平成22年度配置計画において、全道で8間口増としており、道央圈では既存校において5間口増としているが、平成23年度以降についても一定程度進学希望者が増加するとした場合、新たな整備が必要とたってくると考えるが、今後の見通しを含めた対応について伺う。 

 

所 管 : 学校教育局特別支援教育課

答弁者 : 特別支援教育課長 

 

高等養護学校の受入体制の整備についてでありますが、

 

○ 知的障がいの高等養護学校の配置計画に当たっては、特別支援学校中学部や中学校特別支援学級等の卒業予定者のうち、進学を希望する者の状況などを踏まえ、必要な学級数を設定しているところ。  

 

○ 進学希望者数を正確に推計することには難しい面があるが、進学希望者の多くを占める、知的障がい、自閉症・情緒障がいなどの特別支援学級の生徒数は、平成215月現在で、中学3年生が735名に対し、中学2年生が755名となっていることから、平成23年度においても、進学希望者の増加が見込まれるところ。

 

○ また、旭川市や千歳市の関係の方からは、高等養護学校設置についての請願書が議会へ提出されているところであり、道教委としては、既存の特別支援学校の設置状況などを総合的に勘案しながら、道有財産はもとより、市町村立学校の廃校となる校舎の活用なども視野に入れ、引き続き、受入体制の整備に努めて参りたい。 

 

 

(二)小規模校の在り方について

 

 知的障がいを対象とする特別支援学校の義務校においては、校舎が狭隘化しており、道教委においては、本年度の国の緊急経済対策を活用して一部の学校で増築に着手することとしているが、まだまだ全てが解消されていない状況にあり、今後の検討が急がれるところである。在籍者が増加している学校かおる一方で、やはり少子化の影響からか視覚や聴覚など在籍者や寄宿舎に入舎している児童生徒が減少している学校も見られることから、これらの学校や寄宿舎の在り方についても検討する必要があると思うが、如何か。 

 

所 管 : 学校教育局特別支援教育課

答弁者 : 学校教育局長 

 

在籍者が減少している学校の在り方についてでありますが、  

 

○ 特別支援学校の在籍育については、近年、子どもの障がいの状態に応じた教育を受けさせたいとのニーズの高まりなどから、特に知的障がいの学校において増加傾向にあるものの委員ご指摘のとおり、視覚障がいや聴覚障がいの特別支援学校などにおいては在籍者や寄宿舎に入舎している児童生徒が減少している学校も見られるところ。

 

○ 道教委としては、特別支援教育を推進するに当たっては、「特別支援教育に閲する基本方針」に沿って、できる限り身近な地域において指導や支援を受けられる体制の整備を進めてきているところであるが、一方で、専門性の高い教育を推進するためには、学習や集団活動を効果的に行うことが可能となるような一定規模の児童生徒数が必要であり、今後、在籍者の減少している特別支援学校や寄宿舎の在り方について関係者のご意見もお聴きしながら、検討を進めて参りたい。

 

 

(三)視覚障がい教育のセンター校について

 

 私は、盲学校の在籍者が減少していく中で、専門性の維持向上を図る観点から、視覚障がい教育のセンター校の整備について提言してきており、特に高等盲学校が老朽化し、傾斜地に立地していることから、生徒の安全性や利便性の面からも早期の移転が必要と考えており、その際には知事公約にもある有朋高校跡地の活用が最も望ましいと考えております。また、PTAや同窓会、視覚障がい者団体などで構成する高等盲学校改築期成会からも、有朋高校跡地への移転改築の要望書が提出されており、道教委においても基本方針の中で、センター校の在り方及び整備について検討すると示しているところであり、平成20年度予算において調査検討費が計上されているが、現在の検討状況や今後の取り組みについて伺う。 

 

所 管 : 学校教育局特別支援教育課 

答弁者 : 教育長

 

視覚障がい教育のセンター検の検討状況についてでありますが、

 

○ 盲学校の在籍者が減少している中で、幼児児童生徒に対する指導内容や指導方法の工失が一層求められているところであり、障がいの特性に応じた専門性の高い敦育を維持していくためには、幼稚部から高等部までの指導のノウハウを蓄積し、各学校の教育活動を支援する機能をもった視覚障がい教育の拠点となるセンター校の整備が必要であると考えているところ。  

 

○ このため、平成20年度においては、在籍者が減少していることによる教育上の課題や今後の専門性の維持向上等に関し、道内の各盲学校の校長と意見交換を行うほか、保護者や教員を対象としたアンケートを実施し、また、道外の盲学校における先進的な取組についても調査を行ったところ。  

 

○ 現在、こうした調査の結果を踏まえながら、視覚障がい教育の拠点となるセンター校の整備の在り方について、検討を進めているところであり、関係部局と協議しながら、早期に方向性をとりまとめてまいりたい。

 

 

 


posted by 千葉英守   |    0 comments

議会報告 【文教委員会】 平成21年11月4日 「いじめ問題について」

水曜日, 11月 04, 2009

≪ いじめ問題について ≫

 

(一)点検結果について

(二)いじめの認知件数について

(三)改善を要すると評価した学校への指導について

(四)道教委の取組について

(五)学校と家庭との連携について

(六)いじめ防止への取組について

   

平成21年11月4日

質問者: 自民党・道民会議 千葉 英守

 

 

(一)点検結果について

 

 私はいじめ対策について数度質問に立っておりますが、ただ今報告のあった道教委の点検結果によれば、「十分にいじめ対策に取り組んでいる」と回答した学校が極めて多くなっている。このことは、道内ではいじめが大幅に減少していることを期待させるものだが、教育長はこの点検結果をどのように受け止めているのか伺う。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 教育長  

 

点検結果についてでありますが、

 

○ この度の点検は、昨年度、滝川市の中学校と十勝管内の高等学校において、いじめにかかわる重大な問題が発生したことを深刻に受け止め、各学校のいじめの問題への取組が危機感や緊張感をもっか継続的な取組となっているのか、なすべきことがしっかりとなされ、さらに改善すべき点はないのかなどの観点から検証し、いじめの問題への取組を一層強力に推進することを目的に実施したもの。

 

○ 今回の点検結果では、学校内の指導体制の充実など、組織的な取組については、改善されてきているところであるが、教職員の指導力を高める校内研修の充実や学校と家庭・地域とが連携した取組などに今なお、改善すべき課題が見られているところであり、今後とも、いじめの問題には、なお一層気を引き締めて取り組んでいく必要があると考える。

 

○ こうしたことを踏まえ、道教委としては、 「いじめは人間として絶対に許されない」との強い認識に立ち、各学校における、いじめの未然防止、早期発見・早期対応の取組が一層充実されるよう、また、特に、予防教育の観点を新たに取り入れて取り組むことができるよう、今後も継続して、各学校のいじめの問題への対応状況などを把握、検証し、更なる改善に努めてまいる。

 

 

(二)いじめの認知件数について 

 

 平成19年度に、文部科学省が行った「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、道内のいじめの認知件数は、5,144件となっている。この点検を行った時点では、学校が「いじめ」と認知しているのは何件あったのか。

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校安全・健康課参事  

 

点検を行った時点のいじめの認知件数についてでありますが、  

 

○ 道教委においては、今回の点検に併せて、4月から6月末までの各学校におけるいじめの認知件数を確認したところであり、その延べ件数は、小学校で837件、中学校で605件、高等学校で201件、特別支援学校で18件、合計で1,661件となっているところ。  

 

○ これらについては、各学校における指導の結果、6月末の時点でその92%の1,532件が、その後、残りの129件についてもいじめは見られなくなっていることを確認しているが、その後も、新たに認知されているいじめもあることから、引き続き、各学校において、指導に努めているところ。

 

 

(三)改善を要すると評価した学校への指導について

 

 一方、Cつまり「自分の学校の取組には、改善を要する」と考えている学校も見受けられる。 これらの学校に対しては、どのように指導しているのか。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校安全・健康課参事  

 

改善を要すると評価した学校への指導についてでありますが、  

 

○ この度の点検は、文部科学省が示している「いじめの問題への取組についてのチェックポイント」を参考にしながら、道教委が、5つの観点、29の点検項目を設定し、各学校が、それぞれの項目毎に自己点検を行い、その結果を、道教委や市町村教委の職員が確認するとともに必要な指導を行ったもの。  

 

○ 特に、「改善を要する」と評価した項目のある学校に対しては、その原因や今後の対応方針などについて協議を行うとともに、他校の取組事例を示すなどして、早急に改善を図るよう指導を行ったところ。  

 

○ 現在、こうした改善指導を行った学校におけるその後の取組の状況について、道立学校に対しては、各教育局の指導主事による学校訪問を通して確認を行っているところ。  

 

○ 市町村立学校については、市町村教委が、その後の状況の把握や校長会を通じた指導を行っているところであり、また、道教委としても、市町村教委と連携しながら、各教育局の指導主事が学校を訪問し、確認や指導助言を行っているところ。

 

 

(四)道教委の取組について

 

 「児童生徒のいじめや生活の様子について、聞き取り調査や質問紙調査を行うなど、きめ細かく把握に努めているか」という項目については、ほぼ99%と圧倒的多数の学校が取り組んでいると答えている。しかし、最近問題となったいじめ事件では、生徒はいじめがあることを知っていたにも拘わらず、教員は誰一人気付かなかったという事例が相次いでいる。 これまでもさまざまな場面で、学校の認識と児童生徒あるいは保護者の受け止め方との間には、大きな開きがあるということが指摘されており、今回の点検結果のまとめにおいて道教委自身も「児童生徒に対し学校が行っている指導が、いじめに関わる児童生徒の意識に必ずしも結び付いていない」としているところである。これについて、道教委はどのように取り組む考えか伺う。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校教育局次長  

 

道教委の取組についてでありますが、  

 

○ この度の点検結果では、いずれの点検項目においても、取組が進んでいる状況にあると受け止めているが、今年度実施された全国学力・学習状況調査における質問紙調査では、「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う」という質問項目に対して、「当てはまらない」または「どちらかというと当てはまらない」と回答した児童生徒が、小学校で5.3%、中学校で11.8%となっており、学校が行っている指導が、児童生徒のいじめに対する意識の醸成に必ずしも結び付いていないという状況も見られるところ。  

 

○ 道教委としては、児童生徒一人一人が、「いじめは人間として絶対に許されない」との認識を 持つことが重要であると考えており、道徳教育をはじめとする学校の教育活動全体を通じて、「いじめはあってはならないこと」について、さらにしっかり指導が行われるよう、教員研修の充実に努めるとともに、道教委が実施している、「ストップ・ザ・いじめ」子ども会議のような児童生徒自らが主体的にいじめについて考える取組を市町村教委や学校においても行っていくよう、働きかけるなどして、児童生徒の意識を高める教育活動の一層の推進に向け取り組んでまいる。

 

 

(五)学校と家庭との連携について

 

 滝川市の小学生の事件を受けて道教委は、平成1812月にいじめ防止に向けた今後の対応を示している。その中では学校に対して、保護者や地域住民の理解を得ることにも努めるよう、促している。点検結果では、小・中学校の6割以上が家庭訪問や学校通信などを通じ、家庭との緊密な連携協力を図っていると回答しており、道教委の指導は効果を発揮しているように見える。しかし、保護者から見た場合は、本当にそうなっていると受け止められているのか。多くの同僚議員が地元で耳にする話からすれば、実際とはずいぶん違うということである。学校の取り組み状況をどのように評価しているのか。保護者に対しても調査すべきと考えるがどうか。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校教育局次長  

 

学校と家庭との連携についてでありますが、  

 

○ この度の点検においては、学校と家庭とが連携した取組について、 

・いじめの問題に対する学校の方針を明確にし、参観日や学校便り等において保護者に伝えていること 

・PTA懇談会や家庭訪問で、いじめの問題について、保護者からの意見を聞いていること

などが報告されているところ。  

  

○ その一方で、

・学校の方針を公表するだけで、広く家庭や地域への周知を図っていないこと

・PTAや地域と協力して、いじめの問題に取り組む機会を設けていないことなど、

保護者の理解や協力を十分得ているとは言えない状況も見られるところ。  

 

○ 道教委としては、学校が家庭との連携を強めていくためには、学校評議員会やPTAなどの協議の場で、いじめの対応に関する話題を取り上げ、保護者や地域の方の意見や要望を伺い、受け止めるとともに、学校評価を行う際に、各学校におけるいじめの問題への対策やその取組状況を評価項目として設定するなど、自校の取組が保護者にどのように受け止められているかを把握することが大切であると考えており、こうした取組がすべての学校で適切に行われるよう、学校及び市町村教育委員会に対して、指導助言に努めるとともに学校の取組状況についても把握してまいる考え。  

 

 

(六)いじめ防止への取組について

 

 先の第三回定例議会で我が会派は、学力向上など子どもたちに関わる重要な課題について、教育委員が知事と懇談できる場を持つべきであることを提案したところである。この問題も、極めて深刻な課題であり、率直な意見交換を行って、知事の力も借りながら、道民挙げて、いじめ防止に取り組み、結果を出すことが大切であると考えるが、教育長の見解を伺う。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 教育長  

 

いじめ防止への取組についてでありますが、  

 

○ 現在、青少年の非行防止やいじめ・虐待問題への対応など、教育や子供の健全育成等に関して、分野横断的な行政課題が多くあり、教育委員会が知事部局とさらに連携を深めていくことが、重要になってきていると認識していることから、知事と教育委員が率直に意見を交換し、施策を推進していくことは、大切なことであると考えているところ。  

 

○ 今年度は、7月に、いじめや不登校の問題などについて、意見交換を行ったところであり、11月中旬には、第2回目の懇談が予定されているところ。  

 

○ 道教委としては、この席において、今回のいじめ問題への取組の点検結果についても話題として取り上げていただき、知事部局との連携を一層深めてまいりたいと考えている。  

 

○ また、今後とも、その時々の課題に応じて、積極的に知事と教育委員との意見交換を行ってまいりたいと考えている。

 

 

 


posted by 千葉英守   |    0 comments

議会報告 【文教委員会】 平成21年8月4日 「総合学科について」

火曜日, 8月 04, 2009

《 総合学科について 》  

 

(一) 総合学科の成果について
(二) 全国的な評価について
(三) 卒業生を対象とした調査について
(四) 調査の実施について
(五) 総合学科の充実について
(六) 知事部局との連携について

 

 

平成21年8月4日  
質問者 自民党・道民会議  千葉 英守   

 

 

(一) 総合学科の成果について  
 

 道教委では、これまで、総合学科や単位制などの新しいタイプの学校の設置を進めてきているところである。特に、総合学科については、平成9年度に初めて十勝管内の清水高校に設置してから、これまでに公立高校12校に設置しているところであり、はじめての設置から12年を経過していることから、総合学科校における教育実践についての成果や課題など、総合学科としての評価をしっかり行っていくことが求められていると感じている。そこで、このことに関して、何点か伺いたい。総合学科については、普通科と専門学科の両方の特色を併せ持つ学科として設置され、特色ある教育活動を展開していると聞いているが、実際にどのような成果をあげているのか伺う。

 

所  管 新しい高校づくり推進室
答弁者 参事(改革推進)

 

総合学科の成果についてでありますが
○総合学科は、将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせ、生徒の個性を生かした主体的な学習を通して学ぶことの楽しさや成就感を深めさせることができる学科であることなどから、平成5年に、普通科及び専門学科と並ぶ新しい学科として制度化されたのを機に、本道においても、平成9年度からその設置に取り組み、既存学科からの転換や学校・学科の再編に併せて、その整備を進め、これまで、8管内の12校に設置してきているところ。

 
○ 総合学科からは 
 ・ 生徒自らの科目選択や少人数指導・習熟度別指導の実施などにより学習意欲が高まり、学力の向上が図られたこと、また、
 ・ 総合学科の必履修科目である「産業社会と人間」の中では地域の起業家による実験体験を踏まえた特別講義やインターシップの実施などが行われており、こうした取組を通して、勤労観や職業観が育成され、将来を見通した進路選択ができるようになったことなどの成果が報告されるとともに、大学進学率や就職内定率が上昇し、中途退学率が低下した学校も多く見られているところ。

 

(二) 全国的な評価について  
 

 総合学科は、全国で設置が進められており、昨年4月現在の設置校数は330を超える状況である。これだけ総合学科校が増えていることから、総合学科についての評価も重要であると考える。そこで、全国的には総合学科に対してどのような評価がされているのか伺う。

  

所  管 新しい高校づくり推進室  
答弁者 参事(改革推進)

 

全国的な評価の状況についてでありますが  
○ 平成19年度に国立教育政策研究所が総合学科校とその生徒を対象とした全国的なアンケート調査を実施しておりますが、学校に対する調査からは、  
・ 「目的意識をしっかり持って授業に参加する生徒が増え、学習意欲が向上した」  
・「進路目的を早期に設定できる生徒が増えた」 ことなどが成果としたてあげられ、また、生徒に対する調査ではその約8割が総合学科で学ぶことについて、「満足」または「ほぼ満足」と答えており、満足している点として、「趣味・関心等に応じて教科・科目を選択できる」、「多様な選択科目が開設されている」ことなどがあげられていたところ。

 
○ 学校からは  
・「安易な科目選択をさせない工夫が求められる」  
・「教員によるガイダンスが多様化する進路に対応できていない」ことなどがあげられ、また、生徒からは、「進路について考える時間が必要である」、「施設・設備が不十分である」といったことが上げられていたところ。

 

(三) 卒業生を対象とした調査について  

 

 総合学科においては、一定の成果をあげている印象を受けているが、実際に総合学科で教育を受け卒業した生徒に対して、総合学科で学んだことについてどのように思っているのかなどの声を聞く必要があると考えている。これまでに、本道において総合学科を卒業した生徒を対象とした調査は行われているのか、また、全国的な調査についてはどうかを伺う。

   

所  管 新しい高校づくり推進室  
答弁者 参事(改革推進) 
 

卒業生を対象とした調査についてでありますが  
○ 道教委としては、これまで、総合学科校における教育実践の内容や導入前後の生徒の進路動向などを把握してきておりますが、総合学科を卒業した生徒を対象とした調査等は行っていないところ。

 
○ また、全国的な調査としては、平成11年に当時の文部省が設置した「総合学科の今後の在り方に関する調査研究協力者会議」が実施した総合学科校の在校生や保護者、卒業した生徒などを対象とした総合学科に関する意識調査があるところ。

  
○ この調査によると、卒業生の約8割が総合学科で学ぶことについて、「満足」又は「ほぼ満足」と答えているとの結果が報告されているところ。

 

(四) 調査の実施について
  

 今年3月、道内で総合学科の卒業生を出した学校は9校となり、その数も1,200人を超えている。本道においても、そろそろここらあたりで、総合学科を卒業した生徒を対象とした調査を実施し、卒業生からの声も聞きながら、様々な観点から総合学科の教育実践等に関して、分析していく必要があると考える。今後、道教委としてどのように対応していくのか伺う。

 

所  管 新しい高校づくり推進室
答弁者 新しい高校づくり推進室長

 

調査の実施についてでありますが  
○ 総合学科における教育の改善・充実の為には、総合学科校における成果や課題等を様々な角度から把握し、分析していくことが大切であると考えているところ。

  
○ 道教委では、これまで、総合学科校における教育実践の内容等の把握ということでの調査を実施しておりましたが、今年度におきましては、委員からご指摘の点を踏まえ、総合学科の卒業生を対象とした調査も行うこととし、調査の方法や内容などについて、大学の研究者からの専門的な意見等を伺いながら、早急に検討してまいりたい。

 

(五) 総合学科の充実について

 

 総合学科校においては、その特色を生かした様々な教育活動を展開しているようである。また、来年には余市町で、再来年には美唄市で総合学科が設置されることになっており、総合学科における教育の充実は、本道の高校教育を推進する上でも重要であると考えている。今後、道教委として、総合学科における教育の充実に向けてどのように取り組んでいくのか、伺う。

 

所  管 新しい高校づくり推進室  
答弁者 教育長

 

総合学科の充実についてでありますが  
○ 近年、少子化の進行などにより、総合学科校においても学級規模が縮小し、開設科目の維持が難しくなることや、また、生徒の興味・関心や進路希望等が多様化する一方で、進路意識が十分でないまま科目を選択する生徒がいることなど、課題となっているところ。

  
○ こうした中、これまで、総合学科校においては、地域や学校の実態に合わせた開設科目の工夫や進学や就職希望にも対応した魅力あるカルキュラムとするため、情報系列と観光ビジネス系列を大括にした商業・情報系列といった新たな系列にまとめたりするなど工夫、さらに、必履修科目である「産業社会と人間」における進路選択や科目選択のガイダンス指導の充実などに取り組んできているところ。

   
○ 今後、多様化する生徒の進路希望等に適切に対応していくためにも、総合学科の機能は有効であることから、道教委としては、総合学科における成果と課題等の分析結果なども踏まえながら、総合学科の本来の機能が十分発揮できるよう工夫・改善を重ねつつ、地域の学校・学科の配置状況にも配慮し、総合学科校を多くの通学区域に設置できるよう検討して参りたい。

 

(六) 知事部局との連携について  
 

 総合学科を多くの通学区域に設置するということであるが、本道においては、総合学科の設置に関わり、産業教育の振興が重要であると考える。特に、道においては、企業誘致を進めているところであるが、そういった産業を発展させていくためには、産業を担う若い労働力が必要である、そして、そのためには、産業教育において、北海道の将来を担う人材の育成という観点にたって、知事局と十分連携し、人づくりを進めていくことが大切である。このことについてどのように考えているのか、教育長に伺う。

 

所  管 新しい高校づくり推進室(高校教育課)
答弁者 教育長

 

知事部局との連携につてでありますが  
○ 高等学校における職業教育は産業経済の発展と地域社会の振興に寄与する有為な職業人の育成に大きな役割を担っているものと考えており、そういった点で、時代の要請に応える産業人材の育成・確保に向けた施策を進めることとしている知事部局との連携は大切なものと考えているところ。

 
○ こうしたことから、道教委では、これまでも、知事部局との連携を図った「ものづくり人材育成事業」の実施による技術・技能の向上を目指す教育等にも取り組んできたところであり、さらに、今年度から実施する「専門高校 Power Up プロジェクト」推進事業においても、知事部局と連携し、道立の試験研究機関はもとより、大学や地域の企業の協力・支援による実習や研究を行うなどして、将来の地域産業を担う実践的な能力を身につけた人材の育成に努めることとしているところ。

 
○ 道教委としては、本年2月の北海道産業教育審議会からの提言も踏まえ、今後とも、知事部局との連携を図りながら、新しい産業技術や経済システムなどに適切に対応し、本道の明日の地域を支え産業を担うことのできる人材の育成に努めてまいりたい。

 

 

 


posted by 千葉英守   |    0 comments

議会報告 【文教委員会】 平成21年6月15日 「公立高等学校配置計画案について」

月曜日, 6月 15, 2009

《 公立高等学校配置計画案について 》

 

(一) 今年度の計画案策定について

(二) 計画の変更について

(三) 再編整備等について

(四) 学級減について

(五) 新しい高校づくりについて

(六) 地域キャンパス校について

(七) 地域の意見などについて  

 

 

平成21年6月15日 

質問者 : 自民党・道民会議  千葉 英守

  

   

公立高等学校配置計画案について 

 

 6月2日の文教委員会において、平成22年度から24年度までの「公立高等学校配置計画案」が報告されました。 

 平成24年度においては、全道的には若干ながら中学校卒業者数が増加する年度となっており、昨年度の計画と比べても、再編や学級減となる学校数は少ないものとなっていますが、生徒の募集停止となる学校や再編対象となる学校のある地域にとっては、地域から学校がなくなってしまうという非常に大きな問題であり、新聞報道などでも様々な反響があるところであります。配置計画案については中長期的視点に立った3年間の計画が示されており、地域のみならず、学校関係者などにも様々な影響を与えるものであることから、十分に議論をし、検討していかなければならないものと考えております。以下順次伺って参ります。 

 

 

 

(一) 今年度の計画案策定について   

1 配置計画案策定の考え方について  

 

 初めに、この度の計画案を策定するに当たっての基本的な考え方を伺います。今年度公表された配置計画案は、高校配置計画を策定するに当たっての基本的な考え方である「新たな高校教育に関する指針」が策定された後、3回目となる計画案であるが、どのような考え方で策定されたのか。 

  

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 新しい高校づくり推進室長  

 

計画案策定の基本的な考え方についてでありますが  

○ この度の配置計画案は、「新たな高校教育に関する指針」の考え方に基づき、中学生の早い段階での進路選択に資するため、平成22年度から平成24年度まで3年間の具体的な計画とその後の4年間の見通しをお示ししたものであり、これまで同様、中卒者の増減に適切に対応し、教育水準の維持向上などを図る観点から、地域の実情、私立高校の配置状況等を考慮しながら定員の調整や学校の再編整備を行うとともに生徒の多様な学習ニーズに対応するため単位制やフィールド制の導入などもお示ししたところ。   

   

 

2 石狩一学区化について  

 

 特に今年度は、石狩管内の通学区域が一学区となって、初めて策定される配置計画案となるが、石狩学区の配置計画案を検討するに当たって、生徒の進路動向など一学区化の状況をどのように分析したのか、伺います。  

 

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(改革推進)

    

石狩一学区化の状況の分析についてでありますが  

○ 本年度の入学者選抜における石狩管内の全日制普通科への出願状況について、旧学区間の生徒の動向に着目してみたところ、管内の出願者数14,205人のうち、旧学区外への出願者数は4,016人割合は28.3%であり、前年度と比較すると、人数で871人、割合で7.2ポイント増加しているところ。特に、隣接する学区への出願者を中心に増加しており、受験する生徒にとっては、高校の選択肢が広がったものと考えられるところ。  

○ また、学校ごとの出願状況についてみると、特定の学校における出願の集中や欠員の増加など、生徒の進路動向に極端な動きはみられなかったところ。  

○ 道教委としては、今後も継続して、生徒の進路動向を把握し、注視して参りたいと考えているところ。  

 

 

(二) 計画の変更について  

 

 昨年度に決定した平成22年度から平成23年度までの計画について、いくつか変更となった内容がありますが、その中でも、中川商業高校については、23年度に生徒の募集停止となることが新たに公表されました。どのような理由で計画変更により生徒募集停止とすることとしたのか、考え方を伺います。

 

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(高校配置)  

  

計画の変更についてでありますが   

○ 「新たな高校教育に関する指針」におきまして、配置計画を策定した後、急激な中学校卒業者数の増減や生徒の進路動向の変動などが生じた場合は、必要に応じて配置計画の一部を変更することとしております。ご質問のございました、中川商業高校におきましては、平成19年度における入学者が18人、平成20年度は10人と、2年連続して20人を下回っていたことから昨年来、地元とも協議を続けてまいりましたが、21年度においても入学者が11人にとどまったこと、また、平成23年3月の中川町内の中学校卒業者見込み者数が、9人と見込まれており、それ以降も中卒者のぞうかが見込まれないことに加え、生徒の進路動向なども総合的に勘案した結果、望ましい教育環境が維持できないとの考えから、今回、平成23年度に募集停止とする案をお示ししたところでございます。 

 

   

(三) 再編整備等について  

 

 この計画案においては、日高学区において、浦河高校と様似高校の再編について示されておりますが、どのような考え方で示されたのか考え方を伺います。また、どのような学校とするのかが示されておらず、学科等は検討中とされているがどのような状況なのか、併せて伺います。 

  

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(高校配置)  

   

浦河高校と様似高校の再編についてでありますが  

○  両校は、隣接する浦河町と様似町に設置されており、浦河高校は普通科第1学年4学級様似高校については、商業科1学級の学校であり、今後の学区内の中卒者数の減少などにより将来的に望ましい学校規模を維持することが難しいと見込まれるため、生徒の学習環境の充実を図る観点から再編整備を行うとするものでございます。  

○なお、普通科と商業化の再編となることから、学科などにつきましては、新しいタイプの導入を含め、検討中としているところであり、今後、地域の方々のご意見などを伺いながら学科構成を検討していくこととしているところ。 

 

 

(四) 学級減について  

 

 平成24年度における学級減については、釧路学区の阿寒高校での1学級のみの内容となっていますが、現在、阿寒高校は1学年2学級の学校であり、1学級の減を行うと1学級の学校となってしまいます。地元からは、従前から学校存続の要望が出されていたと伺っており、1学級の学校になるということで、地元では大変な危機感を持っているものと思われます。阿寒高校での学級減の考え方とその後の取り扱いについて伺います。  

 

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(高校配置)  

     

阿寒高校における学級減についてでありますが  

○ 阿寒高校においては、恒常的な欠員が30人程度あること、当初の出願者数は、1学級程度の出願数となっていること、また、旧阿寒町からの入学者も1学級に満たない人数で推移していること、こうしたことに加え、釧路市内及び釧路町内の中学校卒業者数が、前年度と比較し56人の減少となっており、定員調整が必要となっていることなどを総合的に検討した結果、1学級減をお示ししたところ。   

○ なお、今後につきましては、1学級となったことから、生徒の進路動向なども考慮しながら、地域キャンパス校化についても、検討を進めてまいる。

   

 

(五) 新しい高校づくりについて  

 

 今回の計画案の中では、平成23年度に千歳北陽高校でフィールド制を、平成24年度に大麻高校で単位制を導入するなど、新しい学校づくりを進めようとしているが、その中で、札幌白陵高校について伺う。

   

1 学校における取組について  

 

 白陵高校については、昨年6月の文教委員会においても質問したところである。その中には、ここ数年、中途退学者が多くなっており、入学者についても欠員が続いている状況ということであり、学校では生徒指導をはじめ、教育活動の改善に取り組んでいるということであったが、その後、どのような状況か、伺います。

   

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(改革推進)  

 

学校における取り組みについてでありますが  

○ 札幌白陵高校においては、これまで、中途退学者が多いことや、入学時における欠員が続いていることなどの課題があったことから、平成19年度から、校長のリーダーシップのもと、教職員が一丸となって、生徒指導や学習指導に重点的に取り組むとともに、校内の委員会において、目指す生徒像や学校像、教育課程の改善などについて検討を重ねてきたところ。  

○ こうした取組により、ここ数年100名に達していた中途退学者は昨年度3割程度減少し、また、本年度の入学者数についても10年ぶりに募集人員を満たしたところであり、最近では、授業規律の維持や問題行動の防止に取組、町内清掃等ボランテア活動などを通して地域から信頼される学校づくりに努めているところ。 

 

  

2 具体的な学校づくりについて  

 

全道的に少子化が進む中、平成23年度には石狩学区の中学校卒業者も大幅に減少し、白陵高校においては6間口から4間口となる状況である。ただいまの説明で、学校では様々な取組をすることで、成果も上がって来ているということであるが、配置計画案によると、どうこうにおいては多様な学習ニーズ等に対応した教育課程の編成を検討するとしている。具体的に、どのように検討し、どのような学校づくりを目指しているのか、伺います。  

 

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(改革推進)  

 

教育課程の検討についてでありますが   

○ 札幌白陵高校においては、中学校までの学習内容の学び直しを希望する生徒から自己の能力を伸ばしたい生徒まで、多様な学習ニーズがあり、このような生徒の実態に対応したきめ細かな指導が可能となる教育課程の編成が必要と考えているところ。  

○ このため

  • 学び直しを希望する生徒に対応し、学校が目標や内容等を定める学校設定科目の開設
  • 習熟度別指導や少人数指導、ティーム・ティーチングなど、充実した学習指導による基礎的・基本的な学習内容の確実な定着  
  • ボランティア活動やインターシップなどの体験活動を取り入れた学習の充実  

 などについて検討することとしているところ。  

○ 道教委としては、生徒の実態に応じた魅力ある学校づくりの推進に向け、関係部局とも調整を図るなどして、検討を進めてまいる。  

 

 

(六) 地域キャンパス校について  

 

 地域キャンパス校については、平成22年度から新たに函館市内の南茅部高校に導入するとなっている。このシステムは昨年度から導入し1年が経過したところであり、センター校との連携による学習指導などの充実を図っていることを伺っているが、実際に取り組んでいる学校においては、どのような成果や課題があったのか、また、今後どのように進めていくのか、伺います。

   

所 管 新しい高校づくり推進室  

答弁者 参事(改革推進)

   

地域キャンパス校についてでありますが  

○ 昨年から導入している学校においては、出張授業や遠隔授業、生徒を対象とした地域キャンパス校とセンター校合同の進路説明会、教員相互の研修などを実施しており、これらの学校からは  

  • 出張事授業において、ティーム・ティーチングにより学習意欲が高揚した  
  • 合同の進路説明会により、進路意識が向上した  
  • 教員研修により、指導方法等の改善・充実が図られた  

などの成果が報告されているところ。  

○ 一方では  

  • 出張授業を行う教員が移動を伴うことから、生徒が質問したくても、時間がなくて聞けないことがある  
  • 遠隔授業において、カメラの扱いに不慣れなことから、生徒の把握が難しい  

などといった課題も報告されているところ。  

○ こうしたことから、道教委としては、今後とも、実施校における成果と課題を検証していくとともに、地域キャンパス校・センター校だよりの発行により特色ある取組などの情報提供に努め、また、全道の地域キャンパス校及びセンター校の担当者などが参加する連携研究協議会の場などでの意見交換を通して情報の共有を図るなどして、地域のキャンパス校における教育環境の一層の充実に努めてまいりたい。  

 

 

(七) 地域の意見などについて  

 

 この度の配置計画案は、中卒者数が微増する年度を対象としていることから昨年策定した計画案の内容と比べても、対象となる学校数は少なく、再編や学級減の規模は小幅なものとなっているが、高校がなくなることは、子供たちはもちろんのこと、地域の活性化なども含め、与える影響は大きいものと考えます。

 道教委では、毎年、地域別検討協議会を開催し、地域関係者から直接、意見を伺っているとしていますが、地域には様々な事情があり、議会の方へも高校配置計画に係わって、色々な陳情・要請がよせられています。北海道においても、少子化が続いていく中、本道の高校教育の充実のためには、高校の再編は必要なものと考えますが、道教委としては、地域に対してていねいな説明に努めることはもちろんのこと、特に、関係する地域からの要望・意見などには十分耳を傾け、検討を進めるべきと考えるが、見解を伺います。  

 

所 管 新しい高校づくり推進    

答弁者 教育長  

 

配置計画の策定についてでありますが  

○ 道内の中学校卒業者数は減少を続けており、平成23年度には初めて5万人を切り、ピークであった昭和63年の約5割となる見込みである。こうした大幅な中学校卒業者数の減少により、高校の小規模校化が進む中で、活力ある教育活動を展開していくためには、高校の再編は避けて通ることのできない課題であると考えているところ。  

○ しかしながら、委員ご指摘のとおり、高校再編が地域に与える影響は大きいことから、これまでも、高校配置計画案の策定に当たりましては、一律に再編を行うのではなく、地域の実情などにも配慮するとともに、各通学区域ごとに地域別検討協議会を開催し、市町村長をはじめ教育関係者などからご意見を伺うなどして、検討を進めてきているところ。  

○ 今回お示しした配置計画案についても、議会議論はもとより、2回目の地域別検討協議会を開催し、地域関係者の方々の意見を伺うとともに、必要に応じ、地元主催の説明会などにも出向き、道教委の考え方などについて説明を行うなどして、地域の方々のご意見やご要望を伺いながら、さらに検討を進め、成案として取りまとめて参りたい。

 

 

 


posted by 千葉英守   |    0 comments

議会報告 【文教委員会】 平成21年6月2日 「十勝管内道立高校におけるいじめ事故について」

火曜日, 6月 02, 2009

≪十勝管内道立高校におけるいじめ事故について≫

 

(一)十勝管内道立高校で発生したいじめについて

(二)道教委のこれまでの対応について

(三)いじめを受けた生徒といじめを行った生徒への対応について

(四)道教委の高校への支援について

(五)いじめ根絶に向けた取組について

 

 

平成2162

質問者 :自民党・道民会議 千葉 英守

 

  

(一)十勝管内道立高校で発生したいじめについて

 

 昨年の8月から、2年生の男子生徒9名が、一人の生徒を集団でいじめていたということであり、しかもその内容が「ズボンを脱がして写真に撮り、それをインターネットに掲載した」ということであります。マスコミにも大きく取り上げられた事件でありますが、大都会の高校ではなく、のどかな地方の学校での事件であり、また、その内容に正直なところ「ここまでやるのか」と、暗澹たる思いであります。まず、これをどうお考えになるのか、教育長の見解を求めます。

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 教育長  

 

十勝管内道立高校で発生したいじめについてでありますが、  

 

○ この度の事故は、小・中・高等学校を問わず、道教委が市町村教育委員会と連携していじめ根絶に向けた取組を実施している中で発生したものであり、特に、

・一人の生徒に対し、昨年9月から半年以上にわたり、9名という大勢の生徒がいじめにかかわっていること

・いじめの内容が悪質であること

・長期にわたるいじめに教職員が気付かなかったこと

など、日頃の生徒指導において大きな問題があり、私としても深刻に受け止めているところ。  

 

○ 私としては、今回の事故を真摯に受け止め、この問題を、一つの学校、一つの地域でのことと、とらえることなく、どの学校でも起こり得るものであるという観点に立って、それぞれの学校におけるいじめの対応状況を点検しながら、いじめの根絶に向けた取組を、より一層推進していかなければならないものと考えているところ。

 

 

(二)道教委のこれまでの対応について

 

 私は、これらの行為は、最も悪質な行為であると思っています。いじめられた生徒が、気丈に、いじめに耐えてくれたから良かったものの、「かつての滝川市の小学生の事件のように、自殺という最悪の結果をまねいていたならば」と考えると、何とも言いようのない憤りを覚えるものであります。また、1学年にたった2クラス、80名足らずしかいないのに、一部の生徒は知っていたけれど、教師は誰一人として気付かなかったということだそうでありますが、現在、滝川市教委が報告書を作成中と聞いている、滝川市の中学校の事件と全く同じ状況であります。一体、学校経営はどうなっているのか、教師は何を見ていたのかと言わざるを得ません。この事件は、報道が先行し、保護者や生徒に情報がないまま混乱したという話も聞きます。学校も対応に苦慮したと思うが、十勝教育局や道教委本庁は、この問題の対応にどのような汗をかき、どのような指導を行ってきたのか、お伺いします。

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校安全・健康課参事  

 

道教委のこれまでの対応についてであるが、  

 

○ 道教委としては、この度明らかになったいじめが生徒の心に深い傷を負わせていると考えられることから、いじめを受けた生徒の心のケアを行うことを最優先させることとし、緊急にスクールカウンセラーを派遣したところ。  

 

○ また、いじめにかかわった生徒の人数も多く、半年以上にわたって、いじめが行われていたことなどから学校においては、生徒間の人間関係の修復や校内の指導体制の立て直しなど多岐にわたる対応が必要となっているところ。  

 

○ こうしたことから、教育局の職員を直接学校に派遣し、状況の把握に努めるとともに、当面、学校がとるべき対応や今後のいじめの再発防止に向けた取組について強く指導しているところ。  

 

 

(三)いじめを受けた生徒といじめを行った生徒への対応について

 

 生徒指導の面で伺います。被害者となった生徒の心のケアと、加害者である生徒に対する処分の問題があるが、どのような観点を重視して対応したのかお示し頂きたい。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校安全・健康課参事  

 

当該高校における生徒への対応についてでありますが、  

 

○ いじめを受けた生徒については、先ほど申し上げたように心のケアを行うことを第一として取り組んでいるところであるが、保護者からは、

・安心して学ぶことのできるいじめのない環境づくりをしてほしいこと

・学校生活に対する不安を取り除いてほしいこと

などの要望が出されていることを踏まえ、校内における生徒の生活状況を十分把握できるよう校内巡視体制の強化を図っており、また、教職員によるケア担当グループを編成し、いじめにかかわった生徒の学校生活全般をサポートしながら、不安の解消に努めているところ。  

 

○ いじめにかかわった生徒については、全員が停学処分となっているが、いじめへのかかわりの度合いや、いじめの回数がそれぞれ異なっていることから停学の日数に軽重をつけ指導したところ。  

 

○ また、停学解除後においても、多数の生徒で一人の生徒をいじめるなど、自分たちの行ったことの過ちに気付かせ、心から済まないと反省させるよう、継続的に個別指導を行っているところ。  

 

○ なお、今回の事故は、狭い地域社会の幼なじみの間で起こっており、今後もいじめを受けた生徒といじめにかかわった生徒の関係が継続することが予想されることからいじめを受けた生徒の心のケアを行うことを最優先としながら、生徒の将来に十分配慮した指導が必要と判断したと聞いているところ。  

 

 

(四)道教委の高校への支援について

 

 学校では再発防止に向け、相談体制の充実、インターネットの問題など情報モラル教育の実践の徹底、人とのつながりの大切さなどについて取り組むとのことであります。しかし私には、この事件からどのような教訓を得て取り組もうとするのか、残念ながらそれが見えてこないのであります。全校挙げて教師も生徒も、お互いの心の琴線に触れるような、こんなふうな事をやって行くんだというものが無ければならないのではないだろうかと思います。道教委として、どのように支援、指導する考えなのかお伺いします。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 学校教育局次長  

 

高校への支援についてでありますが、  

 

○ 当該高校においては、二度といじめを起こさないようにするために、学校側の取組として、

・学校生活の規律の向上を図る生徒指導の充実

・生徒のサインを見逃さない体制づくり

・地元の教育委員会など地域関係機関との連携の強化

などを柱として対応に努めているところであり、また、生徒の主体的な活動として、いじめ根絶の意志を表す黄色いリボンを当該高校の生徒会執行部と教職員が身に付け、さらに全校生徒に対してもリボンを身に付けることを呼びかける「イエローリボン運動」を展開するなど、教職員と生徒が一体となって学校のいじめ根絶の機運を高める取組を進めているところ。  

 

○ こうした学校の対応は、今始まったところであり、道教委としても、学校の取組の状況を把握しながら再びいじめ事故が発生することのないよう、積極的に指導を行ってまいる。    

 

 

(五)いじめ根絶に向けた取組について

 

 私は、前々から疑問に思っているのですが、教育委員会の関わり方というか、あり方についてであります。今回の事件は、幼い頃からの固定された人間関係の中で起こったとされているわけですが、小中学校は市町村教委が責任を持ち、道立高校は道教委が責任を持ちますという体制になっています。学校の設置者として、制度的に区切るのはわかるとしても、今回のような事件があると、地域ぐるみで子どもたちを見守ること、そのような体制が必要だと言えるのではないでしょうか。小、中、高校の一貫した連携が必要であり、その意味で、道立学校と地元の教育委員会が意見を交換することがあって然るべきではないかと考えます。先ほど、この高校も地域ぐるみでいじめ根絶に取り組むという話がありましたが、改めて道教委の基本的な考え方をお聞かせ頂きたい。

 また、いじめは、絶対にあってはならないことです。全道の学校にも、いじめの防止について、改めて指導すべきではないかと考えますが、併せて伺います。  

 

所 管 : 学校教育局学校安全・健康課

答弁者 : 教育長  

 

道教委における取組についてでありますが、

 

○ この度の事故は、小学校から継続している人間関係の中で、高校入学前からの悪ふざけがエスカレートして起こったという側面をもっており、今後、同様の事故を起こさないようにするためには、特に、小・中学校と高校が連携した生徒指導を行うとともに、家庭や地域の関係機関との協力による地域ぐるみの取組が重要であると考えているところ。  

 

○ 当該高校においては、校長が地元の教育長と意見交換を行い、地域が一体となって取り組んでいく必要があることを確認したところであり、道教委としても、いじめ防止は、家庭と地域と一体となった取組が必要と考えており過日、十勝教育局長が地元教育委員会に出向き、当該高校への支援を要請したところ。  

 

○ また、今回の事故を踏まえた道内の他の学校への指導については、まずは、各学校における、いじめの未然防止対策の実施状況を確認する必要があると考えている。  

 

○ そのため、すべての道立学校に教育庁職員が出向き、この春、各学校に改めて通知した 「いじめの未然防止、早期発見・早期対応に向けた取組の充実について」に基づいて、各学校の取組が適切に行われているかどうか点検を実施し、取組が不十分な学校については、強く指導してまいる。  

 

○ また、市町村教育委員会に対しても、職員が出向くなどして、同様の取組が行われるよう、働きかけてまいる。

 

 

 


posted by 千葉英守   |    0 comments